電動自転車のバッテリー寿命が知りたい
電動自転車のバッテリーの寿命はどれくらいあるのでしょうか。バッテリーの種類・寿命の目安・容量によるバッテリー寿命の違い・寿命が来たときのサインについて紹介します。
バッテリーは2種類ある
電動自転車のバッテリーには、リチウムイオン電池とニッケル水素電池の2種類があります。現在、電動自転車に使われているのは、主にリチウムイオン電池です。
リチウムイオン電池の特徴は、軽量・寿命が長い・メモリー効果の影響がほとんどないことです。メモリー効果の影響が大きいバッテリーは、電池の残量がある状態で充電をすると、充電できる容量が小さくなってしまいます。
リチウムイオン電池にはメモリー効果による影響がほとんどないため、電池の残量を使い切らなくても十分な充電が可能。長距離乗る予定があるときは前もって充電ができ、電池の継ぎ足しができます。
バッテリーの寿命の目安
バッテリーの寿命は、リチウムイオン電池で充電回数が約700~900回、期間にすると約3~4年が目安です。寿命が長いリチウムイオン電池ですが、使えば使うほどバッテリーの持ちは悪くなります。
使用頻度や環境にもよりますが、この目安を超えるとバッテリーの充電量は購入時の半分程度となり、バッテリー交換のタイミングといえます。
電動自転車本体の寿命はおよそ8~10年というのが通説なので、バッテリーは電動自転車の寿命までに1、2度は交換が必要だと覚えておきましょう。
バッテリーの寿命には容量も関係する
電動自転車のバッテリーは、容量が大きければそれだけ充電回数が減り、寿命が長くなる傾向にあります。よって、充電回数を少なくしたいのであれば、容量の大きなバッテリーを選んだ方がよいでしょう。
しかし、バッテリーの容量が大きくなればなるほど、購入時やバッテリー交換時の値段、1回の充電のコストなどは上がってしまいます。
電動自転車のバッテリーは、使用回数や使用距離に応じて選ぶことで、節約しながらでも使用することが可能です。1日に使う時間や頻度に合ったバッテリー容量を選びましょう。
電動自転車のバッテリー寿命のサイン
電動自転車のバッテリーの寿命が近づいたときのサインは、以下の三つです。
●以前より1回の充電で走れる距離が短くなる
●充電する回数が増える
●残量があったのに、走行中に突然電池が切れる
上記のようなサインがあり、「バッテリーの持ちが悪い」と感じたら、バッテリーを交換するタイミングです。部品の消耗を考え、電動自転車本体の買い替えを検討してもよいでしょう。
特に走行中にいきなり電池が切れるのは、寿命が近いサイン。突然電動自転車が使えなくなる恐れもあるので、バッテリーの寿命のサインには気を配りましょう。
なお、バッテリーの寿命が来ても、電動自転車のアシスト力には影響しません。
電動自転車のバッテリーを長く使用するコツ
電動自転車のバッテリーを長く使うコツは、バッテリーを空にしない・バッテリーの消費を抑える・タイヤの空気圧に注意する・使用環境に注意するの四つです。
バッテリーを空にしない
電動自転車のバッテリーを長持ちさせるコツの一つ目は、バッテリーの残量が空になるまで使用しないことです。
リチウムイオン電池は残量が少なくなると、過放電の状態になります。この過放電はバッテリーを劣化させる原因にもなり、バッテリーの寿命を縮めることに。
電動自転車に乗るときは、残量ギリギリまで使用するのではなく、40~60%ほどのバッテリー残量を維持する乗り方をしましょう。電動自転車に乗らないときが長期にわたる場合は、充電残量が空にならないよう定期的に充電します。
高温・低温など使用環境に注意する
電動自転車のバッテリーは暑さや寒さに弱く、直射日光に当てることで劣化が進みやすくなります。
夏に暑い場所で充電をすると、バッテリー自体が高温になり寿命が短くなるので、涼しい部屋で充電をするのがおすすめです。
