そもそもリネンカーテンとは?
みなさんの家や部屋では、リネンカーテンを使用していますか? 環境が変わって、心機一転してカーテン類を新しくしたいと思っている人もいるかもしれません。また、今までカーテンにあまりこだわりがなかったという人も、この機会にリネンカーテンを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
リネンカーテンとは、亜麻(あま)の繊維を使用したカーテンのこと。化学繊維ではなく、自然由来の肌触りや素材感が特徴。やわらかく自然光を取り入れることができるため、部屋の雰囲気も一気に明るく落ち着いた印象になります。
今回は、おうちの快適空間をつくる街のリフォーム屋さん「アトリエボックス」でインテリアデコレーター並びに窓装飾プランナーをされている米道莉恵さんに、リネンカーテンの種類や選ぶ際のポイント、手入れの方法などをお聞きしました。
リネンカーテンの特徴を解説
それではさっそく、リネンカーテンの特徴について詳しく紹介します。
1:自然光を取り入れながら気になる視線をカット
リネンカーテンの最大の特徴は、なんといっても透け感。亜麻の茎から取れる繊維でできており、リネンカーテンを通して差し込む自然光は、家のなかにいながらまるで緑豊かな森の木漏れ日のなかにいるように感じられます。
また、植物由来の繊維で薄い素材ながら、透け感があるとはいえ、やや透けにくいところもメリットといえるでしょう。素材の特性による特有のシワ感も魅力のひとつです。
2:ナチュラルで落ち着いた雰囲気に
自然素材のリネンカーテンは、漆喰の壁や木の素材を活かした家具との相性が抜群。素材の特性から、経年変化を楽しめるところも、化学繊維のカーテンとは違うポイントです。丈夫なリネンカーテンは、長く使用するなかで段々と生地がやわらかくなり、私たちの生活に寄り添うようになじんでくれます。
3:速乾性と吸水性
繰り返しになりますが、リネンカーテンは亜麻の繊維を使った自然素材のカーテンです。元が植物であるため、速乾性と吸水性に優れているといわれています。たとえば、夏物の洋服にリネン素材が多いのはそのためです。汗や湿気を吸収しすぐ乾いてくれるから、重宝されています。
リネンカーテンも同じ理由から、窓周辺の湿気や結露を吸収してくれます。特に、梅雨の時期や冬には活躍してくれるはずです。
4:耐水・耐熱・通気性も抜群
速乾性や吸水性だけではありません。なんと、耐水性、耐熱性、通気性にまで優れているのです。季節を問わず、一年を通して気持ちよく使うことができます。
5:汚れがつきにくい
化学繊維のカーテンは静電気が起こりやすく、ほこりや汚れを集めやすいといわれています。これらはアレルギーの原因のひとつにも。その点リネンカーテンは、静電気を帯びにくいためほこりや汚れがつきにくい特性をもち、きちんとお手入れすれば長く衛生的につかうことができます。
リネンカーテンを選ぶ際のポイント
リネンカーテンの特徴はおさえられましたか? 続いては、リネンカーテンの注意点とあわせて、選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。
1:寝室には不向き
リネンカーテンの最大の特徴は、自然光をきれいに程よく取り込んでくれること。そのため、遮光性は期待できません。リネンカーテンをつける部屋は、日中に使うことが多い部屋にするのがおすすめです。
遮光性を高めたい場合には、ブラインドやロールスクリーンと併用することで、リネンカーテンと遮光性の問題を解決することができます。
2:防縮加工がついているかどうか
リネン素材は、濡れると生地が伸び縮みしてしまうという特徴があります。そのため家庭で洗濯をすると、カーテンの長さが変わってしまう恐れが。頻繁に洗濯をしたいという人は、防縮加工が施されているリネンカーテンを選ぶのがおすすめです。
しかし、防縮加工がされていても、多少は縮んでしまいます。洗った後、大きく縮んでしまったリネン生地は元には戻らないので要注意です。
3:リネンカーテンの厚みをチェック
リネンカーテンといっても、厚みはさまざま。使う部屋の用途によって厚みを決めると失敗しにくいでしょう。
換気や光を取り入れることがメインの小窓には、薄手のリネンカーテンがおすすめです。一方、大きな窓やリビングの窓など、屋内の人の様子が外からうかがえそうな窓にはやや厚めのリネンカーテンを選ぶと、プライバシーの保護につながります。
リネンカーテンのお手入れ方法
カーテンは毎日開閉するものなので、開閉時にほこりや汚れが舞ったり吸収してしまったりしないか気になるところ。ここでは、リネンカーテンのお手入れ方法について紹介します。
1:ドライクリーニングをする
先述したように、リネンカーテンの大きなメリットとして、静電気が起こりにくいことが挙げられます。リネンカーテンはそもそもほこりや汚れを吸収しにくいので、日常的に部屋の掃除を行っていれば、普通のカーテンよりもしきりに洗濯しなくても大丈夫です。
洗濯したい場合には、ドライクリーニングに出すのがベター。うっかり家庭用のおしゃれ着洗剤で洗濯をしてしまい、縮んでしまったというケースは少なくありません。
2:洗濯表示を確認する
自宅で洗濯をしたい場合は、リネンカーテンの洗濯表示を確認しましょう。不安であれば生産元のサイトを確認したり、連絡したりすると安心です。防縮加工がされているタイプであれば、自宅で洗濯することができます。
3:リネンカーテンだけで洗濯をする
自宅で洗濯をする場合は、ほかの洗濯物と分けて洗濯をしましょう。リネン素材は色移りしやすいので要注意です。漂白剤の入った洗剤もNG。
洗濯ネットに入れて、「手洗い洗濯コース」など、なるべく繊細に洗濯してくれるコースを選びます。脱水は短めにしましょう。
洗濯後は、カーテンレールに戻して乾燥させましょう。その際にはシワに要注意。シワがついたまま乾かすと、そのまま残ってしまいます。シワを優しく伸ばしながら、カーテンレールにつるしましょう。しかし、生地の特性上、どうしてもシワになりやすいところがあります。それでも、リネンカーテン特有のシワは美しいので、その変化を楽しみたいところです。
最後に
本記事では、リネンカーテンの特徴や選ぶ際のポイント、お手入れの方法について紹介しました。リネンは高級素材でもあるため、「いつか使ってみたい憧れのカーテン」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。そんなリネンカーテンを長く大切に使うためにも、ぜひ本記事をひとつの参考にしてみてください。
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