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リビングダイニングのレイアウトを考える前に知っておくべきこと
多くの人にとって、リビングダイニングは家族と過ごす場所であり、そこでゆったりとくつろぎたいと思っているのではないでしょうか。しかし、気がつけば部屋が物でいっぱいになって、快適とは言い難い状態になってしまった… という人もいるかもしれません。
このように、リビングダイニングのレイアウトを決めることは簡単なことではありません。そこで、おうちの快適空間をつくる街のリフォーム屋さん「アトリエボックス」でインテリアデコレーター並びに窓装飾プランナーをされている堂本章弥さんに、リビングダイニングのレイアウトについてお話をうかがいました。
そもそもリビングダイニングとは、居間と食堂を兼ね備えた部屋のことです。まずは、リビングダイニングのレイアウトを決める前に知っておくべきことを解説します。
空間の大きさや形を考慮する
レイアウトを選ぶにあたっては、リビングダイニングの空間の大きさや形を考慮することが重要になります。
広い空間では家具を自由に配置できますが、狭い空間では家具の大きさや配置によっては圧迫感を感じることも。思いのままに配置すると、動線の悪さにもつながりかねません。また、空間の形によってもレイアウトは変わるでしょう。
家族やゲストのニーズを考慮する
リビングダイニングは、家族やゲストが過ごす場所であり、快適で機能的な空間をつくることが重要です。たとえば、小さな子供がいる場合は、子供が安全に過ごせるように、家具の配置や素材にも注意を払う必要があります。また、ゲストが来たときには、ゲストとコミュニケーションをとりやすいレイアウトにした方がよいでしょう。
リビングダイニングのレイアウトの種類と特徴
次に、リビングダイニングのレイアウトの種類と特徴を紹介します。
横長タイプ
キッチンとリビングダイニングが横に並んでいるタイプです。このレイアウトのメリットは、キッチンとリビングダイニングに一体感があり、家族のコミュニケーションがとりやすいことにあります。
料理をしながらテレビを見たり、食事をしながら会話を楽しんだりすることも可能です。また、キッチンからリビングダイニングへの動線もスムーズで、効率的に家事ができるでしょう。
一方、デメリットとしては、キッチンの音や匂いがリビングダイニングに伝わりやすく、気になってリラックスできない可能性があることです。また、来客時に生活感が出やすいキッチンが丸見えになるかもしれません。
縦長タイプ
キッチンとリビングダイニングが縦に並んでいるタイプです。広さとしては10畳ほどが平均的サイズ。このレイアウトのメリットは、キッチンとリビングダイニングとの間に距離感があって、プライバシー性が高いことです。料理中の音や匂いがリビングダイニングに伝わりにくく、落ち着いて過ごせます。
一方、デメリットは、キッチンとリビングダイニングの距離が遠くなり、家族のコミュニケーションがとりにくいことです。
L字型タイプ
キッチンとリビングダイニングがL字に配置されているタイプです。このレイアウトのメリットは、キッチンとリビングダイニングが分離されていながらも、一体感があること。キッチンとリビングダイニングの間に壁やカーテンなどの仕切りがなく、開放的で明るい空間になります。また、L字にすることで、リビングダイニングの空間を有効に使えるでしょう。
一方、デメリットは、キッチンとリビングダイニングの角に無駄なスペースができることです。角のスペースは家具を置くにも動線を確保するにも難しく、活用しにくい場所になりがちです。また、L字型のレイアウトは、家具の配置や空間配分が難しいこともあります。
リビングダイニングのレイアウトの注意点
続いて、リビングダイニングのレイアウトの注意点をいくつか紹介します。
窓やドアの位置や方向による配置の違い
リビングダイニングのレイアウトを決める際には、まず窓やドアの位置や方向を確認します。窓やドアは、自然光や風通し、外とのつながりなど、リビングダイニングの雰囲気や快適さに大きく影響するもの。それらによって、家具の配置や空間の使い方が変わってきます。
たとえば、窓から入る光を室内へ反射させるために、ソファやダイニングテーブルを窓から離すとよいでしょう。窓から離すことは換気のためにも好都合です。
また、ドアの位置や方向も重要。ドアは出入りする場所なので、動線をスムーズにするためには、なるべく近くに家具を置かないようにしましょう。そして、ドアからのぞく最初の印象も大切にしたいところ。ドアから見える家具はシンプルで統一感のある物にするのがおすすめです。
家具の大きさや形、素材による印象の違い
リビングダイニングのレイアウトを考える際には、家具の大きさや形、素材も気をつけたいですね。家具はその選び方によって、部屋全体の印象が大きく変わります。
家具が小さすぎると寂しくなりますし、大きすぎると圧迫感を与えてしまいがち。一般的には、リビングダイニング全体の面積の3分の1程度を家具で占めるとよいといわれています。また、家具同士の距離も重要です。狭すぎて、人が通りにくいという事態は避けましょう。
そして、家具の形も重要な要素のひとつです。角ばった形はシャープでモダンな印象を与え、丸みを帯びた形はやわらかく優しい印象を与えます。
家具の素材も見逃せません。木製や布製の家具は温かみやナチュラルな雰囲気を感じさせますし、金属やガラス製の家具は涼しげな雰囲気やスタイリッシュさを感じさせます。
いずれにせよ、自分の好みや部屋の特徴に合わせて、最適な家具を選びましょう。
リビングダイニングのレイアウトのアイデア
最後に、リビングダイニングのレイアウト例を紹介します。たとえば、狭いリビングダイニングでもおしゃれに広く見せたい場合、どうすればよいのでしょうか?
狭いリビングダイニングは、家具の配置や色使いを工夫することで、おしゃれに広く見せることができます。まず、ソファは壁に向けて配置し、テーブルは窓側に置くことで、視線を外に向けて開放感を出せるでしょう。
机は折りたたみ式や引き出し式など、使わないときにコンパクトにできる物を選びます。壁は白やベージュなどの明るい色にし、小物やクッション、ラグやカーテンなどで差し色を加えることで、明るく華やかな印象になりますよ。
まとめ
リビングダイニングは、家族とのコミュニケーションの場であり、くつろぎの空間でもあります。そんなリビングダイニングを快適でおしゃれにするためには、レイアウトをしっかり考えることが重要です。
レイアウトは、部屋の形や広さ、キッチンの位置、家具の大きさや形などによって変わります。自分の好みやライフスタイルに合わせて、最適なレイアウトを見つけてください。
監修
堂本章弥(どうもと ふみや)
株式会社Atelier Box取締役。
リフォームやインテリアの提案を通して、お客様に豊かなライフスタイルを提供している。増改築相談員、インテリアデザイナー、空間ディスプレイデザイナー1級の資格を保有。趣味は建築物巡り。国内問わず毎年数回は旅行をし、旅先の建築物や町の雰囲気を満喫している。
構成・執筆/京都メディアライン
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