一方で、「茉」に含まれている「末」という漢字は、終わりを意味するようで縁起が悪いのではないかという意見も。しかし、こちらに関しては全くの誤解です。漢字の成り立ちでも解説した通り、「末」は「茉」という漢字の読みを表します。また、ここでの「末」は木の先端、梢という意味として使われているため、不吉な意味を持つ漢字ではないと言えます。
ほかにも、本来は「マツ」「バツ」と読む漢字を、「マ」という読みにして名前に使うのは間違っているのではないかという意見もありますが、こちらに関しても特に問題はありません。なぜなら、「茉」という漢字は、常用漢字ではなく人名用漢字のため、「マ」という読みも間違いではないからです。
【目次】
「茉」を使った名前5選
ここでは、「茉」を使った男の子・女の子の名前を5つ紹介します。また、どちらにもおすすめできる名前も紹介しますので、名づけの際に、ぜひ参考にしてください。
1:茉莉(まり、まつり)
『高瀬舟』や『舞姫』などで名高い森鴎外が、自身の娘に名付けた名前としても有名です。鴎外は、子どもの名前が海外でも通用するように、この名前に「まり」という読みをつけました。国際化が進む現代でも十分通用する名前ですよね。
「まつり」と読んでも、女の子らしくてとても可愛い響きとなります。
2:咲茉(えま)
こちらの名前は2021年の「たまひよ赤ちゃんの名前ランキング100」にて18位にランクインしています。花が咲き誇るように、笑顔の絶えない日々を送ってほしいという願いが込められたような名前。周りにも元気を与えるような、明るいイメージが伝わってきます。こちらも海外で通用する名前でしょう。
3:陽茉莉(ひまり)
こちらは漢字三文字で「ひまり」と読みます。「ひまり」という名前は女の子の名前として大変人気がありますが、ジャスミンにちなんだ漢字を使って「ひまり」と読むのも、とても愛らしくて素敵。太陽に照らされたつぼみが花開くような、繊細で美しいイメージがあるのも特徴的です。
4:和茉(かずま)
こちらは男の子におすすめの名前です。「温順」「柔和」という花言葉を持つジャスミンの漢字と、なごやか・のどかという意味の「和」を組み合わせた名前になります。穏やかで協調性のある、柔らかなイメージが浮かんできますね。知的な雰囲気と優しさを兼ね備えている魅力的な名前です。
5:茉広(まひろ)
こちらは、男の子にも女の子にもおすすめの名前です。優しいイメージのあるジャスミンの漢字に、「広」を合わせることで、広い心を持ったおおらかな人に育ってほしいという願いが込められた名前。幅広く活躍するという意味も込められるので、集団の中でリーダーシップを発揮できそうな、かっこいいイメージが持てます。
最後に
今回紹介した、「茉」という漢字は、ジャスミンを意味することが分かりました。今まで「何となく知っている」だけだった漢字を、じっくり調べてみると意外な意味や成り立ちがあることを知ります。
特に、名前は生涯を共にする大切なもの。子どもの名前などを決めるときには、素敵な意味や願いを込めたいですね。華やかな香りで人々の心を惹きつけてきたジャスミンを表す「茉」は、名前を構成する漢字の一つとしても向いています。
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