【目次】
エリアリノベーションのきっかけに、街が変わった!応援したくなる壮大なプロジェクトも魅力
前編:【松本十帖】は子連れ歓迎なおしゃれ温泉宿!親も子も楽しいブックホテルで過ごす休日
後編:【松本十帖】は子供の体験アクティビティも!親子で楽しむ温泉街歩き ←今ココ
松本十帖がある浅間温泉は「松本の奥座敷」と呼ばれ、かつてはチンチン電車が運行するほど賑わいを見せた温泉街でした。しかし、旅行スタイルの変容などによりかつての活気は徐々に衰退。そんな浅間温泉で2022年7月にグランドオープンした松本十帖は、老舗旅館「小柳」の再生を通じて「エリアリノベーションのきっかけをつくること」を目指しています。
実は敷地外にも古民家を改装した2軒のカフェをオープンしており、宿泊者のチェックインは、ホテルまで徒歩3分の位置にあるカフェ「おやきとコーヒー」で行います(荷物は運んでくれるので子連れでも心配無用)。その後、あえて歩いてホテルに向かうことで、浅間温泉エリアの活性化につなげたいという狙いがあり、毎日16時から周辺の温泉街の無料散歩ガイドも行っています。
いいホテルに泊まるとホテル内に篭ることになりがちですが、ここでは宿泊客が街を散策し、松本十帖を中心に人の動きが生まれているのを実感します。十帖とは「10の物語」という意味。この場所で様々な物語を感じ、遊びに来たひとたちにもなにか新しい物語が始まれば、という想いが込められた素敵なネーミングで、いつの間にか私も妻もすっかりこのプロジェクトのファンになってしまっていました。
▲レセプションにもなるカフェ「おやきとコーヒー」。チェックインの際にはおやきとコーヒーのウェルカムサービスがあります。
▲カフェからホテルまで行く間に温泉街を巡りやすくなるよう、マップで簡単に案内もしれくれました。
▲小柳のロビー階にあるショップ「浅間温泉商店」。「生活を彩る雑貨や食品」をコンセプトに商品をセレクト。
▲浅間温泉に点在する共同浴場をイメージして作られた「小柳之湯」。脱衣所と半露天のシンプルな浴槽のみで宿泊者限定。
レストラン「ALPS TABLE」では「食育」に繋がるプロジェクションマッピング
小柳はレストランもキッズフレンドリーでパパママも安心。1階にある「ALPS TABLE」は、「信州イタリアン」をテーマにしたファミリーダイニングで、化学調味料を含め食品添加物は一切使用していません。またレストランでは、壁一面に投影されたプロジェクションマッピングで、りんごやお米の成長など信州の食文化を学べる仕組みになっており、食事の前に子供たちが全身を使って遊んでいました。
レストランのコンセプトや内装、そしてプロジェクションマッピングを担当しているのは、アートで野菜や果物の魅力を発信する「農とアート展」や、コールドプレスジュース「Why Juice?」などを手掛けるデザイン会社「NON-GRID INC」の小池博史氏。「松本本箱」同様、一流のクリエイターが携わることで、健康的な食をテーマにした最先端のデジタルアートを子連れで楽しむことができます。
ちなみに松本本箱の1階には薪火グリルダイニング「三六七」という信州の食材を多用したおしゃれなレストランもあり、こちらは大人向けのシックな雰囲気になっています。
▲ALPS TABLEの壁一面を使ったプロジェクションマッピングは30分おきに上映(内容はお米とリンゴの2パターン)。
▲センサーと連動し、稲をタッチするとおにぎりと茶碗に変身。デジタルアートが田んぼと食卓をわかりやすく結びます。
▲キッズメニュー。大人はイタリアンのコース料理ですが、小さな子供も飽きないようにとコースの品数を抑え、1時間強で終わる内容に。
アート体験や託児もできる、併設の「Preschool MAI.MAI」
