素直に言葉で伝える
感謝の伝え方はさまざまあります。シチュエーションに合わせて使い分け、丁寧に気持ちを伝えましょう。
たとえば、「おかげさまで助かりました」はビジネスシーンから日常生活まで幅広く使える感謝の言葉です。仕事を手伝ってもらったとき、子どもの面倒を見てもらったとき、捜し物を手伝ってもらったときなど、積極的に口にしてみましょう。
また、親しい友人や同僚などには「○○してくれて助かったよ」と伝えるのもおすすめです。具体性があって、より強い感謝の気持ちを示せます。
ただし、いずれの場合も「ありがとう」は必須です。感謝の気持ちを感じたら、まずはありがとうから始め、その後より具体的な感謝の言葉を述べましょう。
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手紙を書いて渡す
感謝の気持ちを口に出しにくいときや、より丁寧に伝えたいときは、手紙を書いて渡すのも有益です。
中には、「手間がかかって面倒」「今の時代にアナログすぎる」と感じる人もいるかもしれません。しかし「手間暇をかけて相手に感謝の気持ちを伝えること」、それ自体に意義があります。受け取った相手は、あなたがわざわざ手紙を書いてくれたことを嬉しく思い、好感を抱くはずです。
ただ、手紙を書く際はマナーにも注意しなければなりません。言葉使いや誤字脱字に気を付けるのはもちろん、宛名の書き方についても失礼がないよう注意しましょう。
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ちょっとした贈り物をする
感謝の気持ちをストレートに伝えるなら、ちょっとした贈り物をするのもおすすめ。相手に気持ちが伝わりやすく、言葉だけよりも丁寧な印象となります。
ただし、注意したいのが贈り物の金額と品物の選び方です。金額相場は「ちょっとしたお礼」「あらたまったお礼」で異なるので、事前に妥当な金額を調べておくようにしましょう。
また、品物を選ぶ際は相手の好みを調べておくことが大切です。好みからあまりにも外れた贈り物は、かえって失礼になります。どうしても好みが分からないときは、一般受けしやすい食べ物や、使い勝手のよいタオルなどを選んでみてはいかがでしょうか。
【Domani編集部の体験談】ビジネスシーンでの適切な伝え方
実際のビジネスシーンで感謝の気持ちを伝える場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。Domaniの編集者たちの成功・失敗談を踏まえつつ、感謝の気持ちの伝え方を見ていきましょう。
【episode1】何に対して感謝をしているかも具体的に伝えることが大切
Domani編集部 T氏(35)
若手時代、大規模プロジェクトの資料作成を任されたときのことです。私は締め切り直前に致命的なデータミスを発見し、パニックになりながら上司に報告しました。すると、上司は私のミスを責めることなく、深夜まで残って修正を手伝ってくれたんです。翌朝、完成した資料と共に「よく頑張ったね」と言葉をかけてもらい、私は心底救われました。私はただ「ありがとうございます!」とだけ伝えましたが、上司は「何がどう助かったか具体的に教えてくれると、私も次からどうすればいいかわかりやすいよ」と教えてくれました。この経験からu003cstrongu003e「何に対してどう助けられたか」を感謝の言葉とセットで話すことで、相手に気持ちがより深く伝わり、次の協力につながるu003c/strongu003eことを学んだのです。
【episode2】よく使いがちな「すみません」では感謝の気持ちが伝わらない
Domani編集部 N氏(40)
私が管理職として部下を指導する中で、よく耳にするのが「すみません」という言葉です。ある若手社員は、私が彼女の仕事を少し手伝った際も、資料を渡す際も「すみません」を連発していました。私は彼女に「助けてもらったときは『すみません』ではなく、『ありがとうございます』でいいんだよ」と伝えました。「すみません」は謝罪の言葉であり、心からの感謝は「ありがとうございます」で伝えることが大切です。u003cstrongu003e感謝すべき場面で「すみません」を使うと、相手に不必要な遠慮や引け目を感じさせてしまう可能性があります。u003c/strongu003e
感謝の気持ちを表す言葉
続いて、感謝の気持ちを相手に伝えたいとき、どんな言葉を使用すべきかを紹介していきます。状況や相手との関係性を踏まえて、適切な言葉を選んでみてください。
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」は、ビジネスシーンで最も一般的な感謝の言葉です。汎用性が高く、相手との関係性に関わらず使用できます。過去のことへの感謝を伝える際は「ありがとうございました」と過去形にしましょう。
例文
・この度は資料作成をお手伝いいただき、誠にありがとうございます
・先日はお話しを伺う時間をいただき、大変ありがとうございました
「感謝申し上げます」
「ありがとうございます」よりも、かしこまった場面やビジネスメール・文書で感謝の気持ちを伝える際に適した表現です。相手への感謝の気持ちをストレートに伝えることができるでしょう。よりフォーマルな言い回しとして「御礼申し上げます」もあります。
