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LIFESTYLE 私の生き方

2023.08.23

大木優紀さん「海外でのワーケーションは、子どもたちにも私自身にも大きな栄養となりました」

1日のもち時間は誰でも等しく24時間。時間の使い方から見えてくるその人のコアな部分にフォーカスする「女の時間割。」では働く女性の中の女・妻・母の3つの顔に迫ります。

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今回の「女の時間割。」は、40代でテレビ局アナウンサーから海外旅行事業を扱うスタートアップ企業への異業種転職を果たした大木優紀さんが主人公。仕事と“好き”と子育てが渾然一体となった大木さんの「母時間」についてお聞きしました。

大木さんの「女の時間割。」
Vol.1「女」時間〜ひとりの女性として仕事に向き合う時間〜 
Vol.2「妻」時間〜妻として夫に向き合う時間〜
Vol.3「母」時間〜母として子どもに向き合う時間〜 ←この記事
スピンオフトーク 

大木優紀さん
株式会社令和トラベル 執行役員、
海外旅行予約アプリ『NEWT(ニュート)』PR・42歳

大木さんの「母」時間をClose up 10:00@School
子どもの学校の授業参観と保護者会へ

「土曜日は子どもたちの授業参観や保護者会があることが多いですね。そんな日のファッションは、ネイビーをベースにお受験スーツよりもややカジュアルな雰囲気のワンピースやセットアップを選んでいます。ルールではないのですが、やはりなるべく悪目立ちしないファッションを心がけていたりします。その一方で、子どもたちの塾の授業参観に行くときには服装の縛りはまったくないため、デニムやTシャツで参加します」

大木優紀さん 立ち姿

「母」時間 大木さんのとある土曜日

この連載では“ある日の時間割”についてアンケートに回答してもらい、撮影シーンを構成しています。大木さんの「母」時間を紹介します。

6:15 子どもと一緒に起床、即朝食準備
6:25 子どもに朝食を食べさせる
6:50 子ども登校
7:00 片付け、オンラインショッピング
10:00 子どもの学校の授業参観と保護者会へ
12:30 子どもと帰宅、昼食
15:00 ネイルサロン、ヘアサロン、美容皮膚科にメンテナンスへ
18:00 帰宅、夕食、入浴
21:00 子どもたちと一緒に寝てしまう

子どもたちにはカッコよく働く背中を見せていたい

大木さんのお子さんは現在、長女は小学4年生、長男は小学2年生。平日は子どもたちの登校時間に合わせて一緒に家を出発し、朝7時にはオフィスに出社して仕事を始めている。フレックス勤務のため16時ごろにはオフィスを出て、GPSで帰宅途中の子どもたちと合流してから一緒に家へ帰宅する。

「最近では夜に仕事関係の会食が入ったり、海外に行くことも増えているので、日本にいるときはできるだけ子どもたちと一緒に過ごす時間を大切にしているんです。土曜は授業参観や保護者会が入ることも多く、そういう週は午前中から学校に行っています。

子どもたちとの帰り道の話題はやっぱり、今日学校でどんなことがあったのかたずねたり、体調やコンディションの様子を見ることが多いですね。息子のほうは年齢的にまだ幼さが残っていて体も小さく、学校生活に慣れきっていない部分もあるので、そのへんについては表情や雰囲気などに注意しながら話に耳を傾けるようにしています。

逆に私の仕事の話をすることもあるんですよ。たとえば娘に、今日こんな撮影をしてもらったよと現場で撮った写真を見せると、ヘア&メークに興味があるので喜んで見てくれます。息子には、今こんな国のツアーをつくっているんだと話すと、とても関心をもって聞いてくれます。私の仕事についても“ママは旅行が好きすぎるからお仕事も旅行なんだよね”と好意的に捉えていて、ときどき学校帰りに遊びに来るほどうちのオフィスが好きみたいです。私が働く姿や職場に関して怖いイメージがない様子なのは良かったなと思っています。

ある時期夫婦で、子どもたちのよりよい将来のために、よりよい教育を求めて熱心に情報収集をしたときがありました。でも親のエゴを押し付けすぎてはいけませんし、今の世の中選択肢はたくさんあっていいと思うし、最終的には本人がやりたいことを選ぶものだとふたりで結論づけました。上の子は女の子なので、女性が働き続けることの楽しさみたいなものは彼女にも知って欲しいなと思っています。働き続けるのは当たり前のことなんだよというメッセージを、私の背中を見せることで伝えられたらと思ったのです。

理想や思いはたくさんあるものの、実際には最近あまりいい背中を見せてあげられていないなあという気がしているんです。もう少しゆとりのあるカッコイイ姿を見てもらいたいのに、いつもけっこう出がけは“バタバタバタっ、わああああっ!”みたいになってしまって(苦笑)、理想と現実にギャップがあります。そのあたり長女がどう見ているのか聞いたことはないのですが、なかなか全てをパーフェクトにとはいかないものです」

大木優紀さん 膝上 正面

NYでの子ども連れのワーケーションで得た思いがけない収穫

大木さんが現在の会社に入社後、社内のアイディアミーティングで出したアイディアが形となったFocusという制度がある。1か月単位で働く時間を最大1/4まで減らせるもので、施行後大木さんは社内で初のFocus取得者となった。8月の1か月間をNYでお子さんふたりを連れたワーケーションとして過ごすためだ。

