ライフワークという言葉の意味を知っていますか？ 「ライフワークバランスを意識しよう」などの言葉を聞いたことがある方も、いらっしゃることでしょう。また、聞いたことはあっても、詳しい意味や使い方は知らないという方も、いらっしゃるかもしれませんね。
そこで、この記事では、ライフワークの意味や使い方、ライフワークバランスとワークライフバランスとの違いなどを解説します。ニュースやメディアでも取り上げられることの多いキーワードですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ライフワークの意味と使い方
ライフワークは、「人が一生をかけてする仕事や活動」という意味の言葉です。アーティストの一生を代表するような作品を、ライフワークと呼ぶこともありますよ。また、学者が一生涯かけて、ある分野の研究をするときにも、「ライフワークとして、○○の研究をして早30年になります」などと言うことも。
使い方は様々ですが、ライフワークは、「一生涯かけて行なう仕事」という意味で使われることが多く、「お金のために仕方なくする仕事」とはニュアンスが違うと言えるでしょう。
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ちなみに、日々の生活費を稼ぐためにする仕事を、「ライスワーク」と呼んだりもします。これに対して、「ライフワーク」は、自分の情熱や心の声に従って、主体的に取り組む仕事や、活動というニュアンスが強い言葉です。一文字違うだけで、かなり意味が違うのも面白いですよね。
ライフワークの言い換え表現は？
ライフワークの言い換え表現は、どのようなものがあるのでしょうか？ ライフワークに近い言葉として、「天職」という言葉がありますよ。天職は、読んで字のごとく、「天から授かった職業」です。なんだか壮大なイメージの言葉ですよね。
なお、天職は、生まれ持った才能や資質を活かすことができるという意味を含むことも。例えば、「その仕事は、あなたの天職なんじゃない？」などのように、人から才能を認められて言われることもあるでしょう。
一方、ライフワークは、才能や資質より、その人の情熱や、関心に沿ったこととして使われることが多い言葉です。例えば、「『万葉集』の研究をライフワークにしています」など、心から自分がやりたいと思っていることを、ライフワークと言うことが多いでしょう。
ライフワークバランスとは？
近年、働き方改革などの影響で、「ライフワークバランス」という言葉を耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか？
そこで、ここからはライフワークバランスの意味を見ていきましょう。まず、ライフワークバランスとは、生活と仕事の調和のこと。一生涯の仕事という意味の「ライフワーク」とは、少し意味が違いますね。ですので、意味を混同しないよう、単語と単語の間に点をつけて、「ライフ・ワーク・バランス」という書き方がされていることもありますよ。
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生活（ライフ）と仕事（ワーク）の調和と言っても、どのくらいの時間の割合なのかは、人によって様々でしょう。「生活と仕事は必ずこの割合でなければいけない」ということはありません。その人がどんな人生を送りたいかなど、価値観によって生活と仕事の割合は、変わってきますよね。
ですが、自分の健康を犠牲にして、連日深夜まで働き続けるというのは、生活と仕事のバランスが上手くとれているとは、言いにくいのではないでしょうか？ 実際に、長時間労働によって、心や体の病気につながってしまう事例や、最悪の場合、過労死などのように、命を落としてしまう事例もあります。
また、働く時間の問題だけでなく、育児や介護、病気の治療など、様々な事情がある人も。 このような事情がある中でも、生活と仕事のバランスを取りつつ、生き生きと仕事をできる状態として、ライフワークバランスが重要視されてきているとも言えるでしょう。
ちなみに、東京都は、ライフワークバランスに配慮した取り組みをしている会社を、「東京ライフワークバランス認定企業」として紹介しています。例えば、育児や家族の介護などに使える独自の有給休暇制度を導入している会社や、プロジェクトが終わった後にまとまったお休みを取りやすくしている会社など、いろいろな事例がありますよ。
なぜライフワークバランスが注目されているの？
近年ライフワークバランスが重要視されてきているのは、日本の少子化や、人口減少などの背景があると言われています。若い世代がどんどん少なくなれば、やはり働き手も不足する可能性が高いですよね。
こういった社会背景の中、「子育てと両立できないから、働きたくても働けない」や、「病気の治療や家族の介護をしながらでは、仕事が続けられないので、辞めるしかない」となるとどうでしょうか？ 人手不足や少子化、人口減少にさらに拍車がかかってしまう可能性が高いですよね。
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そのため、子育てや家族の介護、病気の治療など、何かしらの事情がある人も働きやすい環境づくりや、健康的に仕事ができるような働き方が注目されてきています。
なお、ライフワークバランスは、生活や人生と仕事、どちらもバランスよく充実している状態ですので、単に「プライベートを優先しよう」ということではないという点も、おさえておきたいポイントですね。
参考：東京都ライフ・ワーク・バランス「東京ライフ・ワーク・バランス認定企業」
ワークライフバランスとライフワークバランス
ライフワークバランスと似た言葉に、「ワークライフバランス」という言葉があります。「ライフワークバランスとワークライフバランスは、どっちが正しいの？」や、「ライフワークバランスとワークライフバランスの違いは何？」という疑問をお持ちの方も、いらっしゃるかもしれません。
まず、一般的には、「ワークライフバランス」と「ライフワークバランス」は、仕事と生活のバランスや調和という意味で、大きく違いはないと言えます。ただ、「ワーク」と「ライフ」どちらが先かという点で、やや違いがあるとも言えるでしょう。
例えば、「ライフワークバランス」は、「まず人生や生活を大切にしよう」というメッセージが込められていることも。東京都では、このような考え方のもと、あえて「ライフワークバランス」という言葉を使っているようです。もちろん、どちらが正しいということはなく、考え方や優先度の違いということですね。
最後に
この記事では、ライフワークや、ライフワークバランスの意味や使い方、ワークライフバランスとの違いなどを解説しました。仕事と関連が深く、働く上で重要なキーワードですので、おさえておきたい言葉です。
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執筆
塚原社会保険労務士事務所代表 塚原美彩（つかはら・みさ）
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。趣味は日本酒酒蔵巡り。
事務所ホームページ：塚原社会保険労務士事務所
ライター所属：京都メディアライン
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