参集とは大勢の人が集まってくること
参集とは、大勢の人が集まってくることです。まずは、例文から使い方を見ていきましょう。
・高校バレーボールの予選大会に、強豪校の選手たちが全国から参集した。
・平和の祭典に世界中からさまざまな団体の代表者が参集した。
・お忙しいところ、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。
参集には丁寧な意味合いがないため、ビジネスシーンや目上の人に伝えるときには「ご参集」が一般的な使い方です。
【参集】さんしゅう
大ぜいの人が集まってくること。「全国から―する」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「ご参集」のビジネスシーンでの使い方をご紹介
「参集」に丁寧の意味を表す「ご」をつけた「ご参集」は、ビジネスシーンでも使われることがあります。それぞれ3つのシチュエーションに分けて、具体的な例文を通してしっかり見ていきましょう。
上司や取引先に……
「ご参集」は上司や取引先に集まってもらうときに使うことがあります。ただし、「ご参集ください」とだけ伝えるのは、あまりおすすめできません。「ください」は「くださる」の命令形のため、命令した格好になってしまうことがあるからです。
「ご足労おかけいたしますが」や「ご多忙のところ恐縮ですが」のようなクッション言葉を前置きする、もしくは、「ご参集くださいますようお願いいたします」のようにお願いの文章にするほうが良いでしょう。
・お忙しいところ恐れ入りますが、会議室にご参集くださいますようお願いいたします。
・ご足労をおかけいたしますが、弊社までご参集をたまわりますようお願いできないでしょうか。
また、「ご参集」を使って、参加してくれたことを感謝するケースもあります。
・本日はご参集いただき、誠にありがとうございます。
・先だっては、弊社のイベントにご参集くださいまして、本当にありがとうございました。
ビジネスメールで……
「ご参集」は書き言葉としても使われることがあります。集まってほしいイベントや会議があるときは、ビジネスメールで「ご参集」を使って表現してみましょう。
・以下の日程で創立記念式典を開催いたします。お忙しいところ恐縮ですが、どうぞご参集くださいませ。
・先日はお忙しいところ、ご参集いただきありがとうございました。
ビジネス文書で……
招待状や案内状などのビジネス文書でも、「ご参集」が使われることがあります。ビジネス文書で使用する場合も、話し言葉やメールと同様、クッション言葉やお願い文を使って、相手に失礼のないように表記しましょう。
・業界最大の展示会に弊社も参加いたします。ご多用とは存じますが、ご参集くださいませ。
・テレビや雑誌などのメディアでご活躍の〇〇氏を講師としてお招きします。ぜひご参集たまわりますようお願いいたします。
参集と類似する言葉を例文でご紹介
「参集」と類似する意味の言葉としては、次のものが挙げられます。
それぞれのニュアンスや使い方について、例文を通して見ていきましょう。
参加
「参加」とは、ある目的をもつ集まりに一員として加わり、行動を共にすることです。「参集」と同じく丁寧な意味合いは含まれていないため、目上の人や取引先に使うときは、丁寧の意味のある「ご」をつけて、「ご参加」と表現してください。
・当日はお子さまもお楽しみいただけるイベントも開催いたします。お気軽にご参加くださいませ。
・急なことで申し訳ないのですが、明日の10時からご参加をお願いできないでしょうか。
出席
「出席」とは、会合や学校の授業などに出ることです。丁寧な意味合いは含まれていないため、ビジネスシーンや目上の人に対して使うときは、丁寧の意味がある「ご」をつけて、「ご出席」と表現するようにしましょう。
・ご出席いただけます場合は、返信用はがきでお知らせくださいますようお願い申し上げます。
・本日、ご出席くださいました300名の皆様の中から、抽選で1名様にハワイ旅行をプレゼントいたします。
寄り集まる
「寄り集まる」とは、あちこちから1か所に集まることを意味する言葉です。意味は「参集」と同じですが、平仮名を用いているため、柔らかい表現として使えるかもしれません。
・今日は多くの人々が寄り集まってくれた。
・寄り集まって、討議をする。
集い合う
「集い合う」は、「集う(つどう)」と「合う」から成る言葉です。「集う」とは、多くの人や物が一つところに寄ることです。人々の気持ちなどが集中するときや注がれるときにも、使われることがあります。
「集まる(あつまる)」と比べると、「共通の意志を持った者が集合する」というニュアンスがあり、やや文章語的とされています。また、「集まる」は人以外にも使われますが、「集う」は主に人に対して使われる言葉です。
一方、「合う」は、二つ以上のものが近寄って一つになることや、くっつくことの意味で使われる動詞です。「集い」のように動詞の連用形につく場合は、「互いに……する」や「一緒になる」の意味で使われます。つまり、「集い合う」とは「お互いに集まる」「集まって一緒になる」の意味です。
・集い合って、話し合った。
・今日、この場に集い合った仲間たちは、本当に信用できると思う。
適切な場面で「参集」「ご参集」を使おう
「参集」は大勢の人が集まってくることです。ビジネスシーンや目上の人に対しては、丁寧な意味のある「ご」をつけた「ご参集」と表現することが一般的です。イベントを開催するときや会議をするときなどは、「ご参集」を使って表現しても良いかもしれません。
ただし、「ご参集ください」とだけ伝えると、命令口調のように受けとられる可能性があります。「ご多忙のところ申し訳ございませんが」のように、クッション言葉を前置きして表現するか、「ご参集くださいますようお願いいたします」とお願い文にして表現するほうが良いでしょう。
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