人柄が信頼できる
「上司のどんな点を尊敬していますか?(複数回答)」で1位だったのが、「人柄が信頼できる」。全体の62%が回答しているほど、職場では大事な要素。仕事のスキルはもちろん、その人のパーソナリティを部下はよく見ているのです!
リーダーシップがある、指示がわかりやすい
2位:リーダーシップがある 49%
3位:指示が分かりやすい 48%
こちらについては、どうでしょう。
回答の内訳をひもとくと、若手のほうが「わかりやすさ」や「知識・経験の豊富さ」を上司に求め、35歳以上の中堅は上司の「リーダーシップ」にひかれる傾向に。ということは、若い世代にあまり「グイグイ引っ張る」タイプのコミュニケーションをしすぎると、引かれてしまうこともありそう。上からではなく、「わかりやすく」「知っていることをシェアする」くらいのフラットなコミュニケーションがこれからの主流になりそうです。
決断力がある
4位:決断力がある・仕事に対する責任感がある 47%
上司の重要な任務のひとつは「決断すること」。けれど、「人柄」や「信頼」の答えのほうが上位にあるのは、いまどきの傾向かもしれません。とはいえ、必要なときには正しい決断を素早くできる力を求められるのが、会社というもの。ふだんは穏やかに、決めるときは決める!というメリハリ上司が理想像かもしれません。
視野が広い
5位:知識や経験が豊富 46%
広い経験と視野からのビジネスアドバイス、そしてときには人生のアドバイスができてこそ、理想の上司。特に若い世代から期待されている素養です。
仕事を楽しんでいる
ここまで出てきた要素にもうひとつ加えるなら、職場に楽しい雰囲気をつくれる人。仕事を楽しんでいる姿は、部下や周囲に伝わり広がるもの。それを率先してできるムードメーカーは、困難な状況も切り拓いてくれそうな期待が大。どよ〜んとした空気を職場に感じたら、率先して盛り上げ役になれる上司こそ理想の姿!
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コミュニケーション力で差がつく
求人サイト『エンバイト』が実施した「コミュニケーション能力」のアンケートによると、9割が「コミュニケーション能力は仕事に影響する」と回答。仲間でも上司でも、やっぱりコミュニケーション力は信頼をつなぐ要。さらに、その中身を見ていくと…。
話がわかりやすい
対上司を含め「相手のコミュニケーション能力の高さを感じる瞬間」の1位は、「話がわかりやすいとき」(59%)。部下への長々としたメールや、回りくどい言い方は嫌われる要因。わかりやすく、簡潔に伝えることは、仕事をする上での必須テクニックです。
面倒見が良い
「コミュニケーション能力の高さを感じる瞬間」で次に多かったのが、「話を丁寧に聞いてくれるとき」(46%)、「気落ちを察してくれるとき」(42%)、「誰に対しても興味・関心を持って接しているとき」(40%)。周囲の人に広く関心をもって接する姿は、信頼に直結します。もちろん、それが“うわべ”だけだったら、部下はすぐ見抜いてしまうもの。大事なのは、そこに「相手への関心があるか」ではないでしょうか。
部下の話に真剣に耳を傾ける
いざ部下が上司に相談したくても、忙しそうな上司を目の前にすると言い出せないこともあるでしょう。相談を受けたとき、部下の意見をひとまず聞き入れる姿勢が大事です。そして、注意や改善点を伝えるにしても、ちょっとした心がけがあれば、うまくいくもの。
「部下にものごとを伝えるときに必要になるのが、共感力です。『○○ができなくてヘコむのは、すごく共感できる。だけど、こうしたらもっとよかったのでは』と、いったん共感してからアドバイスを」
と話すのは、霜田里絵先生(銀座内科・神経内科クリニック院長)。「職場は共感力を磨く場であると考えましょう」という霜田先生の言葉は、働くすべての人に共通するメッセージです。
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上司になってほしい芸能人は?
毎年発表されている「理想の上司」ランキング。女性部門ではなんと8年連続で、ランキング1位・2位に異なるタイプのふたりの女性が君臨。そこから見えてくるのは?
1位:水卜麻美さん(アナウンサー)
2位:天海祐希さん(女優)
3位:いとうあさこさん(タレント)
4位:新垣結衣さん(女優)
5位:アンミカさん(タレント)
(参考:明治安田生命『理想の上司』アンケート2024より)
女性芸能人から理想像をイメージしよう
水卜麻美さんと天海祐希さんは、ともに2017年から8年連続1位・2位。「理想の上司像」として不動のポジションを築いています。
明治安田生命のアンケートによると、水卜麻美さんへの評価は「親しみやすい」が飛び抜けて高いよう。朝の情報番組で見せる飾らない笑顔や明るいキャラクターがそう感じさせるのでしょう。天海祐希さんは「頼もしい」「姉御肌」という点で支持を得ています。昨年6位からジャンプアップした3位のいとうあさこさんは、バラエティ番組などで見せる明るく場を盛り上げる姿から、親しみやすさや頼もしさを感じる人が多いようです。
個性は分かれるとしても、「親しみやすさ」「頼もしさ」「明るさ」は、理想の上司として求められている要素であることは間違いありません。すべてを完璧にもちあわせている人はいないけれど、そのうちどれかひとつでも自分の「強み」にしていくことは、理想の上司に近づく方法といえそうです。
「ただし、理想の上司を目ざしすぎて、周囲からの評価を気にしすぎないこと、短期的に結果を出そうと思わないこと。一度だめでも、力をつけて何度でもチャレンジするくらいの気持ちで!」(キャリアコンサルタント・新井千晶さん)
理想の上司になろうとしすぎないよう注意
理想の上司に近づくよう努力する際に避けたいのが、過度に意識しすぎること。マネジメントには、「こうしたら必ずうまく行く」という方法などありません。一朝一夕で理想の上司になれるはずはないのです。
また、自分が理想の上司に近づいたとしても、チームが上手く機能せず成長しないのであれば、本末転倒と言えるでしょう。一人で肩肘を張りすぎると、周囲は困惑するかもしれません。特に部下は戸惑ってしまい、萎縮してしまうということも。
そうなるとチーム内がギクシャクして、かえってパフォーマンスが下がる可能性があります。成果を出すには、職場の雰囲気がよいことが欠かせません。みんながのびのびと働くためにも、上司となる人は自然体でいたいですね。周囲に上手く頼りながら、上司としての経験値を上げることを意識してください。
最後に
「理想の上司」について紹介しました。理想の上司に近づくためには、さまざまなことを意識する必要があります。しかし、そればかり気にして、本来の目的を見失うのは避けたいもの。目的や目標を意識しながら、部下とのコミュニケーションを図りたいですね。理想の上司に近づくのは、すぐにできることではないかもしれません。上手く周囲に頼りながら、経験値を上げていってくださいね。
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