「ご自愛」の漢字間違いに注意
「ご自愛ください」を「ご慈愛」と表記しないよう注意しましょう。「ご慈愛ください」としてしまうと、「あなたの深い愛情をください」という意味合いになり、伝えたい気持ちとは全く異なるうえに、失礼にあたります。漢字間違いにはくれぐれもご注意ください。
相手の健康状態を考慮する
そもそも「ご自愛ください」には、「体調を崩さないように」「健康な状態を保つことができるように」という思いが込められています。すでに体調を崩している方や病気・ケガで療養をしている方には失礼になりますので、使うのを避けましょう。
「ご自愛ください」年賀状で使うなら?
「ご自愛ください」を年賀状で使うなら、どのようにすればよいのかを確認しましょう。
年賀状に句読点は入れない
年賀状には句読点を使わないのがマナーとされています。特に目上の方やビジネス関係の方へ贈る際は、注意してください。
年賀状に句読点を入れない理由には2つあるとされています。まず、句読点を使うことで「相手との関係に区切りをつける」という意味になることが挙げられます。文章の区切りや終わりを表すのが句読点であることから、使わないのがマナーとされているようです。
もう1つの理由としては、相手に敬意を表すため句読点を用いないというものがあります。句読点があることで文章は読みやすくなりますが、あえて使わないことで「句読点を使わなくても文章を読める力や教養がある方」という敬意を示すことになるというものです。
これは明治時代に句読点のルールが制定されたのがきっかけで生まれたものとされており、それが現代にも受け継がれています。
ただし、句読点がないと文章は読みづらくなります。年賀状を書く際は、文字間のスペースを空ける、一文を短くする、上手く改行を使うなどし、文章が読みやすくなるよう工夫しましょう。
「時節柄ご自愛ください」は使わない
年賀状自体が季節を表しているものなので、「時節柄」という言葉は使わないようにしましょう。寒さなど、体調を崩しやすい具体的な要因に触れると良いでしょう。
気候に触れる
年賀状を送るのは、寒さが厳しい時期ですから、気候に触れるとよいでしょう。寒いけれど体調に気を付けて過ごしてくださいという気持ちを、以下のように表現してみてはいかがでしょうか。
・寒い日が続きますがどうぞご自愛ください
・厳寒の折ご自愛くださいませ
・寒さ厳しき折くれぐれもご自愛ください
普段、あまり顔を合わせない方や忙しい方には
遠方にいる友人や親類、お世話になった方には、その人のご活躍を願う気持ちも添えるとよいでしょう。また、再会を願う言葉を添えるのもおすすめです。
・ご自愛のうえ、より一層のご活躍をお祈りしております
・またお会いできる日を楽しみにしております どうぞご自愛くださいませ
また、忙しくされている方には、以下のような表現を使うのも好印象です。
・ご多用とは存じますがくれぐれもご自愛ください
「ご自愛ください」に似た表現は?
「ご自愛ください」は、他の表現で言い換えることもできます。
「ご自愛ください」を言い換えるなら
「ご自愛ください」を言い換えるなら、以下のような表現がよいでしょう。
・ご健康を心からお祈り申し上げます
・お体にはくれぐれもお気を付けください
・ご健康には十分ご留意ください
・御身くれぐれも大切になさいますようお祈り申し上げます
・お体をおいといください
上記はいずれも「自分の体を大切にし、労わってください」という意味があります。相手の健康を祈る言葉ですので、相手に合わせて使い分けてみてください。
体調の良くない方に向けた言葉は
体調がよくない方や、ケガや病気で療養中の方に対しては、次のような表現に置き換えることができます。回復を願っていることと、ゆっくり休養してほしいという気持ちを伝えられるといいですね。
・どうかお体を大事になさってください
・どうかゆっくりとお体をいたわってください
・一日も早いご回復をお祈りいたします
ただし、長期に渡る療養が必要な病気やケガ、すぐの回復が見込めない場合は、上記の言葉が相手にとって負担になることもあります。その点はくれぐれもご注意ください。
最後に
「ご自愛ください」は年賀状の結び言葉として使うことができます。年代や季節を問わず使用できますが、漢字間違いや相手の状況に十分注意して使うようにしましょう。
益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
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