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2022.08.21

誤用に注意!【春秋に富む】の意味、知ってる?

 

「春秋に富む」は、将来性のある若い人を指して使われる言葉です。普段あまり耳にする機会が少ない言葉であるため、意味を間違って覚えてしまっている人が多いのも特徴です。「春秋に富む」の正しい意味や語源、使い方のポイントをご紹介します。

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「春秋に富む」の読み方と意味

「春秋に富む」の正しい読み方は……「しゅんじゅうにとむ」でした!「春秋に富む」は、年齢が若く将来性があること、有望であることを意味します。

春秋に富む

春秋(しゅんじゅう)に富・む…年が若く、将来が長い。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「春秋に富む」が「経験豊富であること高齢であることの意味で誤って用いられてしまう場合もあるようです。

正しい意味を理解することで誤用を防げるはずです。誤用に関しては後ほど詳しく解説します。

「春秋」は月日や年齢を表す

「春秋」とは、一見季節を表す言葉のようにも感じられますが、実は年月や年齢といった意味をもっています。

「春秋に富む」の表現における「春秋」は、年月や年齢を表しているのがポイントです。普段の生活ではあまり聞きなれない表現かもしれませんが、「春秋」は多くの慣用句に使われている言葉でもあります。

後ほどご紹介する「春秋」を含んだ類義語や対義語も、この記事を読んでマスターしてしまいましょう。

「春秋に富む」の誤用に注意!

「春秋に富む」は、将来が有望な若者に向けて使われる言葉です。しかし、実際には経験豊富な高齢の人を指して使ってしまう誤用が多く見られます。

中途半端な理解度で終わってしまうと、せっかく学んだ新しい表現を間違って使ってしまうことになりかねません。

「春秋に富む」の意味を正しく覚えられるポイントを解説します。

「春秋に富んだ人」とは若い人を指す

春秋に富んだ人」とは、若くて将来有望な人を意味します。高齢で経験豊富な人という意味ではありませんので、注意しましょう。

年齢や月日を表す「春秋」が富んでいるというイメージから、これまでの経験が豊富であるというイメージを抱きやすいのが誤用をしてしまう理由です。

「春秋が富んでいる」とは、残されたこれからの時間が豊富であるということです。つまり、若ければ先の人生は長く将来性が期待できるでしょう。

豊富な年月が未来の時間を指している点をしっかりと押さえておけば誤用を防げるはずです。

「春秋に富む」の由来と類義語・対義語

「春秋に富む」は、中国の歴史書に由来する言葉です。「皇帝春秋富」という一節に、「春秋に富む」が登場しています。

ここからは「春秋に富む」をより詳しく知るヒントとなる由来と類義語・対義語をご紹介します。

春秋に富む

由来は中国の歴史書『史記』

「春秋に富む」が最初に登場したのは、中国の歴史書『史記』の内の下記の一節です。

「皇帝春秋富 (皇帝、春秋富む)」

秦王朝を治めていた始皇帝の死後、二世皇帝が新たに即位をしました。若くしてトップの座につくこととなった皇帝の将来を案じ、大臣は「まだ若く将来性がある皇帝が政治に携わり、失敗をして権威に傷をつけることは相応しくない」と意見しました。

その大臣の発言が、「春秋に富む」の語源となっています。

類義語は「春秋鼎に盛んなり」など

「春秋に富む」の類義語とその意味は次のとおりです。

春秋鼎に盛んなり(しゅんじゅうまさにさかんなり):働き盛りの壮年
新進気鋭(しんしんきえい):将来が有望な新人

「春秋鼎に盛んなり」の意味する壮年とは、一般的には30~40代の働き盛りの年代を指します。「春秋に富む」と比べると、すでに今活躍しているというニュアンスが含まれています。

「新進気鋭」は、学問や芸術の分野の有望な若者を指して用いられることが多いです。自分のことを「新進気鋭」と表現するのは、適切ではありませんので注意しましょう。

対義語は「春秋高し」など

「春秋に富む」とは相反する意味を持つのが、次の2つの表現です。

春秋高し:高齢である、年月を経ている
春秋を経る:長い年月を経て今に至っている

若い人を指して使われる「春秋に富む」に対して、ご紹介した2つの対義語は、これまでに長い年月を経ていることを示す言葉です。

ただし、「春秋に富む」の対義語だからといって、将来性がないという意味にはなりません。

「春秋に富む」の使い方と例文

「春秋に富む」は、若くて将来性のある人を意味する言葉であるため、知識や能力が重視されるビジネスシーンでも多く使われる言葉です。

春秋に富む

実際にどんな場面で「春秋に富む」が使えるのかは、例文を確認することが大切です。誤用をされがちな「春秋に富む」を正しく使いこなせるように、使い方のポイントと例文をご紹介します。

ビジネスシーンでも活用できる

「春秋に富む」は、ビジネスシーンでも活躍する言葉です。主に新入社員や、将来有望な若手社員を指して「春秋に富む」が使われます。

企業が採用の際に、今現在のスキルより将来のポテンシャルを見越して若い人材を採用することも多いでしょう。そんな時には「会社の未来を切り開く【春秋に富んだ】人材を優先して採用する」と表現できます。

「春秋に富む」を使った例文

例文をチェックすれば、「春秋に富む」を使いこなすヒントが得られるはずです。

【例文】
・今年の新入社員は【春秋に富んだ】人材が多く、数年後が楽しみだ。
・技術はまだ完璧とは言えないが、斎藤さんは何より【春秋に富んで】いる。今回のプロジェクトには彼を推薦しようと思います。
・【春秋に富んだ】彼女なら、これからどんな夢にも挑戦できるだろう。
・まだまだ【春秋に富んでいる】とはいっても、怠らず日々努力をしていこう!

まとめ

「春秋に富む」とは、若くて将来が有望なことを指します。この場合の春秋は、季節ではなく年齢や年月という意味です。

春秋に富む

「春秋に富む」は、これからの年月を意味しているため、残された時間の多い若者に使われます。富んだ年月がこれまでの時間を指していると誤った解釈をしてしまい、「春秋に富む」を人生経験の多い高齢なことを意味すると間違って覚えている方も多いようです。

正しい言葉の成り立ちや意味を知って、使いこなせるようにしておきましょう。「春秋に富む」は、新入社員や将来が有望な若者を形容できるため、ビジネスシーンでも活用しやすい言葉です。

「春秋に富んだ」みなさんも、残された時間に甘んじず少しずつ努力を重ねて行ってください!

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