フローリングの種類と色
家を新築したり、リフォームしたりするときに気になってくるのが、フローリングの色ではないでしょうか? フローリングは面積も大きく、色によって室内全体の印象が大きく左右されます。
フローリングは1度貼ってしまうと、変えたいと思ってもそれを剥がすには手間がかかって大変。そのためフローリングの色を選定するときは、後悔や失敗がないようにしたいですよね。
そこで、おうちの快適空間をつくる街のリフォーム屋さん「アトリエボックス」でインテリアデコレーター並びに窓装飾プランナーをされている米道莉恵さんに、フローリングの色についてお話をうかがいました。
フローリングの種類
色の説明に入る前に、フローリングの種類について紹介します。フローリングには、合板などの基材に木目の模様がプリントされたシートを張りあわせたものや、本物の木を薄く切って表面に張った「挽き板」や「突板」があります。これらは複合フローリングといわれ、一般住宅で多く採用されています。
そのほか1枚の木材をそのまま加工した無垢フローリング(別名:単層フローリング)があります。天然木の温かみや自然素材の質感を楽しみたい方に人気が高いです。その分、複合フローリングよりもコストがかかります。
フローリングの色
続いて、フローリングの色について、白系・グレー系・ベージュ系・ダークブラウン系・ブラウン系に分けて紹介します。
白系
床が白いと、部屋が明るく広く見える効果があります。また、どんな色の家具ともなじみやすく、インテリアコーディネートがしやすいのが特徴。ただし、傷や汚れが目立ちやすく、気を使う必要があります。
グレー系
落ち着いた上品な雰囲気をつくることができます。大理石・木材などの天然素材とも調和し、現代的なテイストや伝統的なテイストのどちらにも適しています。また、汚れが目立ちにくいのもメリットです。
ベージュ系
ベージュの色は木肌の色に近く、温もりのある雰囲気をつくることができます。また、さまざまな色とのコンビネーションであっても、違和感がありません。傷や汚れが目立ちにくいのもうれしいポイント。
ダークブラウン系
ダークブラウンには、高級感と重厚感が漂います。空間を引き締める効果があり、シックで落ち着いた雰囲気の部屋をつくるのに最適。ただし、白いホコリが目立ったり、部屋が少し狭く感じられたりします。
ブラウン系
ブラウン系は、木の温もりを感じることができます。ベージュ系とダークブラウン系の中間的な色合いなので、落ち着いた雰囲気に。
部屋別おすすめのフローリングの色
フローリングの色は、部屋ごとに変えるのもおしゃれですね。部屋別におすすめのフローリングの色を紹介します。
玄関
家に入ってまず目につく場所である玄関ですが、ダーク系の濃い色がおすすめです。品がある重厚な雰囲気を演出してくれることでしょう。玄関は狭いので、広く見せたいのであれば、白系の色を使うのも手です。
キッチン
キッチンには、冷蔵庫・オーブン・シンクなど家具・家電が多くあるので、それらの色によっておすすめのフローリングの色は変わってきます。
白色のシステムキッチンならば白系のフローリングを、キッチン全体が黒っぽいのであればダークブラウン系のフローリングにしてみてはいかがでしょうか。
リビング
リビングは家族が集まる場所のため、落ち着いた雰囲気だと和めます。温もりを感じやすいベージュ系やブラウン系の色を選ぶのがおすすめです。
子供部屋
子供部屋は明るく楽しい雰囲気にする傾向があります。したがって、明るい色のフローリングがよいでしょう。白系なら、いろいろな色の家具(学習机やベッドなど)にも調和し、汚れがあってもすぐに気がつけるのが長所です。
インテリアのテイスト別おすすめのフローリングの色
続いては、インテリアのテイストに合わせたときに、おすすめしたいフローリングの色を紹介します。
ナチュラルスタイル
ナチュラルスタイルの部屋には、ベージュ系や白系といった明るい木目の色のフローリングがよいでしょう。明るく清潔感のある空間をつくり出します。
シンプルモダンスタイル
ナチュラルスタイルと並んで人気が高い、シンプルモダン。シンプルモダンスタイルの部屋には、白いフローリングがおすすめです。白いフローリングにモノトーンの家具を組み合わせると、高級でモダンな雰囲気に。非日常感のあるホテルのような部屋になりますよ。
北欧スタイル
北欧スタイルの部屋であれば、ベージュ系の色の明るいフローリングがよいでしょう。自然な木の温もりを感じられるフローリングがおすすめです。
エスニックスタイル
エスニックスタイルの部屋であれば、フローリングの色はブラウン系やダークブラウン系がおすすめです。エスニックスタイルの家具には、麻や籐といった自然素材の家具が多く、茶系のフローリングと調和します。また、モンステラやテーブルヤシといった観葉植物を置くと、アクセントになりますよ。
フローリングが色あせたら、どうする?
フローリングは太陽光の紫外線や汚れなどによって、次第に色あせていくものです。掃除をしていても、経年劣化で色あせは避けられません。色あせてきたときの補修方法は、フローリングの種類によって異なります。それぞれ紹介します。
複合フローリング(挽き板、突板、シート)の場合
表面の変色やツヤがなくなるなど比較的軽度な劣化の場合、ワックスなどを塗布することできれいになる可能性があります。
無垢フローリングの場合
自然素材の無垢材でできたフローリングは、時間の経過とともに色味が変化していくもの。そのため、変化を味わいとして楽しめるのが無垢材の特徴です。
どうしてもケアしたいという場合は、変色部分をサンドペーパーなどで削りオイル塗装を施す方法があります(※オイル塗装仕上げの場合)。変色がひどく、塗装面が剥がれ木部が露出している床などの補修は難度が高いので、プロに依頼したほうが安心です。
最後に
フローリングの色は、家の新築やリフォームに際して十分に検討したい要素です。フローリングは面積が広いので、その色次第で部屋全体の印象が変わります。そのため、自分がどのようなインテリアにしたいのかをイメージした上で、フローリングの色を選ぶことをおすすめします。
あわせて読みたい