「末日」とは?
末日とは一定期間の最後の日という意味の言葉です。プライベートでもビジネスでもよく使われています。サービスの期間や支払い期限などを示す際に使用されるケースの多い語句といえるでしょう。「○月末日」のように、月とセットで使われるのが一般的です。
【末日】
終わりの日。最後の日。特に、ある月の最終日。「期限の―」「三月―」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
■「末日」の意味と読み方
末日の意味は「終わりの日」「最後の日」というきわめてシンプルなものです。ここで注意しなければならないのは、表している期間が最後の一日に限定されていることでしょう。「末日まで」と表現されている場合には、範囲が一日よりも長くなります。
「末日」の読み方は「まつじつ」です。「まつび」「すえじつ」は間違いであることを覚えておいてください。
■末日で使われている「末」という漢字の意味
末日という語句で使われている「末」という漢字の意味は、大きく分けると5つあります。1つ目の意味は「すえ」「木の枝の先」「物のはし」「つまらない」「大切ではない」などです。「枝葉末節」という四字熟語で使われている「末」は、このニュアンスでしょう。
2つ目の意味は「おわり」「果て」です。「末日」の「末」はこの意味でしょう。3つ目の意味は「しも」「低い位」「下位」です。「末席」という言葉の「末」が、このニュアンスに該当します。
4つ目の意味は「子孫」です。「末裔」「末代」などの語句の「末」はこの意味で使われています。5つ目の意味は、「細かい」「こな」「くず」です。「粉末」という語句で使われている「末」はこの意味が当てはまります。
「末日」と「月末」の違い
末日と似た語句に月末があります。どちらにも「末」という漢字が入っており、言葉の意味も近いといえるでしょう。しかし、まったく同じではありません。
月末の読み方は「げつまつ」と「つきずえ」の2種類です。読み方によって、ニュアンスが微妙に異なります。「げつまつ」と読む場合は「月の終わり」、「つきずえ」と読む場合は「月の終わりごろ」という意味です。
月末は「げつまつ」と読むのが一般的であるため、ここでは末日と月末(げつまつ)の意味の違い、使い方の違いを説明します。
■末日と月末の意味の違い
末日と月末には明確な意味の違いがあります。末日が「最後の一日」という意味であるのに対して、月末は「月の終わり」という意味であるからです。
たとえば、「5月末日」と表記した場合に意味している日時は「5月31日」ですが、「5月の月末」と表した場合には、5月31日だけを表す場合もあれば、数日間の幅を含む場合もあります。つまり、月末という言葉は、期間を表す場合には曖昧さのある表現になるのです。
■末日と月末の“使い方”の違い
末日と月末の意味の違いを理解したうえで、この2つの語句の使い分けをする必要があるでしょう。ピンポイントで月の最後の一日を指定したいならば末日を使い、ある程度の幅を持たせて月の終わりころの期間を指定したいならば、月末を使うのがいいでしょう。
また、末日は「ある期間の最後の一日」であるため、使い方によっては月の最後の日とは限りません。「契約期間の末日」という使い方をすると、末日を月末に置き換えられなくなるため、注意が必要です。
「末日」の例文
末日は明確な日付の期限を示す言葉として使われる場合と、「最後の日」というニュアンスで使われる場合があります。それぞれ例文をご紹介します。
【例文】
・このソフトウェアの使用期限は2025年12月末日までだから、まだ当分は使えます。
・賃貸物件を契約する際に、契約日を入居する月の末日にしようと考えています。
・「地球の末日はすぐそこまで近づいており、人類は滅亡に向かって突き進んでいる」と彼女は予言したが、誰も信じませんでした。
■ビジネス文書で末日を使う際の注意点
ビジネス文書には多様な種類があります。送付書、依頼書、注文書、納品書、請求書、受領書、督促書、通知書、案内書などです。それらの文書に共通するのは、日付を明記する必要があることでしょう。
ビジネス文書で日付を書く際には、注意しなければならないことがあります。契約書などで、末日を使うケースもありますが、通常のビジネス文書では、わかりやすさや見やすさを重視するという観点から、日付を数字で書くことを推奨されるケースが多いようです。
和暦と西暦のどちらを使うかは、会社のルールを確認し、そのルールに則るのがいいでしょう。
「末日」の法律上の解釈
契約書における契約期間や法律上の手続きの期限を示す言葉として「末日」が使われるケースは、少なくありません。しかし、末日の解釈に関しては、わかりづらい部分もあるでしょう。
「末日の終了時間はいつなのか?」「末日が土日休日の場合はどうすれば良いのか?」などの疑問です。ここでは末日の法律上の解釈をくわしく説明します。
■末日の終了時間
民法141条 により、末日の終了時間は深夜23時59分までと定められています。厳密には、翌日の0時になる前までというのがより正確な解釈です。
仮に契約書の有効期限が9月末日だった場合、契約書を取り交わした相手の企業の営業時間が17時までだったとしても、民法のルールにより、日付が変わり10月1日になる直前まで契約は有効と判断されます。
■末日が土日休日の場合
民法142条により、末日が休日にあたる場合、そしてその日に商取引を行わない慣習がある場合には、その翌日に満了とすると定められています。
たとえば、地方自治体への契約の支払期限が市役所の休日に当たる場合には、休日明けに支払えばよいというのが民法のルールです。
「末日」の意味を知って適切な使い方をしよう
末日とは一定の期間の「終わりの日」「最後の日」という意味の語句です。ピンポイントで一日に限定した使い方をします。「5月末日」と表記した場合には、5月31日を表しています。
末日と似た意味を持った月末は、ある程度の幅のある期間を指す語句です。末日の意味を知って、月末との違いや使い分け方を理解して、適切な使い方をしてください。
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