ビジネスで使うレイヤーとは?
ビジネス上で使われるレイヤーは、業界によって意味合いが異なる点が特徴です。言葉の意味を確認しながら、一般的なビジネスシーンとIT業界での「レイヤー」の違いを解説します。
会社の階級・階層を表す
カタカナ表記の「レイヤー」は、層・階層などを表す英語「layer」を由来としています。ビジネスシーンに限らず、建築物・服・髪などが階層構造になっているときの各要素がレイヤーです。
ビジネスにおいてのレイヤーは基本的に、会社の組織における階級・階層などを指しています。例えば係長から課長・次長・部長などへと出世することからも分かるように、会社の組織構造は階層化されているのが一般的。そのため、課長レイヤー・部長レイヤーというように、役職にレイヤーをつけるケースも少なくありません。
IT業界ではシステムなどの構造を指す場合も
IT業界では、システム・ネットワークなどの構造を顧客に解説する際にもレイヤーが用いられます。例えばPC上でアプリが動くシステム構造は、〝ハードウェア・オペレーティングシステム(OS)・アプリケーションソフト〟が積み重なった状態と説明できます。
そのため、ハードウェアレイヤー・OSレイヤー・アプリケーションレイヤーと、システム構造の要素を「レイヤー」と呼ぶケースもあるのです。
レイヤー構造化の意味とメリット
デジタル技術で生活の向上を目指すDX化が進み、従来のような産業ごとのサービスでは利用者からの満足が得られなくなってきています。そこで各業界が取り入れ始めているのが、レイヤー構造化です。レイヤー構造化の意味とメリットを解説します。
産業間に階層ができていくこと
レイヤー構造化とは、産業をまたいで階層ができていくことを表した言葉です。主にプラットフォームビジネスで取り入れられている戦略で、GoogleやApple、Amazonのような会社もレイヤー構造化で成功したといえます。これらのようなプラットフォーム事業者は、インターネットクラウド・ECサイトなどの「プラットフォーム」を通してサービスの提供者と利用者を結びつけます。
大手の百貨店・スーパーなどが参入している「インターネットショッピング」も、レイヤー構造化の一例です。これまでは、買い物をする場合には店舗に出向いて商品を選び、購入するのが基本でした。
しかし、店舗のレイヤー構造化とともに、現代は自宅で食料品・衣服・家具などを購入できます。インターネット・モール・加盟店の事業者はそれぞれ異なり、利用者が好きなサービスを選べるのが大きな特徴です。
会社ごとの強みを生かせる
レイヤー構造化の大きなメリットは、事業者ごとの強みを生かせる点にあります。例えば小売店の場合、店舗販売だけでは利用者が満足するサービス・商品の提供は難しい場合もあるでしょう。
十分なインターネット環境があり、商品がそろうことで、販売業としての強みを生かせるケースが多いからです。また、各サービスの事業者を分けることで、それぞれの強みを発揮でき、結果としてサービスの向上につながる可能性も高まります。
ビジネスの広がりも期待できる
レイヤー構造化で他の産業と協力し合うためには、それぞれの会社が培ってきたノウハウの共有も必要です。事業秘密ともいうべきノウハウを、他の産業に共有するのは不安に感じるかもしれません。
しかし、別の産業に共有することで、自社では気づかなかった新たなアイデアが生まれる可能性も考えられます。サービスの多様化が求められる現代においては、別の産業と連携してビジネスの幅を広げることも重要です。
レイヤーに関する用語もチェック
レイヤー構造化以外にも、「レイヤー」のつく用語がいくつか存在します。ビジネスシーンで使われがちな、レイヤーに関する用語をチェックしましょう。
上位レイヤー
「上位レイヤー」とは、レイヤー構造でも利用者に近い階層にある産業を指した言葉です。ICTシステム(情報通信技術)を例にすると、より利用者に近いコンテンツ・アプリケーション事業者が上位レイヤーに該当します。
上位レイヤーで成功して国際的な発展を遂げた事業者こそが、Google・Amazonなどのプラットフォーム事業者です。
反対に、より物理面の階層は「下位レイヤー」と呼ばれます。先ほどのICTシステムでいえば、ネットワークの構築や設備の管理にあたるネットワークエレメント事業者が該当します。
参考:総務省|平成27年版 情報通信白書|ICT産業のエコシステムの変化
レイヤー戦略
産業のレイヤー構造化に対応するために、会社が立てる戦略が「レイヤー戦略」です。国を挙げてIT化が進められている現代、利用者のサービス選択肢を増やすレイヤー構造化への対応が求められています。
選択肢が増えると利用者にとってはうれしい反面、会社にとっては大きな試練といえるでしょう。産業間で協力し合いながら利用者から選ばれるためには、自社が参入するレイヤーや、競合他社との差別化などの戦略が不可欠です。なお、「戦略レイヤー」「戦略のレイヤー」など、会社によって呼び方が異なる場合もあります。
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