もうひとつ、松本十帖の敷地内でご紹介したいのが「Preschool MAI.MAI」です。「思いっきり遊ぶ!」をモットーにしたプレスクールで、この日はちょうど、0歳から参加できる「アート教育(すくすく教室)」の開催日だったので、4歳の息子と1歳の娘を参加させてみました。
床に画用紙を敷いて、素手で大胆に絵の具を使ったアート体験。フィンガーペインティングは家で体験させるのはなかなか大変ですが、子供の自己表現を開放させたり、触覚を刺激することで想像力・創造力を掻き立てたりする効果が期待されています。絵具に直接触ることに慣れてない息子は少し戸惑い気味でしたが、娘は自分の掌で自在に色塗りができて、生まれて初めてのお絵描き体験にキャッキャと楽しそうでした。
他にも幼児を対象としたリトミックや体操のクラスが開催されていたり、託児だけのサービスも半日6,500円から行っているので、両親だけで引き続き「松本本箱」を楽しんだり、近隣のワイナリーに遊びに行ったりすることも可能です。
▲松本十帖敷地内にあるかつての蔵の中で、プレスクールを開催。中は体育館のようにフローリングが敷かれ意外と広々しています。
▲子供だけで預けることも可能ですが、この日はせっかくなので0歳から参加できるアートクラスの様子を見学させてもらいました。
▲慣れている子供は両手で絵具をかき混ぜて、画用紙に思うままのアートを描いて楽しんでいました。
▲十五夜のお月様をイメージした作品を制作。グラデーションに塗ることで、色を混ぜると違う色になることが実感できたみたいです。
スケールがすごい「松本市アルプス公園」。博物館やコースターなど1日いても飽きません!
最後に、松本十帖から車で10分ほどの場所にある「松本市アルプス公園」も子連れにおすすめのスポットとしてご紹介したいと思います。
全長630mのコースをローラー付きのソリで一気に滑り降りる「アルプスドリームコースター」や、松本の自然や四季について楽しく学べるよう工夫が凝らされた「山と自然博物館」、ニホンザル・ニホンジカ・ポニーをはじめとする動物約30種類、250頭を飼育している「小鳥と小動物の森」など、公園というよりテーマパークのようなスケール。
高台の上にあるため、山と自然博物館5階の無料展望室から、北アルプスをはじめとした360度のすばらしい眺望を楽しむことが可能。天気がよければ、ぜひ松本十帖のチェックイン・アウトの前後で足を運んでみてくださいね。
▲長野県の滑り台は大きい!「森の里広場」にある岩山滑り台。ほかにも大規模なフィールドアスレチックやターザンロープが設置。
▲アルプスドリームコースターは簡単操作でソリ(2人乗り可能)を楽しむことができ、上りもエスカレーターに引っ張られ楽々。
▲山と自然博物館は、松本に生息する動物の剥製や昆虫標本、また明治から昭和までの登山道具などを展示。山と自然を身近に感られます。
▲山と自然博物館の5階無料展望室から電子望遠鏡(有料)を使って松本の景色を楽しむ息子。子連れで1日たっぷり楽しめる公園です
いかがでしたでしょうか?東京や名古屋からであればアクセスも3時間前後で行きやすい長野県・松本市。ありそうでなかった、大人も子供も刺激をもらえる温泉宿。松本十帖に宿泊しながら、浅間温泉の温泉街や松本市内の散策も楽しんでみてくださいね!
▶︎松本十帖
トラベルエディター
伊澤慶一
旅行ガイドブック『地球の歩き方』編集部にて国内外のガイドブックを多数手がけ、2017年に独立。現在は、雑誌のホテル特集ページ制作を手がけたり、「ワーケーション」や「ステイケーション」をテーマに連載記事の執筆、また自らのInstagramアカウントで日々おすすめホテル情報を発信している。
アカウント:@izawakeiichi
ホテルステイ
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