奸智術策
「奸智術策」は、「かんちじゅっさく」と読みます。「奸智」は悪知恵、「術策」は謀、企みのこと。この2つで成り立つ「奸智術策」は、よこしまな知恵を使った策略という意味になります。
「権謀術数」の対義語は?
「権謀術数」の対義語も見ていきましょう。真っ直ぐであること、策を用いないことを意味する言葉が当てはまります。
馬鹿正直
「馬鹿正直」は文字通り、正直すぎることです。その性によって、機転が利かない、臨機応変に振る舞えない場合にも使われる言葉です。
誠心誠意
「誠心誠意」は、偽りなく真心をもって物事にあたることです。偽りや飾りのない心を意味する「誠」という字を重ねることによって、その意味を強調しています。
「権謀術数主義」のマキャヴェリズムとは?
「権謀術数」を説明する上で頻繁に登場する言葉に、「マキャヴェリズム(マキアベリズム)」というものがあります。「マキャヴェリズム」とは、思想家のマキャヴェリが主張する政治思想です。
マキャヴェリは『君主論』の著者。『君主論』は、国家統治者である君主はどうあるべきなのか、歴史上の君主を分析して執筆されたものです。その中で、国を統治するためには合理的な判断が必要だと説いています。これは、「権謀術数主義」においても見られる考えです。「マキャヴェリズム」「権謀術数主義」は、倫理的に正しくない非道徳的行為でも、結果が良ければ正当化されるという、共通した意味を持っています。
英語表現とは?
「権謀術数」の英語表現には、どのようなものがあるのでしょうか。2つ紹介します。
1:He is a scheming politician(彼は権謀術数に長けた政治家だ)
「scheme」には、計画、陰謀という意味があります。「権謀術数」の例文で「あの人は権謀術数を弄(ろう)して、この難局を乗り切ろうと必死だ」という例を紹介しましたが、このような知事は「He is a scheming man」といえます。
2:She made full use of scheme(彼女は権謀術数を駆使した)
「make full use of~」は、「~を十分に活用する」という意味です。「She made full use of scheme」は、直訳すると「彼は陰謀を十分に活用した」となり、スマートな言い方に直すと「彼は権謀術数を駆使した」といったところでしょう。
最後に
普段の会話ではあまり馴染みのない「権謀術数」という言葉。少し難しく感じますが、例文や類語、対義語を一つ一つ見ていくと、理解しやすいのではないでしょうか。
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