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2024.03.13

「伏線」の意味とは? 具体的な使い方から類似表現まで

 

「伏線回収」や「伏線を張る」といった言い回しを、見聞きしたことがある人は多いでしょう。「伏線」の意味や使い方、例文を紹介します。併せて「伏線」と似た意味を持つ言葉や意味、そして「伏線」との違いについても見ていきましょう。

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「伏線(ふくせん)」とはどんな意味?

ドラマ・小説などのストーリー展開において、しばしば用いられる単語「伏線(ふくせん)」の正しい意味を知っていますか?まずは、言葉の意味を紹介します。

ミニシアターのイメージ写真

(C)AdobeStock

2通りの意味がある

「伏線」という言葉は、主に二つの意味で使われます。

ふく‐せん【伏線】
1 小説や戯曲などで、のちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておくこと。また、その事柄。「主人公の行動に—を敷く」
2 あとのことがうまくゆくように、前もってそれとなく用意しておくこと。また、そのもの。「断られたときのために—を張る」
(出典:小学館 デジタル大辞泉)

一つ目は、ドラマ・小説などのストーリー展開の中で、結末に向けて重要な意味を持つ要素を、事前にほのめかすことです。たとえば、ミステリー作品において、犯人やトリックにつながるヒントを、物語の序盤・中盤でほのめかしておくことが当てはまります。

そして二つ目は、後の展開がスムーズになるように、あらかじめ用意しておくという意味です。一つ目の「事前にほのめかすこと」が転じて、「後々のためにあらかじめ備える」の意味でも使われるようになりました。

伏線の「伏」という言葉には、「隠す」の意味があります。このことからも「ストーリーの筋書き(線)が隠された状態」を指していることが分かるでしょう。

「布石」は「伏線」とは違う?

「伏線」と似た言葉として、「布石(ふせき)」を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?

「布石」の意味や使い方を理解することで、状況に応じた使い分けができるようになります。

虎と猫が囲碁を楽しんでいる様子 イメージイラスト

(C)AdobeStock

布石の意味は「将来のための備え」

「布石」とは、「将来のために前もって備えること」を意味します。

ふ‐せき【布石】 
1 囲碁で、序盤戦での要所要所への石の配置。
2 将来のために配置しておく備え。「新党結成への—を打つ」
(出典:小学館 デジタル大辞泉)

布石も伏線も、「後の展開のための備え」という意味では共通しています。しかし、伏線がその後の展開をほのめかすのに対し、布石にはほのめかす意味は含まれないことがほとんどです。

また、伏線はドラマ・小説などの創作物に対して使われることが多く、一方の布石は将来のための計画や事業、政治などを行う際に、その備えとして準備したことに対して使われることが多いでしょう。

もともと、布石は囲碁用語として使われていました。囲碁の試合展開において、序盤のうちから終盤までの展開を考えて、ポイントとなる場面であらかじめ石を打っておくことが語源となっています。

「布石」の使い方と例文

「布石」という言葉を、「布石を打つ」「布石を敷く」といった言い回しで見聞きしたことがあるのではないでしょうか。ビジネスシーンでも正しく使えるように、いくつか例文を紹介します。

〈例文〉
・このプロジェクトを成功させるために、キーパーソンに対して布石を打っている
・こちらにとって有利な条件で契約するための布石を敷いた

今後の展開に備えてあらかじめ準備していることを、「布石を打った」「布石を敷いた」という言い回しで表現しています。

〈例文〉
・今期の営業目標の達成は、昇進への布石となるだろう

「布石」を単体で使った表現です。「布石を打つ」「布石を敷く」と同様、将来のための備えという意味で使えます。

「伏線」の使い方と例文をチェック

「伏線」を使った表現には、特有の言い回しがあります。よく使われる表現と、その例文を見ていきましょう。

本のイラスト

(C)AdobeStock

「伏線」のよく使われる表現

「伏線」を使った表現として、「伏線回収」「伏線を張る」「伏線を敷く」といった言い回しを聞いたことがある人も多いかもしれません。

例えば、物語の中に登場していた伏線が、結末にかけてストーリーに結び付いたときには「伏線回収」となります。また、結末に備えて伏線をあらかじめ準備することは、「伏線を張る」「伏線を敷く」と言います。

