「あざとい」と「ずる賢い」の違いは?
「したたか」のネガティブな意味として「ずる賢い」意味で使うことがあります。「あざとい」の意味は、計算高く人を翻弄する振る舞いや、目先のことだけを抜け目なく行動すること。「したたか」の本来の意味は「粘り強さ」「屈しない強さ」を表すので、厳密には違うので、混同しないようにしましょう。
「したたかな人」の特徴は? その性格や行動
次に「したたかな人」の特徴について、考えてみましょう。ひとえに「したたか」といっても、好印象を与える人もいれば、悪印象を与える人もいるので、多角的に見てみます。
打たれ強い
「したたか」は漢字にすると「強か」もしくは「健か」。精神的な強さと身体的な強さの両方で、「打たれ強さ」をその性格や行動で言い表せます。例えば、新入社員などで何度怒られても、へこたれずに挑戦を続ける人の「打たれ強い」行動などは、その特徴が見てとれます。
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自立している
「したたかな人」は「粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しない」傾向があるので、他人に依存しない性格と行動をとります。自分なりに一つ一つの行為に意味を持たせて判断しているので、自立して行動している人ともいえるかもしれません。
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人によって態度を変える
自分より目上の人や権力がある人には愛想よく対応しますが、目下の人や関わっても無意味と判断した人には失礼な態度をとる人も。損得勘定で動く習慣が、対人関係で態度に出てしまう「したたかな人」といえます。ケースによっては、高評価にも低評価にもなりえるのが「したたかな人」の特徴といえるのかもしれません。
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「したたかな人」の心理とは
では、「したたかな人」は、その特性からどんな心理的な働きがあると考えられるのでしょうか。
情に流されない
「したたかな人」は「確固たる意思を持っている」「しっかりしている」がゆえに、情に流されずに、立ち回ることができるといえるでしょう。自分で客観的な判断ができるのです。
他者からの圧力に屈しない
「したたか」には「賢い」や「気丈」といったニュアンスもあるので、「したたかな人」の賢さや気丈さが、自立とたくましさに繋がり、粘り強さを生んでいるのかもしれません。その結果、「他者・外部からの圧力に屈しない」心理的にも強い人といえるでしょう。
損得で行動する
時折、周りを気にせず、自分が絶対に損をしないように立ち回る人がいます。金銭的・物理的なものから、自分への評価や人間関係まで幅は広いです。客観的にはそういう人を「ずる賢い」「融通が効かない」と批判的にいいます。
一方で、物事を客観視し冷静な判断ができている証拠でもあるので「ずる賢い」だけではなく、見極めて行動する強さがあるともいえます。自分を守る心理的な働きがあるのかもしれません。
「したたか」の英語表現は?
「したたか」の英語表現を覚えておくことで、いざ使う場面になったときに対応できるようになります。「したたかな女性」や「したたかに生きる」などの英語表現についてまとめました。
日本語ではすべて「したたか」で表現できますが、英語の場合はそれぞれ異なった単語を使って表現するため、どのような意味合いを表現したいのか考えて言い換えるようにしましょう。
She is a stubborn woman.(彼女はしたたかな女性です)
「したたか」を「計算高さ」や「頑固さ」のネガティブなニュアンスで表現したい場合は「stubborn(頑固な、強情な)」や「shrewd(抜け目のない)」「difficult to deal with.(扱いが難しい)」などを使うとよいでしょう。
She has a tough life.(彼女はたくましく生きている)
「したたか」を本来のポジティブな意味合いで使いたいときは、「賢い」を表す「smart」「intelligent」「clever」や「たくましい」を意味する「tough」「strong」などの単語を使うといいでしょう。
例えば、「したたかに生きる」を「たくましく生きている」とポジティブなニュアンスで表すなら「tough」を一方で、褒め言葉として「彼女はしたたかな女性だ」といいたいときには「strong」を使って「She’s a tough woman.」と表現すればOKです。
最後に
「したたか」は良い意味でも悪い意味でも使われていることが分かりました。使い方が難しい言葉のひとつです。どのような意味合いで使われているのか、誤解がないように対応しましょう。
また、「かなり」「ひどく」という意味でも使われる言葉。「したたかに酔う」などと、あえて使ってみると言葉の奥深さを実感できるでしょう。言葉の意味を一面だけで考えるのではなく、多面的に理解できるようになりたいところです。
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