ビジネスで使える「態々」の敬語表現
「態々」という言葉自体は敬語表現ではありませんが、言い回しによっては目上の人にも使える言葉です。丁寧語や敬語表現と組み合わせて使用できるので、正しい使い方を覚えておきましょう。
ビジネスシーンでは、以下の例文のように感謝を伝えたいときや、謝罪したい状況で使われることが少なくありません。
(例文)
「お忙しい中、態々ご対応いただきありがとうございます」
「本日はお足元が悪い中、態々お越しいただき感謝いたします」
「態々、ご連絡いただいたのにご期待に添えず、申し訳ございませんでした」
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【目次】
言い換えできる類語も紹介
「態々」という言葉と近い意味を持つ言葉も一緒に覚えておくと、よりその場に相応しい言葉遣いができます。態々とあわせて覚えたい類語をチェックしましょう。
「遠路はるばる」
「遠路はるばる」は、遠くからやって来た人に対して使用する言葉で、大変な思いをして長い道のりを移動してきた様子を指します。
「遠路」は遠い道のりのことで、「はるばる」は遠く離れている様子を示した言葉です。相手が遠くから態々やって来てくれた状況で、使いましょう。
(例文)
「遠路はるばる、お疲れ様です」
「遠路はるばるお越しいただき、感激しています」
「態々、お越しくださりありがとうございます」とほぼ同じ意味で使えます。ただし、距離が近い相手に対して使うと嫌味に聞こえてしまうので注意しましょう。
「殊更(ことさら)」
何らかの考えがあって、あえてその行動をとることを「殊更」といいます。「格別に」「わざと」と同じ意味がある言葉です。否定的な言い回しで態々を使用する際に、殊更を使うと近い意味になります。
(例文)
「殊更に前に出ようとしなくていい」
「あの人の意地悪な振る舞いは、殊更に目立っている」
「前回の試験の点数が悪かったので、今回の結果は殊更にうれしい」というように、状況に応じて前向きな意味で使うこともできます。
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