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LIFESTYLE 漢字クイズ

2023.05.18

「鰹」ってどんな魚?読み方から言葉の由来、特徴、関連語などを解説

「鰹」はサバ科の海水魚です。難読漢字とされていますが、カタカナ表記にするとすぐわかるでしょう。「鰹節」「初鰹」「戻り鰹」など、この漢字の関連語は数多くあり、日本の食文化に欠かせない魚です。「鰹」の読み方、由来、特徴、関連語などを解説します。

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「鰹」はどんな魚?

サバ科の海水魚である「鰹」。海の表層を回遊する習性があり、世界の温帯から熱帯にかけての温かな海に生息しています。脂肪分が少なく良質のタンパク質に富み、豊富な旨みもあり、日本の伝統的な食材として古くより親しまれてきました。

筆書きの鰹のイラスト

さまざまな調理方法により、刺身、焼き魚、煮物、鰹節、缶詰など、多種多様な料理として食されています。デジタル大辞泉では以下のように説明されています。

【鰹】
サバ科の海水魚。全長約1メートル。体は紡錘形。背部は暗青紫色、腹部は銀白色で、死後に青黒色の縦縞が現れる。世界の温・熱帯海に分布し、季節的に回遊。日本にはふつう3~4月に南岸に近づき、5~6月に黒潮に乗って北上、7~8月に三陸沖に達し、秋には南下。さお釣り漁法で漁獲し、たたきとして賞味するほか、煮物・かつお節・缶詰などに利用。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

■「鰹」はサバ科の海水魚、読み方は「カツオ」

「鰹」の読み方は「カツオ」です。欧米ではマグロの仲間とされていますが、日本ではマグロとは明らかに違う種類の魚として認知されています。

「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」とは江戸時代前期に活躍した俳人の山口素堂の有名な俳句です。「初ガツオ」は初夏の風物詩として江戸時代より愛されてきました

■「鰹」という言葉の由来とほかの表記の仕方

「鰹」という言葉の由来には諸説あります。鰹は身がやわらかく傷みやすいため、古くは堅く干したものを食用としており、「堅魚(カタウオ)」と呼ばれていました。その「カタウオ」から「カツオ」と呼ばれるようになったという説が有力とされています。

カツオは「鰹」のほかに、「堅魚」「松魚」と表記されることもあります。また地方によって、「マンダラ」「マンキ」「エボシウオ」など、さまざまな呼び方があることからも、鰹がいかに日本人に親しまれてきたかがわかるでしょう。

「鰹」という魚の基礎知識

鰹という魚の特徴、生態、食文化の中での位置づけなどの基礎知識を解説します。

2尾の鰹が並んでいる写真

■「鰹」の特徴

鰹の体型は紡錘形で、背部は暗青色、腹部は銀白色です。大きさは40~60cmほどが一般的ですが、1m近くになる鰹もいます。体の側腹面に暗色の縞模様があり、これが鰹の外観上の大きな特徴といえるでしょう。

■「鰹」の生態

鰹は表面水温24度以上の温かい海で産卵します。成長に伴い食べる物が変化し、成魚になるとイワシ類をはじめ魚類などを食べるようになります。

鰹は太平洋・大西洋・インド洋など熱帯から温帯を大群で回遊しており、最高時速は50km以上。日本近海にも多く分布しています。回遊魚であり、エラの蓋の部分が動かないため、一生休まず泳ぎ続けており、止まると窒息死してしまうそう。寿命は8~12年程度といわれています。

秋には宮城県沖で親潮とぶつかるため、Uターンしてまた南下する季節的な回遊をしている点が特徴といえるでしょう。

■食文化の中での「鰹」

鰹は旬の魚として知られており、あっさりとした味わいの春の鰹を「初ガツオ」こってりとした脂の乗った秋の鰹を「戻り鰹」と呼びます。刺身やタタキで食されるのが一般的です。枕崎、土佐、紀州、伊豆、房総などの鰹の産地では、個性的な郷土料理があります。また鰹節の原材料でもあります。

「鰹」という漢字を使った語句の解説

「鰹」は古くより日本の食文化にとって、重要な魚であったため、「鰹」という漢字の使われた語句がいくつかあります。

神殿・宮殿に使われている装飾の木である「鰹木(かつおぎ)」、鰹の群れの上を飛ぶ「鰹鳥(かつおどり)」など、魚以外のものに使われているケースも少なくありません。「鰹」という漢字を使った語句でとくに有名なのは「鰹節(かつおぶし)」「初鰹(はつがつお)」「戻り鰹(もどりがつお)」でしょう。これらの言葉について、解説します。

削り器の上に乗った鰹節と、皿に盛られた削り節の写真

■「鰹節」

鰹節は、鰹の肉を蒸して干し固めて、黴付け(かびつけ)と日干しを繰り返した食品です。削って料理にかける、出汁を取るなどの使用方法があります。

鰹節の原型となる食品は、古くから存在していました。たとえば『延喜式』(905年)に貢進物として「堅魚」「煮堅魚」「堅魚煎火」などの語句が記されており、古来より保存食として利用されていたことがうかがえます。

鰹節が現在のような製法になったのは、1600年代に紀州の漁師である甚太郎が「燻乾法」と呼ばれる製法でつくったのが起源とされています。

■「初鰹」と「戻り鰹」

カツオは毎年春に日本の近海を北上し、秋になると南下する回遊魚です。春に北上を開始する鰹は「のぼり鰹」と呼ばれています。その中でも4~6月頃のものが「初鰹」で、春の旬の食べ物として親しまれてきました。初鰹の魚肉は赤く、あっさりとした味わいが特徴的です。

北上した後に8~9月に南下し始めて、三陸沖などで漁獲される鰹を「戻り鰹」と呼びます。鰹は「初鰹」と「戻り鰹」で2度旬のある魚といえるでしょう。「戻り鰹」は脂が乗っていて、こってりとした味わいが特徴的です。

「鰹」の読み方を知り、この魚についての知識を深めよう

皿に盛られた鰹のたたきの写真

「鰹」はサバ科の海水魚で、「カツオ」と読みます。旬が春と秋の2度あることも大きな特徴です。「鰹節」「初鰹」「戻り鰹」など、「鰹」に関する語句も数多くあります。日本では古来より親しまれてきた魚で、日本の食文化に欠かせない重要な魚といえるでしょう。

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