部屋の印象を決めるカーテン
みなさんは、カーテンをどのような観点から選んでいますか? 例えば、グレーはグレーでもホワイトの割合が多いグレーのカーテンと、ブラックの割合が多い濃いめのグレーのカーテンでは、部屋の印象はかなり異なってくることでしょう。
また、カーテン売り場で見た場合と部屋で見た場合とでは、印象が変わることも。カーテンを取り付ける部屋のライティングやインテリアが関係しているのかもしれません。
色だけでなく、柄や布地の厚さもさまざまで種類豊富。だからこそ、カーテンは選ぶことが難しいのです。そこで、お家の快適空間を作る街のリフォーム屋さん「アトリエボックス」でインテリアデコレーター・窓装飾プランナーの米道莉恵さんに、カーテンの色の選び方を部屋の用途や雰囲気、風水などに分けてお話をお聞きしました。
おしゃれ部屋に近づく【色】に関するポイント
本題であるカーテンの色選びに入る前に、部屋づくりにおいて知っておきたいポイントを解説。キーワードは、「7:2.5:0.5」です。これは、「インテリア黄金比」と呼ばれています。インテリア黄金比とは、インテリアの色使いの割合のこと。
この割合でインテリアの色を決めると、色のバランスが取れたセンスのある部屋になるといわれています。割合が高い順に、「ベースカラー」「アソート・メインカラー」「アクセントカラー」と呼ぶので、覚えておくと便利でしょう。
ベースカラー
ベースカラーとは、部屋を構成する色のこと。簡単にいうと、床や壁、天井などの面積の広いところで使う色をさします。この色をベースに、インテリアやカーテンの配色を決めていくのがおすすめです。
アソートカラー
アソートカラーは、建具や家具全般、カーテン、ラグなどの色に該当します。アソートカラーは、メインカラーと呼ばれることも。この色の選択によって、印象は大きく変化。自身の好きな色を選ぶのもよいですし、空間イメージに合った色を取り入れるのがおすすめです。
アクセントカラー
「アクセント」という言葉からも分かるように、ワンポイントとなるアイテムやインテリアで使う色のことをさします。フラワーベースや小ぶりな椅子など、比較的小さいインテリアの色が分類されることが多いです。装飾的といってもよいかもしれません。空間に変化や遊びを与える色でもあります。
部屋の用途で決めるケース
続いては、本題のカーテンの色の選び方について紹介します。まずは、部屋の用途で決めるケースです。
例えば、作業用の部屋なのにギラギラした内装では集中しにくくなってしまうでしょう。このように、部屋の使い方に合わせてカーテンを選ぶことで、失敗しにくくなります。
1:リビング
リビングは、家にいる間多くの時間を過ごす場所といえるでしょう。 家族との団らんだけでなく、お客さまをおもてなしする場合も。したがって、派手な色や柄のカーテンは避け、落ち着いた色のカーテンを選ぶのがおすすめです。
例えば、床や壁と同系色のカーテンは失敗しない無難なチョイスです。アクセントが欲しい場合は、でこぼこ感のある素材のカーテンにするなど、色ではない部分で遊びを入れてみてはいかがでしょうか。
その他のおすすめでいうと、レースカーテンを室内側に取り付けるフロントレーススタイルにする方法もあります。
ドレープは柄がないものを選び、レースの刺繍や模様にこだわって、透け感があるデザイン性の高いレースを組み合わせるのも。レースを主役にすることで部屋がより華やかになります。
2:ひとり部屋・書斎
ひとり暮らしのワンルームや自室、書斎は自分の個性が出せる部分でもあります。好みに合わせて個性的な柄や派手めな色に挑戦してみるのもありかもしれません。 リビングに比べて面積が狭い空間になるので、統一感を意識した色選びをするとセンスよくまとまります。
3:寝室
寝室は睡眠をとる場所です。そのため、暗めの色がおすすめ。またリラックス効果のあるアースカラーをカーテンの色に選ぶのも。アースカラーとは、青や緑、茶色など自然を感じられるような色のことです。
寝室には寒色系の色を使うのもおすすめです。寒色系の色は「沈静色」と呼ばれ、気持ちを落ち着かせる効果があります。
部屋の雰囲気で決めるケース
続いて解説するのは、理想の部屋に求める雰囲気をベースにカーテンの色を決めるパターン。シックな雰囲気、シンプルな雰囲気などどんな部屋にしたいかで色を決めていきます。
シック
落ち着いたシックな雰囲気にしたいときは、彩度低めの色味のカーテンが似合うでしょう。ダークグリーンやネイビー、グレーなどがおすすめです。
シンプル・ナチュラル
シンプルやナチュラルな雰囲気には、ベージュやベージュがかったピンク、ブルーがかったホワイトなどはいかがでしょうか。清潔感があり、明るい印象になります。
エレガント・クラシック
ダークベージュやピンクベージュ、ライトピンクなどはエレガントやクラシカルな雰囲気にぴったり。同色の刺繍が施されているものや、光沢のある素材のカーテンだとより上品な印象になります。
北欧風
北欧風の部屋に憧れる人も少なくないのでは? カーテンで北欧らしさをだすこともできます。例えば、淡いイエローやグリーンがかったイエローのカーテンと水色や紺のインテリアを合わせるなど、明るくて柔らかい色味のカーテンをチョイスすると。北欧テイストのかわいらしいお部屋に近づきます。
風水で決めるケース
最後に、風水に基づいてカーテンの色を考えてみましょう。ひとつの参考としてみてください。
東
東は「木」の気を持っているといわれ、成長や発展にかかわるとされているようです。“仕事や勉強を頑張りたい”という人や“目標を達成したい”という人にぴったり。そこで、明るい色を選ぶのがよいとされています。また、東は日が昇る方向でもあります。朝日をたっぷりと取り込めるようにするためにも、濃い色や遮光のカーテンではなく、なるべく明るくて通しのよいカーテンにすることをおすすめします。
西
西は「金運」に関わるといわれています。つまり、金運アップに期待できる方角ということです。運気をアップさせるためには、イエローやホワイトなどの色がよいのだとか。反対に、ブラックとグレーは避けた方がよいとされています。これらの色は「水」の気を持っているそうで、せっかくの金運を水に流してしまうからだそうです。
南
南は「火」の気を持つといわれています。芸術的なセンスなどの想像力や人気運などをつかさどるのだそうです。また、南側は日の光もたっぷり入りますよね。これがマイナスな気を燃やしてくれるのだとか。
火の気を絶やさないということでグリーンのカーテンが選ばれることが多いようです。他にも、日の光を取り込みやすいホワイトやベージュが人気なのだそう。
北
北は「水」の気を持っています。悪い運気を流してくれる役割を持ち、恋愛運を運んできてくれるとも。一方で、冷たい気を運んでしまうこともあるので、カーテンは暖かい色を選ぶとよいのだそう。
例えば、ピンクやベージュ、アイボリーなどがおすすめです。
最後に
本記事では、カーテンの色の選び方について詳しく見てきました。部屋の用途や理想とする部屋の雰囲気、風水など選び方の基準はさまざま。結局のところ、自身の感性に従うのがベストなのかもしれません。
しかし、あまりにも見当がつかない場合にはぜひ本記事をひとつの参考にしてみてください。
あわせて読みたい