「後日」とは?
「後日、改めて連絡します」などのように、具体的に何日後に連絡をするのか、明確にしない言い回しはビジネスの場で多々用いられます。この「後日」という言葉は、どのような意味を持つのでしょうか。
本章では「後日」について、正しい意味や使い方、関連語などを解説していきます。本章以降の内容を理解する前の基本知識として、覚えておきましょう。
■「後日」の意味
「後」という文字は、何かがある特定の時点からその後の時間を指す意味があります。一方で「日」という文字は、一日の時間や一昼夜、または時間の経過を指す漢字です。「後日」という言葉は、「後」と「日」の2つの文字から構成され、2つの異なる意味を持っています。
1つ目は「何かが起こった日から後の日」というもので、2つ目の意味は、「現在から後の日、将来の日」というものです。辞書では、以下のように説明されています。
〘名〙 ある事柄が起こった後の日。ある事件がすんだ後の日。他日。ごにち。こうじつ。
〈小学館 デジタル大辞泉より〉
■「後日」の使い方
「後日」の使い方としては、以下の例文を参考にしてください。
・この話には、実は後日談があります
・後日、再度訪問されるそうです
・後日同僚から聞いた話によると、Aさんはその日を境に、会社に来なかったらしいよ
基本的には、事件や物事が起こった時点よりも後のことを「後日」と表現します。なお、一1目の「後日談」については、次章でより詳しく解説していきます。
■後日の関連語
後日の関連語としては「後日談」や「後日物語」などがあります。後日談は、小説や漫画などの物語で使われることが多い言葉です。基本的には、作品の主軸となるストーリーが完結した後に、作中の世界でその後どうなったのかが「後日談」として描かれます。
フィクションの中だけでなく、現実の事件などにも用いられる言葉です。後日物語もまた、後日談と同様の意味で使われます。
後日連絡の言い換え表現は?
後日の言い換え表現には、以下の3つが挙げられます。
いずれも、今の時点より後に連絡するという意味で用いられる言葉です。それぞれの言い換え表現について、本章で解説していきます。表現のバリエーションを身につけ、その場その場により適した言い回しを選んでください。
・追って連絡する
「追ってご連絡」は通常、近い将来または後日に詳細な情報を提供する意図を伴って使用される表現です。この表現は、ビジネスコミュニケーションにおいて一般的でしょう。
使用するシーンとしては、たとえば、会議の日時についてはすでに連絡済みであるものの、会議の場所や詳細なスケジュールが確定していない場合です。「詳細は、後日ご連絡差し上げます」といった使い方をします。
・近日中に連絡する
「近日中に連絡します」は、すぐに連絡をとるつもりであることを示すビジネス用語です。この表現は、具体的な日付や期間は具体的な状況によって変わるかもしれませんが、近いうちに電子メールや電話などで連絡をとる意図があることを意味しています。
ビジネスの文脈において、「近いうち」は通常「2〜3日以内または数日以内」を意味するニュアンスを持っています。
・日を改めて連絡する
「日を改めて連絡します」も、後日連絡すると同様の意味で使われる言葉です。本日ではなく、翌日以降に何かの事柄について連絡を差し上げるという意味で用いられます。
この表現の背後には、さまざまな理由があるかもしれませんが、具体的な時期については言及されていません。「近日中」と同様に、2〜3日以内に連絡するのが一般的です。
それぞれの言葉との違い
「後日」と同様の意味で用いられる言葉として「翌日」や「明日」があります。また「後日ご連絡します」は、「追って連絡」「後日連絡」などが考えられるでしょう。
本章では、それぞれの言葉についての簡単な解説と、ニュアンスの違いを解説していきます。「他の表現ができないか」と迷っている方は、本章で紹介している表現を活用してみてください。
■「翌日」や「明日」との違い
「後日」と、「翌日」「明日」の違いは何でしょうか。「後日」は、「明日」とは異なり、正確には「明日以降の日」を指します。
「後日」が示す期間は、文脈によってさまざまです。ビジネスの文脈では、できるだけ早くを意味することが多いですが、親しい関係の中ではもう少し遠い未来を指すこともあります。
「翌日」は特定の基準日を持っており、「◯日の翌日」のような指定が可能です。必ずしも、「明日」を指すわけではありません。「明日」の場合は、自動的に基準日が「今日」であることを示します。
■「追って連絡」と「後日連絡」の違い
「追って連絡」というフレーズの中の「追って」は、「近いうちに」や「のちほど」といった時間的な意味を持つ表現であり、時には「つけ加えて」という意味も含みます。
この表現はビジネスコミュニケーションにおいて、行為の対象を尊重するために「ご」を付けて、「追ってご連絡いたします」という謙譲の言葉として頻繁に用いられます。
また「後日連絡」は「その日よりもあとの日」に連絡することを指し、同様に「追って」の代替として使用できる言葉です。
「後日」って何日後のこと?
「後日ご連絡します」と伝えられると、なんとなく数日後と認識する方が多いでしょう。しかし、「2日後に」など、明確に日数が伝えられていないため、場合によっては1週間以上先を表しているケースもあります。
「後日」とは具体的に、何日後のことを指す言葉なのでしょうか。ここでは、「後日」の常識的な範囲を解説していきます。
■常識的には2〜3日以内
一般的に考えると、後日の期間は明確に定義されていません。そのため、それぞれの価値観に依存することになるでしょう。通常の使用においては、個人の判断が必要です。
しかし、後日の常識的な範囲は、通常2〜3日とみなされています。仕事関係かプライベートの関係かによってこの期間の認識は異なりますが、1か月以上となると、非常識と認識されるかもしれません。
■期間の使い分け
後日が何日後までを指すのかは、相手との関係によって異なります。仕事で協力している相手に対しては、できるだけ早急に行動するのがポイントです。
親しい間柄では特別な配慮をする必要はありませんが、待たされる時間が長いほど、不愉快に感じさせてしまうかもしれません。「親しい仲にも礼儀は大切」を、認識しておくのが重要です。
便利な言葉「後日」こそ正確に使おう!
ここまで、「後日」という言葉について解説しました。後日の期間についての明確な定義はありませんが、常識的には2〜3日後とされています。
あまりにも相手を長く待たせすぎると、非常識などマイナスな印象をもたれてしまうかもしれません。「後日ご連絡します」などの表現を用いる場合でも、できるだけ早めの対応を心がけましょう。
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