「四十雀」の食べ物
鳴き声でコミュニケーションを取る「四十雀」。では、いったい何を食べて生活しているのでしょうか? 「四十雀」の食べ物は、主に昆虫類やクモ、種子や木の実など。細く尖ったくちばしを上手に使って、食べ物を探します。
春から夏にかけてよく食べるのは、昆虫や幼虫類。樹木の幹や大枝の樹皮をはがして、エサになる食べ物を見つけます。秋から冬にかけて食べるのは、種子や木の実など。地上に降り、落ち葉を取りのけて食べ物を探します。かたい実を食べるときは、両脚の指の間に実を挟んで押さえ、くちばしでつつくか、叩き割ります。
また、「四十雀」は花の蜜も好き。くちばしが短いので、花の下の部分に穴を開けて、そこから蜜を吸います。桜の木の周りに花が沢山落ちていたら、「四十雀」の食事の後かもしれませんね。
「四十雀」はいつの季語?
「四十雀」は、俳句では夏や秋の季語として用いられます。
「老の名の有りとも知らで四十雀」は、松尾芭蕉の俳句です。「柊(ひひらぎ)の花のこぼれや四十雀」は、芭蕉に入門した俳人、浪花の句。他にも正岡子規や小林一茶など、多くの俳人が「四十雀」を季語にした俳句を詠んでいます。
ぜひ皆さんも、「四十雀」を季語にして俳句を詠んでみてはいかがでしょうか。
「雀」がつく鳥の難読漢字
他にも「雀」という漢字の入った鳥はいます。ここでは2つ紹介しましょう。
小雀
「コガラ」と読み、「四十雀」と同じスズメ目シジュウカラ科の鳥。大きさは「四十雀」より少し小ぶりで、全長13センチメートル程。「四十雀」と似ているのですが、お腹にネクタイ模様が無いので見分けることができます。オスは「チチー、チチー、チチー」や「チーツーチー,チーツーチー」と澄んだ声で繰り返し鳴きます。
山雀
「ヤマガラ」と読み、こちらも「四十雀」と同じスズメ目シジュウカラ科の鳥です。大きさは14センチメートル程。お腹が赤褐色なので「四十雀」とは見分けやすいですね。人懐っこくて木の実などで飼うことができ、日本では古来より身近な小鳥です。簡単な芸なら覚えるので、神社の前でお神籤を引く芸をしている山雀も。
最後に
「四十雀」がどんな小鳥か、理解できましたか? 実は「四十雀」は、一夫一妻制なのです。夫婦で一緒に子育てをし、ほとんどのカップルが一生を添い遂げるそう。鳴き声でお互いにコミュニケーションを取るなど、何だか人間と同じようなところが沢山あって親しみを感じますね。手作りの巣箱などにも巣を作るので、庭に置くと来てくれるかも。
私たちにとって身近な存在の「四十雀」。もしも出会えたら「ピーツピ!」と鳴かれないように、そっと観察してみましょう。
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