例文
・ご多忙の中、貴重なご意見を賜り、心より感謝申し上げます
・平素より格別のご高配を賜り、御礼申し上げます
「大変恐縮です」
「大変恐縮です」は相手の配慮や好意に感激し、身の引き締まる思いを表す言い回しです。相手への感謝だけでなく、配慮や謙遜の気持ちを伝えられる丁寧なクッション言葉として使用されます。
例文
・このような素晴らしい機会をいただき、大変恐縮です
・ご配慮いただき、大変恐縮です
こんなふうになってない? 感謝できない人の特徴
普段の生活を振り返ったとき、「感謝した出来事を思い出せない…」という人は、「感謝できない人」になっている可能性があります。まずは、感謝できない人がしがちな思考パターンと自分のケースとを比べてみてはいかがでしょうか。
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してもらうことを当然だと思っている
何かしてもらっても「当然だ」と思っていれば、感謝の気持ちは湧いてきません。人が施してくれた好意に気付けず、相手をがっかりさせている恐れがあります。
たとえば、家庭でパートナーや子どもに対し「あれをしてくれない」「これをしてくれない」と不満を覚えることも、ときにあるかと思います。しかし、パートナーや子どもが何かしてくれたとき、きちんと「ありがとう」を伝えているでしょうか。
感謝の言葉は、モチベーションにつながります。「やってもらって当たり前」でお礼の一言もないならば、それが家族を「手伝いたくない」と思わせているのかもしれません。
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何事も否定的に捉える
ネガティブ思考に支配されやすい人も、感謝の気持ちを抱きにくくなります。
ポジティブに考えられない人は、他人の好意を素直に受け止められません。「何か裏があるのでは」「ほかのお願いの前フリでは」などと考えてしまうため、純粋な好意さえ疑ってしまう可能性も。感謝の気持ちを抱くどころではなく、相手に対して疑心暗鬼になってしまうのです。
また、自己肯定感の低すぎる人も他人の好意に感謝しにくいでしょう。感謝の気持ちよりも、「私なんかを気にかけてもらって申し訳ない」という卑屈な気持ちが湧いてきて、「ありがとう」が言えません。そのような人は、感謝の気持ちを伝えるべき場面でもタイミングを逃しがちです。
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よくある質問
ビジネスシーンでの感謝の伝え方について、よくある質問を紹介していきます。
Q. 「感謝の気持ち」とは、どういう意味ですか?
「感謝の気持ち」とは、他人から何かしてもらったことや親切にしてもらったことに対して「ありがたい」と感じる気持ちです。具体的には相手に助けてもらったときや配慮してもらったとき、贈り物をされたときなどが、感謝の気持ちが生まれやすい場面とされます。
Q. 「感謝の気持ちを忘れずに」の意味は?
この言葉には、他人からの親切や助けに対していつも「ありがたい」という心を持ち続けるべき、という意味があります。ただ単に「ありがとう」と伝えるだけでなく、相手からの配慮や行動への感謝を意識し続けることが大切だと表現しているのです。
Q. 「感謝の気持ちでいっぱい」の言い換え表現は?
「感謝の気持ちでいっぱい」は、相手への感謝をストレートに示せる言葉です。しかし、ビジネスシーンで使用するなら「心より感謝申し上げます」「深く感謝いたします」「大変ありがたく存じます」といった表現に言い換えたほうがいいでしょう。フォーマルでより丁寧な印象を相手に与えられます。
Q.「感謝の気持ち」を英語で言うと?
「Feeling of gratitude」「Appreciation」といった英語表現があります。日常的でカジュアルな表現だと「Thanks」「Thankfulness」が挙げられます。
最後に
- 「ありがとうございます」はビジネスシーンの幅広い場面で使用できる汎用性の高い表現
- フォーマルな表現にするなら「感謝申し上げます」「御礼申し上げます」「大変恐縮です」
- 形式的に言葉を伝えるだけでなく、相手への配慮や行動へ具体的に感謝を示すことが重要
ビジネスシーンでも日常生活でも、他人からの親切や配慮を当たり前と思わず、いつも感謝の気持ちを持ち続けることが大切です。また、感謝の気持ちは相手へ積極的に伝えることで、今後のさらなる協力を得られたり信頼関係が構築されたりします。
「ありがとうございます」という一般的な表現に加えて、フォーマルな場面では「感謝申し上げます」「御礼申し上げます」「大変恐縮です」といった表現も使い分けてみましょう。形式的に感謝の言葉を伝えるのではなく、相手のどのような配慮や行動へ感謝しているのかを具体的に説明するのがおすすめです。そうすることで、感謝の気持ちがより伝わりやすくなりますよ。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。https://domani.shogakukan.co.jp/