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2022.03.09

【時化】←なんと読む?意味は〝強風により海上が荒れること〟

「時化」とは強い風雨のために海が荒れることを指す言葉です。転じて、海が荒れて不漁であることや興行などで来客が少なく商売が思わしくないことも表します。今回は「時化」の3つの意味と使い方、類語や対義語に加え、時化の原因や高波との違いも解説します。

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「時化」とは強風により海上が荒れること

時化」は「しけ」と読み、強い風によって海面が荒れることを指す言葉です。波の高さが4メートル以上の状態をあらわし、風や高波だけでなく雷や雪を伴うこともあります。見通しの悪さによって、船の航行に影響を与えます。

時化

「時化」を漢字だけ見て正しく読むのが難しいのは、漢字が当て字であるとされるためです。当て字ですので、「時化」と「時」や「化」の漢字がもつ意味には関連性がないと考えるのが自然です。

辞書にはどのような意味が記載されているか、確認しましょう。

【時化:しけ】《動詞「しけ(時化)る」の連用形から》1 風雨のために海が荒れること。「時化で出港できない」⇔凪。2 海が荒れて不漁であること。「時化のため入荷が少ない」3 興行などで客の入りが悪いこと。また、商売が思わしくないこと。不景気。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「時化」の3つの意味

「時化」には次の3つの意味があります。

1.強い風や雨のために海が荒れること
2.海が荒れて不漁であること
3.客足が悪いこと

強い風雨により荒れた海では、魚がとれず不漁となるケースがほとんどです。さらに不漁のニュアンスが不景気な状況をイメージさせ、入店客数の少なさにつながるというように、3つの意味は関連していることがわかります。

それぞれの意味を詳しく解説していきます。

1.風雨のために海が荒れること

「時化」の1つ目の意味は、強い風雨のために海が荒れるということです。一般的に波は海面が風に押されてできるものであるため、強い風によって波が高くなります。波の高さが4メートル以上が「時化」の基準です。

「今日は時化で出港が難しい」というように使います。天気予報で「時化」という言葉を耳にすることがありますが、その場合はこの「強い風雨による海の荒れ」という意味で使用されます。

2.海が荒れて不漁であること

「時化」には、海が荒れて不漁であるという意味もあります。不漁とは、漁をしても魚が捕れないことを指し、不漁の対義語は「大漁」です。

高波によって船が転覆する可能性があるため、船の航行や操業に悪影響を及ぼすことも関係します。「時化によってさんまの入荷が少ない」「しらすが評判のあのお店は時化で休みだ」というような使い方をします。

3.客足が悪いこと

3つ目の意味は、興行などで客が少ないこと、商売がうまくいっていないことです。

強い雨風によって海が荒れると、魚が捕れません。その状況が不景気なさまをあらわすことから転じて、客数に恵まれないことを意味するようになりました。「駅前に大型のスーパーができたせいで、昔ながらの商店はすっかり時化ている」などと使います。

「時化」の由来

時化」は動詞である「時化る(しける)」の連用形が由来で、漢字は当て字だといわれています。なぜこの漢字があてられたのかは、わかっていません。

もともとは「湿気る(しける)」と同語源で、空が曇るという意味で使われていました。空が曇るとやがて海が荒れ、そして魚が捕れず不漁になります。さらに、不漁から商売の不調に派生し、当初とは異なる意味でも用いられるようになりました。

湿気る以外にも、「陰(かげ)」や雨や風を指す「風雨気」など、語源については諸説あります。

「時化」の基礎知識

「時化」の意味や言葉の由来について確認したところで、自然現象としての「時化」の基礎知識に触れていきましょう。

時化

時化」は台風や発達した低気圧などによって起きるものです。「大時化」との違いは波の高さです。また、「高波」には「何メートル以上の波」というような明確な基準はありません。

ここからは、「時化」が起きる原因や「大時化」、高波との違いについてそれぞれ詳しく解説していきます。

「時化」の原因

「時化」は下記の3つの理由によって発生するといわれています。

1.台風
2.発達した低気圧
3.冬の季節風

いずれにも共通するのは、強い風が発生する気象であり、風によって波が高まり海が荒れるということです。

台風による「時化」が長引くと、可能性は低いものの波形の険しい大波である「三角波」や、「一発大波」といわれる巨大な波が発生する危険性が高まります。このような波は海難事故の原因となることもあるため注意しましょう。

また、発達した低気圧と冬の季節風については、「時化」となる海域が広い範囲になる傾向があり、おさまるまで日数を要します。

「時化」と「大時化」の違い

大時化」は「おおしけ」または「おおじけ」と読み、「時化」との違いは波の高さです。気象学の波浪表によると、「時化」は波の高さが4メートル以上6メートルものまでを指す一方、「大時化」は6メートルから9メートルと「時化」よりさらに高い波をあらわすことを覚えておきましょう。

「大時化」よりもさらに高い9メートル以上の波については、「猛烈に時化る」といいます。

「時化」と「高波」の違い

「高波」は、気象庁の定義では「波浪注意報・警報の対象になる程度の高い波」をあらわします。強い風によってうまれる高い波という点では「時化」と同じですが、「時化」が6メートル以上9メートルまでの波と決められているのに対し、明確な波の高さの基準が定められていない点が特徴です。「高波」は主に低気圧の発達によってうまれます。

「時化」の類語・対義語

「時化」の類語としては「大荒れ」や「不景気」が挙げられます。対義語は「凪」です。「大荒れ」は「時化」の「風雨によって海が荒れること」、「不景気」は時化の「客足が悪いこと」にそれぞれ似た意味をもちます。

対義語である「凪」は風がふきやんで波がおさまり、海面が静まることを指す言葉です。それぞれの意味をご紹介していきます。

時化

類語は「大荒れ」「不景気」

大荒れ」には「家などが荒れ果てること」や「気持ちや振る舞いが荒れること」「レースなどが予想外の成り行きになること」といった意味もあります。「時化」の類語としての意味は「天候がひどく荒れること」「暴風雨」などです。

不景気」は商売が繁盛しないこと、景気が悪いことを意味する言葉です。「時化」の「客足の入りが悪いこと」の意味に対応すると理解しましょう。

対義語は「凪」

「凪」は風がふきやむことで波がおさまり、海面が静まるさまをあらわす言葉です。海岸部で風がおさまるのは海風が陸風に、陸風が海風に変わるときで、この二対の風が交代するタイミングが「凪」です。朝と晩にみられることが多いとされ、それぞれ「朝凪」、「夕凪」といいます。

雨や風によって波が高くなり海面が荒れる「時化」とは、反対の意味の言葉であることがわかります。

まとめ

「時化」は強い風や雨によって海が荒れることを意味する言葉です。そこから転じて不漁であることや客足が悪いこともあらわします。湿気るという言葉と同語源であるといわれています。「しけ」という言葉を聞いたことはあっても正しく漢字を読むのが難しいのは、当て字であるからでしょう。

台風や発達した低気圧、冬の季節風などにより発生し、波の高さは4メートル以上6メートルまでという基準があります。「大時化」とは基準となる波の高さが異なり、「高波」は時化と同じように強い風によって発生する高い波のことですが、明確な高さは定められていません。

ぜひこの記事を参考にして、「時化」の意味や由来、また「大時化」などとの違いを正しく理解しましょう。

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写真・イラスト/(C) Shutterstock.com

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