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他人事の意味について
「他人」を目にしたら、多くの人が「たにん」と読むでしょう。では、「他人事」という言葉については?「たにんごと」と読む人もいれば、「ひとごと」と読む人もいるのではないでしょうか。
まずは、他人事の意味や読み方についてみていきましょう。
他人事の意味
他人事は、読んで字のごとく「自分には関係のない、他人に関すること」という意味です。
他人事の読み方
辞書で「他人事」と検索すると、「たにんごと」と「ひとごと」のどちらも出てきます。「たにんごと」という読み方も間違いではなさそうです。
しかし、「たにんごと」を調べると、“自分に関係ない人についてのこと、本来は「ひとごと」と読んだ語”<出典:デジタル大辞泉>となっています。つまり、本来は「ひとごと」が正しい読み方となります。多くの人が「たにんごと」と誤読しており、一般的な読み方だと勘違いを生んでいるのでしょう。
「NHK放送文化研究所」によると、“国内の主な新聞社や通信社も、「ひとごと」または「人ごと」の表記を認めているだけで、「たにんごと」「他人事」については認めていません”と解説しています。
参考:NHK放送文化研究所
他人事の類語
続いて、他人事の類語や対義語について見ていきましょう。他人事の類語として、以下の言葉がよく挙げられます。
1:よそ事
意味は、「自分とは関係ない事柄のこと」です。意味だけでいえば、他人事と同じ。使われる頻度では、他人事の方が多い言葉だといえます。
例文:隣の家で夫婦喧嘩をしているが、私にとっては他所事だ
2:対岸の火事
意味は、「自分には関係ないので、何の苦痛もないこと」。向こう岸の火事は、自分に災いをもたらす心配がないことが由来となっています。
例文:対岸の火事と知らんふりをしていると、いつか自分に返ってくる
3:風馬牛(ふうばぎゅう)
意味は、「お互いに無関係であること」「無関係だという態度をとること」です。「互いに慕い合っている牛馬の雌雄でさえ、会うことのできないほど両地が遠く離れている」という『春秋左伝』が由来となっています。
例文:彼女が結構しようがしまいが、自分にとっては風馬牛である
一方、他人事の対義語としては、「自分事」が挙げられます。あらゆる物事を自分に関係のあることとして捉える、またはそういった態度を意味する言葉です。
例文:同僚が怒られているのを聞き、自分事のように感じた
読み間違いが多い言葉
ここまで、他人事は人により読み方が違うことや、間違った読み方が一般的になっていることについて解説しました。続いては、他人事のように読み間違いが多い言葉について見ていきます。
1:世論
よくニュースなどで「世論調査(よろんちょうさ)」という言葉を聞いたことがあると思います。そのため、世論を「よろん」だと思っている方も多いかもしれませんが、「せろん」が正しい読み方です。「よろん」は、「輿論」という言葉からきている読み方で、「世論」とは少し意味が異なります。
「世論」は、「ある社会問題について、世間の人々が持っている意見」という意味です。一方、「輿論」は「ある社会的問題について、多数の人々の議論による意見」という意味。しっかりとインプットしましょう。
2:会釈
こちらの言葉、「かいしゃく」もしくは「えしゃく」の2パターンが浮かぶでしょう。正しくは「えしゃく」。
「会釈」は、ご存じの通り「軽くあいさつや礼を交わすこと」という意味です。会社では、よく聞く言葉ではありますが、書いたり読んだりする機会は少ないかもしれません。そのため、読みづらい漢字の一つとされています。
3:乳離れ
この言葉は、子供をもつ女性の方はよく耳にするのではないでしょうか。ダイレクトに読むと「ちちばなれ」と読んでしまいそうですが、「ちばなれ」が正しい読み方です。
「乳離れ」は、「赤ちゃんが成長して母乳を飲まなくなること」という意味。ただ、最近は「卒乳」という言葉がよく使われるので、「ちばなれ」を使う機会はかなり少ないようです。ママ友でお話をするとき、間違えて使ってしまわないようしっかりとインプットしておきましょう。
4:職人気質
「しょくにんきしつ」と読みそうになりますが、こちらの言葉は「しょくにんかたぎ」と読みます。
「職人気質」は、「自分の技能を信じ、納得がいくまで念入りに仕事をする実直な性質」を表す言葉。まさに文字どおり職人です。「気質」は、「きしつ」と読む場合と、今回のように「かたぎ」と読む場合で少し意味が異なります。意味によって、読み方が変わる点に注意しましょう。
5:最高値
株式などの取引でよく使われる言葉です。こちらは「さいたかね」と読みます。「さいこうち」ではないので要注意。意味は、文字どおり「取引市場で、上場以来いちばん高い値がつくこと」です。また、シンプルに、一番値段が高いときにも使われます。
反対に、「最安値(さいやすね)」は、「最も値段が安いこと」を意味します。最安値はチラシなどを見ていてもよく目にする言葉ですので、馴染み深いのではないでしょうか。
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