豚に真珠(ぶたにしんじゅ)
豚に真珠を与えても意味がないことから、価値のわからない人に貴重なものを与えても役に立たないという意味です。猫に小判とほぼ同じような意味の言葉で、「価値がわからない」というニュアンスを含んでおり、その部分では宝の持ち腐れと異なります。
例文
・普段漫画しか読んでいない彼に文学をすすめても、豚に真珠だよ。
箪笥の肥やし(たんすのこやし)
箪笥にしまいこんだままで、ほとんど着ていない衣類のことです。価値あるものを活用しないという意味で宝の持ち腐れに似た言葉といえるでしょう。
しかし、宝の持ち腐れが人や物など幅広いものを対象にするのに対し、こちらは衣類を中心とした物に限定されています。
例文
・箪笥の肥やしになっている衣類が多く、時間があるときに整理しなければならない。
宝の持ち腐れの対義語
宝の持ち腐れには対義語もあります。所持している価値あるものを使いこなせているという意味で、「適材適所」「有効活用」「水を得た魚」などの言葉があげられます。
有効活用(ゆうこうかつよう)はあまり使われていない状態のものを十分に活用するという意味で、水を得た魚(みずをえたうお)は、自分に合った環境でいきいき活躍する様子です。
ここでは、適材適所について詳しくご紹介します。
適材適所
適材適所(てきざいてきしょ)とは、その人の能力に合う地位や任務を与えるという意味です。「適材適所」の「材」は「木材」を表し、もともと建築現場で使われていました。
木材の特徴に合った施工をすることで良いものが作れるという意味から、現在のような意味合いに変わっています。その人が持つ能力を十分発揮できるという意味で、宝の持ち腐れとは対極にある言葉です。
宝の持ち腐れの英語表現
「宝の持ち腐れ」の英語表現を5つご紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
a useless treasure
宝の持ち腐れの持つ「役に立つものを持ちながら、有効に使わない」という意味を英語で表現したいなら、「利用されない宝」という意味を持つ「a useless treasure」を使うと良いでしょう。
treasure
(貴金属・宝石などの形で蓄積された)宝,財産
〈引用(小学館 プログレッシブ英和中辞典)より〉
unused talent
物ではなく「才能を持ちながら、それを活用していない」状態を表したい場合は、「才能」を表す「talent」を使って「unused talent(活用の機会のない才能)」で「宝の持ち腐れ」であることを伝えることができます。
talent
(…に対する)(生来の)才能,素質;手腕,力量,腕前≪for≫
〈引用(小学館 プログレッシブ英和中辞典)より〉
Sit on a gold mine
「Sit on a gold mine」も「宝の持ち腐れ」と同じニュアンスで使うことができる英語表現です。直訳すると「金鉱の上に座る」ですが、転じて「そうとは気付かずに価値があるものを所有している」ことを表しています。
mine
採掘坑,鉱山,鉱床
〈引用(小学館 プログレッシブ英和中辞典)より〉
A book that is shut is but a block
「A book that is shut is but a block」は直訳すると「閉じられた本は塊でしかない」ですが「ものを有効に使っていない」という意味で日本語の「宝の持ち腐れ」に当たる英語のイディオムです。
block
(石・木・金属などの直方体のような)ひとかたまり(解説的語義)
角石,角材,(氷などの)塊,(建築用の)ブロック;(バター・アイスクリーム・チョコレートなどの)ブロック
〈引用(小学館 プログレッシブ英和中辞典)より〉
Better spent than spared
「Better spent than spared」は「惜しむより使ったほうがいい」という意味を持ちます。物や才能を使わずにとっておくよりも、使ったほうが良いことを「宝の持ち腐れにならないように」と伝えたい時に使えるフレーズです。
spare
[動]【使わずにおく】
〔通例否定文で〕〈費用・労力などを〉惜しむ,けちけちする
〈引用(小学館 プログレッシブ英和中辞典)より〉
宝の持ち腐れは使う場面に注意しよう
宝の持ち腐れは、価値あるものを持ちながら活用できていないことを表し、人と物の両方に使われる言葉です。高級品や高スペックのものを持っているのに十分使いこなしていない、才能があるのに発揮できていない場合に使われます。
いくつか類語がありますが、ニュアンスが異なる部分もあるため、状況に応じて使い分けましょう。宝の持ち腐れの意味を理解し、正しく使うようにしてください。
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