「体調が思わしくない」の正しい意味とは？言い換えや使い方を解説

「体調が思わしくない」の意味と使い方

「体調が思わしくない」について「意味は何となく分かるけれど、いまいち自信がない」という人もいるでしょう。正しい意味やビジネスにおける使い方、どの程度の悪化をいうのか見ていきます。

「体調が思わしくない」の意味

「体調が思わしくない」とは、どのような状態をいうのでしょうか？「思わしくない」は「思わしい」の否定形です。

「思わしい」は「思う」を形容詞化したもので、「好ましい状態である」「よい状態に思われる」ことを表します。

つまり「体調が思わしくない」は、体調が「よい状態に思われない、よくない」という意味です。一般的には、必ずしも深刻ではないものの、注意や受診が必要なくらいの体調不良を指していると考えられます。

「体調が悪い」とストレートに言わないのは、遠回しにすることで柔らかな主張にするためでしょう。たとえば、体調不良のため早退したいという希望を上司に伝えるときなど、目上の人に対する表現としてしばしば使われる傾向がみられます。

おもわし・い〔おもはしい〕【思わしい】
［形］［文］おもは・し［シク］《動詞「おもう」の形容詞化》
１ 好ましい状態である。よく思われる。現代では、多く否定の表現を伴って用いられる。「回復が―・くない」
「声にくからざらむ人のみなむ―・しかるべき」〈枕・四九〉
２ そう思われるようすである。
引用：小学館 デジタル大辞泉

「思わしくない」をよく使うシーン

ビジネスシーンで「思わしくない」がよく使われるのは、仕事の進捗状況や業績・評価、健康状態について報告する場面です。たとえば、以下のような例文が考えられます。

上司や取引先など、目上の相手に対してネガティブな内容を丁寧に表現できます。他に、天候や人間関係について使うことも可能です。

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「体調が思わしくない」の言い換え

「体調が思わしくない」の言い換えには、「体調が芳しくない」「体調が優れない」などが挙げられます。それぞれの意味を、例文と一緒に分かりやすく説明します。

体調が芳しくない

「思わしくない」と間違えやすい表現に、「芳しくない（かんばしくない）」があります。芳しいとは、もともと「においがよい、こうばしい」という意味で、ここから「好ましいもの、りっぱなもの」を表すようになりました。

その否定形である「芳しくない」とは「思い通りではない、調子がよくない、状態が悪い」という意味です。

「芳しくない」の方が「思わしくない」よりもやや悪い状態を表すとされることもありますが、両者はほぼ同じニュアンスで使われているようです。

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体調が優れない

「体調が優れない」も調子の悪さを伝える表現の一つです。何となく熱っぽい、だるくて悪寒がするといった具合の悪さがあれば「体調が優れない」といえるでしょう。

何となくいつもと違って元気がないといったメンタルの不調や、寝不足、精神的な不調などにも幅広く使える言葉です。

「芳しくない」ほどではありませんが、ややかしこまった表現といえるかもしれません。具体的な症状を表現しなくても意図が伝わる表現です。

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「体調が思わしくない」の口語的な言い換え

体調が「思わしくない」「芳しい」といった表現が固すぎてふさわしくないときは、よりカジュアルな言い回しも。

「体調が思わしくない」の口語的な言い換えには「具合が悪い」「調子が悪い」「体調がよくない」などが挙げられます。

いつも会う直属の上司や親しくしている目上の相手なら、ややくだけた表現の方がふさわしいかもしれません。あまりかしこまった言い方は、相手に距離を感じさせてしまいます。

「体調が思わしくない」と言われたときの返し方

職場の人間や取引先相手などに「体調が思わしくない」といわれたら、どう返事をすればよいのでしょうか。ビジネスにおいて、「体調が思わしくない」と言われたときの返し方を考えていきます。

養生なさってください

目上の人から「体調が思わしくない」と言われたときには、「養生なさってください」という言い回しが使えます。

相手のことを心配し気遣う気持ちと回復に専念（養生）してほしいという気持ちを伝えられる言葉です。

よく使われる「ご自愛ください」は、すでに病気やけがの人には不適切とされています。

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お大事になさってください

「体調が思わしくない」と言われたときには、「お大事になさってください」と返すのも一般的です。

「お大事になさってください」はすでに「お体を大切に」という意味を含むため、「お体をお大事になさってください」といった重複表現にならないよう注意しましょう。

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相手にプレッシャーを与えないように配慮する

けがや病気で仕事を休んでいる相手にメッセージを送るときは、注意しなければならないポイントがあります。

「一日も早い回復を待っています」「頑張ってください」というニュアンスは、相手を急かす意味合いにもなるので避けた方がよいフレーズです。

メールであれば返信不要である旨や、「お仕事のことは私たちが引き継ぎますので、ご心配なく養生なさってください」などと職場の進捗に問題がないことをあわせて伝えると、相手の負担を軽くできるかもしれません。