セオリーとはどういう意味?
セオリーの意味は使うシーンによって異なります。基本的な意味に加え、ビジネスシーンでの意味も見ていきましょう。言葉の意味を詳しく知るために語源も紹介します。
セオリーの基本的な意味
理論や学説など、ある事柄について予測するための体系的な枠組みをセオリーといいます。
セオリー
1 理論。学説。
2 持論。自説。
(出典:小学館 デジタル大辞泉)
たとえば、太陽や月などの天体が東から昇り南の空を通って西へ沈むのは、地球が西から東へ1日に1回自転しているためで、これがセオリーです。セオリー通りに考えれば、金星も木星もその他の星も全て東から昇り西へ沈むと分かります。
また分野に限らず、あらゆることに適応できる理論は「グランドセオリー」や「ゼネラルセオリー」ということも覚えておくとよいでしょう。
加えて一般的な理論ではなく、自分なりの意見や思想を体系化したものもセオリーと呼ばれます。
自分の個人的な経験から導き出される「テスト直前は何もしない方がよい点を取れる」「カレーを食べるとものごとがうまくいきやすい」などの考えも、セオリーの一種です。
ビジネスシーンでの意味
ビジネスシーンでのセオリーは、方法・やり方などの意味で使われるのが一般的です。
たとえば、これまで通りのやり方で取り組むときには「セオリーに従って取り組もう」「この場合には〇〇するのがセオリーだ」などという言い回しで使います。
新しい方法で仕事に取り組むときには、最初は試行錯誤でやり方が確立していない場合もあるでしょう。そのようなときには「セオリーを確立していくには時間がかかる」というように用いられます。
セオリーの語源
セオリーの語源は古代のギリシャ語で「見ること」「考察」などを表す「theoria(テオーリア)」です。
テオーリア
《眺めることの意》哲学で、永遠不変の真理や事物の本質を眺める理性的な認識活動。アリストテレスは、これを実践(プラクシス)や制作(ポイエーシス)から区別し、人間の最高の活動とした。観想。
(出典:小学館 デジタル大辞泉)
ある事柄を理解し、理論を形成するときには、対象をよく見なければいけません。そこで「見ること」を意味する「theoria」から、理論を意味する英語の「theory」につながったと考えられています。
そして、英語の「theory」とほぼ同じ意味でカタカナ語として定着したのが、日本語のセオリーです。
セオリーの類義語
セオリーには複数の意味があります。「方法」「理論」「持論」という異なる3種類の意味に分けて、それぞれのケースの類義語・言い換え表現の意味を解説します。
定石・王道・鉄則など
方法ややり方という意味で使われるセオリーの類義語には「定石」「王道」「鉄則」などがあります。それぞれの意味は以下の通りです。
・定石:最上・最善な方法や手順
・王道:進むべき正当な道、欠点のない方法
・鉄則:変更できない厳しい法則や決まり
たとえば「セオリー通りに進む」といった言い回しは「定石通りに進む」「王道を進む」「鉄則に従い進む」と言い換えられます。
原理・学説・理論など
体系的に説明できる理論という意味では「原理」「学説」「理論」などが挙げられます。ある特定の分野において、予測を立てるときに用いる考え方を意味します。3種類の言葉の意味をチェックしましょう。
・原理:ものごとの基本的な法則
・学説:学者や学派が主張している考え方
・理論:原理・原則をもとに体系立てて考えられた認識
たとえば「セオリーに従って考える」は「原理に従って考える」「学説に従って考える」「理論に従って考える」と言い換えが可能です。
持論・持説など
個人的な意見や主張のことを意味する「持論」「持説」も挙げられます。理論や学説は客観性が求められますが、持論は独自の考え方で主観が入ることもあるでしょう。
その人なりに体系立てて考えた結果として得た理論のことを意味するため、一般的な考え方や認識とは異なるかもしれません。
「私のセオリーでは〇〇すべき」「それが彼のセオリーなんだよ」というように用います。
セオリーの使い方を例文でチェック
会話の中でセオリーを使うときには、どのように用いるとよいのでしょうか? 実際の例文と使い方のコツを紹介します。
セオリー通りでは難しい
「セオリー通りでは難しい」というのは、これまでのやり方が通用しないときの言い回しです。「セオリー通り」は理論通り・定石通りといった意味があるため、これでは難しいということは、理論通りにやってもうまくいかないだろうという意味だと考えられます。
「今確立している方法で取り組んでも成功の見込みがなさそうだ」という意味のため、全く新しい方法にチャレンジすべきタイミングに用いる言い回しともいえます。
セオリーを確立する
「セオリーを確立する」というのは、新しいやり方・方法を作り出すといった意味の例文です。
これまでの考え方では説明しきれないときや、課題を解決しきれないときには、新たな方法を編み出す必要があります。例えば「これからの時代に合う新しいセオリーを確立すべき」と使える表現です。
また、全く新しい理論や方法を作り出した人に対して「彼がこの分野のセオリーを確立した」というようにも用いられます。
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