「整合性」とは? 意味やシーンを確認
企画書や資料の作成で、「このデータの整合性はある?」のように聞かれたことはありませんか? 「整合性」は、特にビジネスシーンにおける大切な場面でよく使われているので、この機会に意味や使い方を把握しておきましょう。
「整合性」の意味は「矛盾がなく整ったさま」
「整う」に「合う」が組み合わさっている「整合性」は、矛盾がなく整っているさまを表します。ビジネスシーンや教育、研究などでよく使われている言葉ですが、時に人の言動に対しても使われることがあります。
「整合性」を求められるシーンとは
整合性はさまざまなシーンで使われる言葉ですが、整合性が求められる場面としては、たとえば分析、企画、資料作成、論議、戦略などが挙げられます。複数のデータや項目に矛盾がない状態を「整合性がある」と表現します。
整合性がないと、さまざまなことに矛盾が生じ、信頼性や信ぴょう性に欠けてしまいます。そうなると、業務やプロジェクトがスムーズに進まなくなるため、整合性の有無が重視されているのです。
「整合性」とは、どのように使う?
ここからは、整合性の使い方を見ていきましょう。整合性は「ある」や「とる」などの表現とともに使うのが一般的です。
使い方1:整合性がある(ない)
《例文》
・このデータは整合性があるので、資料として使えるだろう。
・説得力に欠けるのは、この話に整合性がないからだ。
「整合性がある」というと、肯定的な意味になります。内容に矛盾がなく一貫性があるため、信頼に値するという意味で使われることが多いでしょう。「整合性がない」は、矛盾があるということ。否定的な意味合いで使われることがほとんどです。
使い方2:整合性をとる(とれない)
《例文》
・資料を上司に見てもらったところ、データの整合性をとるよう指示された。
・関連資料をチェックしたが、やはり整合性がとれない。
データや文書、資料を矛盾のない状態にすることが「整合性をとる」の意味。「整合性がとれない」は、矛盾があることや、矛盾が解消されないさまを表します。
使い方3:整合性を図る
《例文》
・彼は、発言と行動の整合性を図る必要がある。
・データの整合性を図り、再度提出します。
データや考え、意見などに矛盾が生じないよう試みることを、「整合性を図る」と表現します。「整合性をとる」と同様の意味になるため、言い換え表現として使うこともできます。
使い方4:整合性を欠く
《例文》
・この資料は整合性を欠くため、根拠資料にはならない。
・整合性を欠いた意見であったため、結局採用されなかった。
「整合性を欠く」とは、データや資料、意見などに一貫性がなく、矛盾が生じている状態を表します。否定的な意味合いで使われることが多く、「整合性がとれない」「整合性がない」の言い換え表現としても使えるでしょう。
使い方5:整合性を保つ
《例文》
・整合性を保つためにも、見直しを指示した。
・全体目標との整合性を保つには、各部署から意見を聞くことが望ましい。
矛盾のない状態を維持し続けるという意味の「整合性を保つ」。業務や活動を進めるうちに変化が生まれ、矛盾が生じてしまうのはよくあることです。それを防ぐ目的で、整合性を保つための対策をすることもあります。
使い方6:整合性をもたせる
《例文》
・プレゼンを通すには、発言内容に整合性をもたせることが大切だ。
・発言と行動に整合性をもたせることが、信頼につながる。
「整合性をとる」とほぼ同じ意味である「整合性をもたせる」は、言い換え表現としても使用できます。資料やデータに一貫性をもたせる、発言内容を一致させるなどの際に使われることが多いでしょう。
「整合性」この使い方はNG?
・整合性を整える
・整合性を合わせる
「整える」「合わせる」という意味は、整合性という言葉自体に含まれています。意味が重複していることになるため、基本的にはこの使い方は避けた方がよいでしょう。
「整合性」に似た言葉とは?
整合性と意味が似ている言葉には何があるか見ていきましょう。言い換え表現としても使えるかもしれません。
「辻褄が合う(つじつまがあう)」
筋道が通っている、理屈が合うという意味の「辻褄が合う」。矛盾がない状態を表します。
《例文》
・ふたりの証言は、まるで辻褄が合わない。
・彼の主張は辻褄が合わないから、信用できない。
「筋が通る(すじがとおる)」
物事が正しく行われ、首尾一貫していることを意味する「筋が通る」もよく使われる言葉です。
《例文》
・話の筋が通っているので、信じてよいだろう。
・何においても、筋を通すことが重要だ。
「一貫性(いっかんせい)」
始めから終わりまで、同じ方針や考えによることを表す「一貫性」は、整合性と似た意味を持ちます。
《例文》
・彼女の説明には一貫性があり、信頼に値する。
・データに一貫性があるため、根拠資料になるだろう。
「整合性」と反対の言葉は?
整合性と対照的な意味を表す言葉についても見ていきましょう。
「矛盾(むじゅん)」
辻褄が合わないことを表す「矛盾」は、ふたつ以上の事柄が一致しない状態や、一貫性がないときに使われます。また、言動が一致しない、主張が食い違う場合にも用いられることがあります。
《例文》
・彼の言うことは矛盾だらけで、嘘か本当か判断がつかない。
・矛盾を抱えて生きるのが人間だ。
「不一致(ふいっち)」
その言葉どおり、「不一致」は一致しない、ぴったりと合わないことを意味します。
《例文》
・性格の不一致により、疎遠になることは少なくない。
・意見の不一致が生じたため、プランを見直すことにした。
おわりに
「整合性」とは、矛盾がなく整ったさまを表す言葉です。ビジネスシーンでは、データや資料作成、戦略を練る、企画をするというシーンで使われることが多いでしょう。それ以外に、人の言動などに対しても使われることがあります。
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