【例文】
・彼は裸一貫でアメリカに渡り、わずか数年でヘルシーフードのチェーン店を10数店持つほどの成功を収めました。
・我が社の社長は、高校卒業後、裸一貫で上京して死ぬ気で働いてお金を貯め、今の会社を設立した苦労人です。
・彼が成功して私が成功しなかったのは、才能の違いではなくて、覚悟の違いだったのではないか、彼が裸一貫で頑張ったからではないかと考えています。
・二世議員が多い中で、彼は裸一貫でスタートして、地道な政治活動を行い、多くの人から支持されるようになりました。
裸一貫の類義語・類似表現2つ
裸一貫には、類義語や類似表現がいくつかあります。おもな語句は以下の2つです。
それぞれの意味・読み方・例文を紹介します。
1.「身一つ」
身一つとは自分の体ひとつだけであること、もしくは自分ひとりだけであることという意味です。裸一貫はポジティブなニュアンスを持っている場合もありますが、身一つは、ニュートラルに自分の状況を表した言葉といえるでしょう。読み方は「みひとつ」です。
【例文】
・親と将来のことについて口げんかになってしまい、ついその場の勢いに任せて、身一つで飛び出してきましたが、行くあてがありません。
・勤務先の会社が当然、倒産してしまい、社員寮から身一つで出ていかなければならなくなりました。
・真夜中に突然火災報知器が鳴ったため、宿泊していたホテルから身一つで逃げ出しました。
2.「素寒貧」
素寒貧とは、貧乏でお金をまったく持っていないさま、もしくは人を表す言葉です。漢字で書くと、あまり馴染みがないと感じるかもしれませんが、日常会話でもよく使われています。読み方は「すかんぴん」です。
ひらがなで「すかんびん」、もしくはカタカナで「スカンピン」と表記されることもあります。
【例文】
・豪勢な旅を計画していたのですが、ラスベガスのカジノで素寒貧になってしまったので、帰国までの1週間はひたすら質素にすごしました。
・彼女は幼少期から素寒貧の生活を送っていましたが、人の何倍も努力し続けて今の地位を築き上げました。
・若い頃に素寒貧の状態を経験しておくのも、悪いことではないと思っています。
「裸」という漢字を使ったことわざ3つ
「裸」という漢字は、さまざまなことわざでも使われています。おもなことわざは以下の3つです。
それぞれのことわざの意味を解説します。
「裸で物を落とす例なし」
「裸で物を落とす例なし」ということわざには、もともと何も持っていない人間は、失うものが何もないという意味があります。読み方は「はだかでものをおとすためしなし」です。「裸」とは何も所有していない状態を表しています。
何も持っていなければ、失うものもなくて気楽であるという、ポジティブな解釈もできることわざといえるでしょう。
「内裸でも外錦」
内裸でも外錦とは、内情がどんなに苦しかったとしても、外側は飾らなければいけないというたとえのことわざです。日常生活だけではなく、ビジネスの世界にも通じることわざといえるでしょう。
読み方は「うちはだかでもそとにしき」です。「内裸」は家の中では裸、「外錦」は外に出るときには、錦の豪華な服を着ることを表しています。見栄っ張りな人のことを表す場合もあるようです。
「男は裸百貫」
男は裸百貫とは、たとえ無一文であったとしても、百貫の価値がある、つまり働けばいくらでも価値を増やせるという意味のことわざです。裸一貫と似たことわざなので、対で覚えておくといいでしょう。読み方は「おとこははだかひゃっかん」です。
人気アニメのセリフとしても、この言葉が登場します。人を鼓舞する効果がある言葉といえそうです。
裸一貫の意味を知って正しい使い方をしよう
裸一貫とは、自分の体以外には何も持っていないという意味の言葉です。「一貫」とは戦国時代に使われていたお金の単位ですが、この言葉では財産といえるほどのお金を持っていないことを表しています。
財産もコネも何もないところから、のしあがって成功した人に対して使うケースが多い言葉といえるでしょう。日常会話やビジネスシーンで、ポジティブなニュアンスのある言葉として使われています。裸一貫の意味を知って、正しい使い方をしてください。
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