また、バッテリーは電動自転車を使わなくても、つけたまま放置すると自然放電が行われるため、残量が減っていきます。電動自転車を使わないときは、バッテリーを外して保管しましょう。
乗り方でバッテリーの消費を抑える
電動自転車のバッテリーは、変速ギアの切り替えでも消費を抑えられます。
走り出しは一番負荷がかかるタイミングとなり、このときに重いギアで漕ぎだすと、バッテリーの消費が増えてしまいます。最初は軽いギアで走り出し、スピードが出てきたら重いギアに切り替えることで、バッテリーの消費が抑えられるのです。
アシスト機能のおかげで、重いギアでも漕ぎ始めの負荷を感じることはあまりありませんが、このように変速ギアの切り替えを行いながらバッテリーの消費を防ぎましょう。
タイヤの空気圧に気を配る
電動自転車のバッテリーの寿命は、タイヤの空気圧にも左右されます。
タイヤの空気圧が減ると走行抵抗が増え、1回の充電で走れる距離が短くなります。すると、バッテリーの充電回数が増え、バッテリーの消耗につながるのです。
電動自転車は、アシスト機能のおかげでタイヤの空気圧の減りに気づかず走行しがち。1か月に1回は空気を入れるなど、タイヤの空気圧を適切に保ちましょう。
また、タイヤの空気圧が減ると、パンクの原因にもなりかねません。定期的に空気を入れることは、パンクを防ぐことにもつながるのです。
電動自転車のバッテリーの盗難を防ぐには
電動自転車のバッテリー盗難のニュースを見たことがある人もいるかもしれません。バッテリーの盗難を防ぐ方法について紹介するので、確認していきましょう。
バッテリーの盗難防止にはバッテリーロック
電動自転車のバッテリーに鍵を付けることで、バッテリーの盗難を防げます。つまり、電動自転車本体とバッテリー本体の2つのロックをかけるということです。
バッテリーの鍵は電動自転車本体の鍵と同じなので、バッテリー取り付け部の鍵が壊されると、自転車本体の鍵の交換も必要になります。鍵の交換は安いとはいえず、思いがけない出費になるため、バッテリーにもロックをしておくと安心です。
なお、自宅の自転車置き場での盗難も多い傾向に。自宅にいる場合は、バッテリーを外して室内で保管しましょう。
商品名:パナソニック「シリコンカバー採用 U型ロック」
盗難補償制度のある自転車を購入する
万が一、電動自転車が盗難に遭った場合に、新しい電動自転車の費用負担が気になる場合は、盗難補償制度のある商品の購入を検討しましょう。盗難補償制度がある電動自転車を購入すると、補償期間内であれば被害に遭ったタイプと同じ電動自転車を安く購入できます。
ただし、バッテリーだけの盗難や、鍵をかけていない・防犯登録していないなどの過失があった場合は対象外となるため、条件に合っているかチェックが必要です。
電動自転車は高額転売されるケースが多く、盗難も多くなっています。万が一に備えて盗難補償制度に入っておくのがおすすめです。
使えなくなった電動自転車バッテリーの処分方法
電動自転車のバッテリーに寿命が来たときは、どのように処分すればよいのでしょうか。バッテリーの処分方法について紹介します。
リサイクル回収の対象に
電動自転車のバッテリーには再利用できる材料が含まれているため、リサイクル回収の対象です。電動自転車を購入した店舗やバッテリー回収を行う店舗に持って行けば、無料でバッテリーを回収してもらえます。
電動自転車のバッテリーは焼却場の処理困難物に指定されていることもあり、一般のごみとしては出せません。不燃ごみや可燃ごみとして出さないよう、注意しましょう。
バッテリー回収を行う店舗については、一般社団法人JBRCのホームページにも回収協力店が記載されています。こちらを参考に、回収依頼をしましょう。
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