リファレンスとは?
リファレンスについて、「使われるシーンによってニュアンスが違う…」「もともとはどういった意味なんだろう?」と感じた経験がある人は少なくないのではないでしょうか。まずは、「リファレンス」の基本的な意味から解説します。
リファレンスの意味は「参照」や「言及」
「リファレンス(reference)」は、「参照」「言及」「出典」「参考文献」「信用照会」などの意味がある言葉です。
特定の対象について、根拠・基準を得るための資料やデータを意味します。日常会話の中というよりも、主にビジネスシーンなどで使われています。
「リファレンス」が表すのは、基本的に形あるものではなく概念です。同じ「リファレンス」でも、使用シーンや業界によってニュアンスは異なります。実際に使用する際は、分野ごとのニュアンスの違いについて知っておくと安心です。
リファレンスの意味は業界によって異なる
「リファレンス」という言葉は、業界によってさまざまな使われ方をしています。ここではふたつの例を紹介します。
IT業界の場合
IT業界でのリファレンスは「リファレンスマニュアル」や「リファレンスコード」と使われるのが一般的です。
たとえば「リファレンスマニュアル」は、ソフトウェアの機能や使い方などを網羅した説明書・仕様書を指します。必要に応じて知りたい情報を調べる辞書のようなものです。「リファレンスコード」は、プログラミングをする際の標準ソースコードのことをいいます。
図書館の場合
図書館で使われる「リファレンス(レファレンス)」は、主に「リファレンス(レファレンス)サービス」のことを指します。
リファレンスサービスを簡単にいうと、利用者が調べものをする際のサポートのことです。具体的なサポート内容は、調べものをする際の相談を受けたり、本を探すのを手伝ったりすることなどが挙げられます。リファレンスサービスによって、利用者はよりスムーズに図書館を利用できます。
リファレンスを使った言葉と意味
では、日常生活の中で実際に見聞きする機会の多い「リファレンス」は、どのような意味で使われているのでしょうか。3つの例を挙げて解説します。
転職時の「リファレンスチェック」
転職の際に行われるものに、「リファレンスチェック(Reference Check)」があります。
リファレンスチェックとは、「身元照会」を意味する言葉です。企業が求職者の前職における勤務状況や、スキル・人柄などを問い合わせることをいいます。
これは、企業が求める人材と、求職者の実態とのズレを未然に防ぐ目的で行うものです。実際のリファレンスチェックでは、求職者の同意のもと、転職先の企業が現職の企業へ問い合わせるのが基本です。多くの場合、企業間のやりとりというよりは、求職者自身が自分の仕事ぶりなどに詳しい同僚や上司を紹介する形で行われています。
予約時にもらう「リファレンスナンバー」
「リファレンスナンバー(Reference Number)」は、「予約番号」や「照会番号」を指す言葉です。
特によく知られているのが、航空券の予約をする際に発行されるリファレンスナンバーで、問い合わせやウェブチェックインをする際などに必要です。
また、海外送金取引きなどの際にも、照会番号としてリファレンスナンバーが使われています。送金の際に発行されるリファレンスナンバーを共有することで、受取人が送金の受け取り手続きを行える仕組みです。
マーケティング用語の「リファレンスグループ」
マーケティング用語での「リファレンスグループ」とは、「準拠集団」という意味です。
マーケティングでは、消費者の行動は個人の嗜好や価値観だけでなく、自身が所属したり、関係したりする集団からの影響を受けるものと考えます。この概念において、消費者に影響を与える集団のことを「リファレンスグループ」といいます。
消費者行動における、個人の選択だけでは説明できない部分について、合理的に説明するために使用される言葉です。
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