「伏線」の例文

「伏線」を使った例文を、いくつか確認しましょう。

〈例文〉
・最終回はスピード感のある展開で、怒涛の伏線回収だった
・このドラマでは初回からちりばめられていた伏線が、最終回で全て回収された

ストーリーの中でほのめかされていた伏線が全て明らかになることを「伏線回収」、その状態を「伏線が回収された」といいます。

〈例文〉
・あの作家のミステリーは、どれも複雑な伏線が張られている
・あらゆる展開に備えて、いくつかの伏線を敷いている

結末に向けた伏線が準備されている段階では、「伏線を張る」「伏線を敷く」という言い回しを使います。

〈例文〉
・物語が進むにつれて、序盤のシーンが重要な伏線になっていたことに気付いた
・ドラマの序盤で登場した伏線から、結末を予想する

「伏線回収」「伏線を張る」「伏線を敷く」といった言い回し以外にも、「伏線」という単語だけで使うことも可能です。

「伏線」の言い換え表現も押さえよう

「伏線」の言い換えに使える言葉はあるのでしょうか? それぞれの言葉の意味や使い方を紹介します。

虫眼鏡で書類やデータのチェックを行なっているイメージイラスト

(C)AdobeStock

「前振り」

「伏線」と類似した言葉の一つに、「前振り」があります。「前振り」は、「本題に入るきっかけとなる話」「前置きの話」という意味の言葉です。

伏線と意味は若干異なりますが、「後の展開につながる」という点では伏線と共通しているといえます。

〈例文〉
・彼のプレゼンはいつも前振りが長く退屈だ
・物語の結末を予感させる前振りがあったが、ミスリードだった

「示唆」

「示唆」という言葉も「さりげなく展開をほのめかす」という点で伏線と類似しています。「示唆」は、ある事柄について直接的ではなく、「それとなく伝えること」を意味する言葉です。

「示唆に富む」「示唆を与える」といった言い回しもあり、例文は次のようになります。

〈例文〉
・取引先の要望を全て実現するのは難しかったので、失礼のないよう示唆した
・上司から聞いた話は示唆に富んでいた
・新たに読み始めたビジネス書は、私に新たな示唆を与えてくれた

「暗示」

「暗示」には、「物事をそれとなく知らせる」という意味と、「人の感情・考えが間接的な手段によって無意識のうちに変化する現象」という意味があります。

このうち、前者の使い方は「ヒントを示して物事をさりげなく伝える」という点で、伏線と共通しています。

〈例文〉
・私の将来を暗示しているかのような、不思議な出来事が起こった
・会議での社長の発言は、新プロジェクトが始動することを暗示していた

「ほのめかす」

「ほのめかす」は、物事や真実を間接的に表すときに用いる言葉です。「におわせる」という表現を使うこともあります。

伏線が「後々重要な意味を持つ要素を、事前にほのめかす」という意味で使われることからも、「ほのめかす」と言い換えて使えることがわかります。

〈例文〉
・彼は転職を考えていることを暗にほのめかしていた
・ドラマの最終回で続編が制作されることがほのめかされた

「フラグ」

「フラグ」は、主にインターネット上で使われることが多い言葉です。英語で「旗」の意味を持つ「flag」が語源になっており、「フラグが立つ」「フラグを回収する」といった言い回しをします。

「先の展開を予想させるにおわせ」の意味で使われることもありますが、伏線に比べて予想しやすい共通認識を指している場合がほとんどです。

〈例文〉
・一日中ミーティングが続いてしまい、残業フラグが立っている
・今日発売された漫画の最新話で、前回までのフラグが全て回収された
・彼女に告白されるかと思っていたが、フラグが折られた
・登場人物のこのセリフは完全に死亡フラグだ

伏線を使った言い回しはビジネスシーンでも使えるのに対し、フラグを使った言い回しは親しい間柄やインターネット上など、フランクな表現が許容されるシーンで使われることが多い点にも注意しなければなりません。

ただ、物事の前触れとして何かをほのめかす際に使える表現なので、伏線の言い換え表現の一つとして覚えておくとよいでしょう。

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