「制度の取得前に、業務委託の方やインターン生の力も借りて1か月の労働時間を1/4に調整する体制をつくりました。子どもたちのためには日本からサマースクールを予約しておき、一緒に過ごせる特別な夏休みを準備したのです。これはものすごくいい経験になりました。何が良かったかというと、私が子どもたちをより良く知る1か月になったからです。

一度海外に行ってしまえば周囲に友達がいるわけでもないので、どうしても親子3人で濃密に過ごすことになります。いつもとは異なる環境で見せるさまざまな反応や行動から、“この子って実はこんなところがあるんだ”とか“知らなかった、こんなにもものおじしない子だったとは!”などと数々の発見がありました。完全なる英語環境でふたりをサマースクールに通わせたので、子どもたちにとっても大きなチャレンジだったと思います。

たとえばお姉ちゃんに関しては“もう私とはまったく違う一個人なんだ。いい意味で他人なんだ”ということを実感するような出来事がありました。スクールに行く前は“楽しみ楽しみ”とテンションが高かったのに、いざパッと近寄ってきたクラスメートがネイティブのニューヨーカーだったので、その瞬間長女はすごく不安そうな表情になったのです。でも私には娘を送り出すことしかできません。それがわずかな間に自分なりにアプローチをして友達になって、最後はむこうが娘の名前を呼んで手を振ってくれるまでの仲になっていたんです。

それを見て、結局もう私は娘をサポートすることができないんだ、これからは彼女自身が判断をしてすべてを決めていかなければならないのだということをしみじみと実感しました。幼少期を隣りでずっと手をつなぎながら過ごしてきたのとは、違うフェーズに入ったことを悟ったのです。

その一方で、息子のほうは最初から現地の人に対してまったく臆することなく、ボブサップみたいな雰囲気の大人にも自分から話しかけに行っちゃうぐらいで“あ、あなたそういうところあったのね?”みたいな、それはそれで対照的な驚きがありました。NYで私が見たものは彼らの中で密かに育っていた内面で、あの瞬間から、私が手を引いて導かなければならない存在から、少し離れてサポートしたほうがいい存在となり、それは私にとって非常に大きな驚きでした。

夫も私も、子どもたちには自分がやりたい道を選んでもらえればそれでいいと思っています。しかし今の日本の状況を考えると、この先は日本円以外でも稼げる力をもっていたほうが安心で、そのことは今からふたりに話しています。自分がのぞむような生活を考えたときに、どの国で生きて行くのがいいのかという考え方は選択肢としてもってもらえるように、少し視野の広い話を意識しています。子育ては親の思い通りにはならないとわかっていますが、でも思い通りではない選択で人生が面白くなる可能性もありますし、国内でめちゃめちゃドメスティックに生き抜く人になってくれるかもしれないですよね(笑)。

とにかく先のことは誰にもわからないので、子どもの人生はポジティブに“他人の人生だ”と割り切らないとお互いストレスになってしまいますよね。最近では“ママにはママの闘いがあるから、あなたはあなたで闘うんだよ。いつまでもあなたの闘いを助けるのがママの人生ではないからね”と、少し面白おかしくドライな言葉がけをしています」


子どもたちに託したい夢と現実とお金の話と。よりよく導くために葛藤する大木さんの母目線の言葉が印象的でした。次回スピンオフでは、大木さんによる自己分析をお届けします!

Profile

大木優紀

おおき・ゆうき/1980年、東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部を経て、2003年4月にアナウンサーとしてテレビ朝日に入社。『GET SPORTS』『やじうまテレビ!』『くりぃむナントカ』などを担当する。29歳で結婚。32歳で長女、35歳で長男を出産。2度の産休・育休を経て、復職後の2018年よりABEMA内のニュースチャンネル『けやきヒルズ』、翌2019年からテレビ朝日の報道・情報番組の『スーパーJチャンネル』を担当。2021年末に同社を退社し、2022年1月に41歳で海外旅行代理店の令和トラベルに異業種転職。海外旅行予約アプリ『NEWT(ニュート)』の広報PRを担当、noteやインスタグラム、TikTokなどのSNSを用いて精力的な情報発信を開始する。2023年4月に同社の執行役員に就任。現在小学4年生の長女と2年生の長男をもつ2児の母としても奮闘中。趣味はスキー、ダイビング。全国通訳案内士、PADIスキューバダイビング免許も所持している。
X(旧Twitter)▶︎@Yuuki_Ohki
Instagram ▶︎@yuuki_ohki
note▶︎「大木優紀 / 令和トラベル」

撮影/眞板由起 スタイリスト/磯部青子 ヘア&メーク/荻山夏海 構成/谷畑まゆみ

ブラウス¥10,780・スカート¥17,600・トートバッグ¥8,690 (SOÉJU〈ソージュ〉)、ピアス¥24,200・ネックレス¥51,700 (ete)、ビアントートバッグ¥44.000 (TOFF&LOADSTONE 〈トフ&ロードストーン〉) 、パンプス ¥16,500 (ダイアナ〈ダイアナ銀座本店〉)

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