「松本十帖」は子連れ歓迎なおしゃれ温泉宿！親も子も楽しいブックホテルで過ごす休日

イケてる温泉宿は子連れNG？ いえいえ、松本十帖はキッズもウェルカム！

前編：【松本十帖】は子連れ歓迎なおしゃれ温泉宿！親も子も楽しいブックホテルで過ごす休日←今ココ
後編：【松本十帖】は子供の体験アクティビティも！親子で楽しむ温泉街歩き

「家族でデザイン性の高い温泉宿に泊まりたいけど、調べてみたら子連れでの宿泊はNGだった…」。そんな経験、ありませんか？今日紹介する長野県松本市の松本十帖は、「キッズウェルカムだけど、大人もうっとりできる素敵なホテルを選びたい！」というパパママにぴったりの温泉宿です。

そもそも松本十帖とは、貞享3（1686）年創業の歴史を持つ老舗旅館「小柳」の再生プロジェクトの総称になります。敷地内には「松本本箱」「小柳」という2つのホテルがあり、ブックストアやベーカリー、ショップ、レストラン、そしてシードル醸造所などを併設。一宿泊施設としてだけではなく、あらゆる場面で滞在がデザインされているのが魅力です。

今回、私たち家族が泊まったのは小柳。全室かけ流しの露天風呂が付いており、珪藻土仕上げの壁面や天然木のフローリングなど自然素材を多用。また各部屋にウェグナーやフィンユールなどの名作家具が置かれ、デザインチェアが好きな妻も大興奮していました。

一方で、「ベビーウェルカム・コンフォートツイン」「キッズウェルカム・ガーデンツイン」などの客室が設けられ、オシャレな内装や家具はそのまま、バリアフリーにも配慮。さらに知育おもちゃや哺乳瓶殺菌のための電子レンジ、75度保温ポットを用意してくれるなど、子育て中のパパママにとって痒い所に手が届くサービスを提供してくれています。

▲歴史ある温泉街の一画に突如として現れる松本十帖。写真は松本本箱の外観。既にセンスのよさが溢れ出ているのを感じます。

▲こちらは小柳の7階にあるテラススイート。デンマークの巨匠フィンユールのペリカンチェアが存在感を放っています！

▲キッズウェルカム・ガーデンツインのお部屋にも、日本人デザイナー新居猛による世界的名作、ニーチェアエックスが二脚置かれています。

▲床は畳で広々しているので、1歳児の娘を転がしても安心。絵本や児童書のほか、積み木などのおもちゃも用意してくれています。

何時間でもいれちゃう！家族全員が楽しめるブックストアが1階に併設

松本十帖のもうひとつの宿泊施設、松本本箱は、「豊かな知と出会う」をコンセプトにしたブックホテルになっています。こちらは小柳よりもさらに尖ったデザインで、客室にあえてTVは置かず、解体そのままのように見えるコンクリートの壁（実際は研磨され、左官職人が仕上げているそう）を使用。エッジの効いた雰囲気は、クリエイターの方が籠もってワーケーションをするのにぴったりな印象です。

もっともこちらの客室の利用は9歳以上（小学校高学年以上）に限られるため我が家は宿泊不可だったのですが、1階にあるブックストアはファミリーでも利用可能。「本の世界に浸かる」をコンセプトに、かつての大浴場がブックバス「オトナ本箱」「こども本箱」にリノベーションされ、とことん読書に没頭できる魅力的な空間に仕上がっています。

設計は谷尻誠・吉田愛率いる「SUPPOSE DESIGN OFFICE」、ストアの選書＆ディレクションの一部は幅允孝が代表を務める「BACH」が手掛けたと聞くと、デザイン好き・書店好きの方も「どうりで！」と唸るのではないでしょうか？もっとも、こども本箱の暖簾をくぐった子供たちは、所狭しに並んだ絵本や図鑑にただただ目を輝かせ、元浴槽部分を活用したボールプールに無我夢中。

ここに置かれている本はすべて購入可能で、宿泊者は24時間自由に利用可能。気に入った本を買って部屋でゆっくり読むもよし、子供が寝た後はパパママ交代でしっぽり読書タイムを設けるもよし。ちなみに夜のオトナ本箱はバータイムがあり、フリードリンクでお酒も飲めちゃいます。

▲天井のミラーに反射する本棚がSNS映えするオトナ本箱。「オトナの写真集」をテーマに、色気のある写真集を選書したとのこと。

▲こども本箱では洗い場が迷路型の本棚に、浴槽はボールプールになっています。絵本の総数は約2000冊！

▲育児関連の本もずらり。こども本箱にはベビーベッド付きのトイレのほか、2つの授乳室も備わっています。

次の【後編】では、松本十帖をもっとファミリーで楽しむいろいろな情報をお伝えします。

▶︎松本十帖

トラベルエディター

伊澤慶一 

旅行ガイドブック『地球の歩き方』編集部にて国内外のガイドブックを多数手がけ、2017年に独立。現在は、雑誌のホテル特集ページ制作を手がけたり、「ワーケーション」や「ステイケーション」をテーマに連載記事の執筆、また自らのInstagramアカウントで日々おすすめホテル情報を発信している。
アカウント：@izawakeiichi