臨床心理士から見た〝人たらしな性格〟の魅力となるポイント
「人たらしの特徴として、天真爛漫さ、ゆるさ、お調子者、甘え上手、忖度のなさ、自由気まま、などが挙げられます」(吉田さん)。
「私たちは普段、大人として責任あるふるまいをするように周りから求められますし、自分を律します。人たらしな人は、その逆のふるまいで、わたしたちの心を惹きつけるのですよね。羨ましく感じたり、自分はできないけど一緒にいると楽しい、場を明るくしてくれるなどの理由で、人たらしな人が好かれるのだと思います」(吉田さん)。
【反対派】人たらしな性格が嫌いという人が「イヤ」と感じるポイント
・本心がわからない
・信頼できない
・媚びている
・言葉が嫌
・馴れ馴れしい
・八方美人
・いい加減そう
・自分のことは棚に上げる
・人に甘えている
・嫌らしい
・態度が変わる
・都合がいい
人たらしな性格が嫌いな人の回答には、「何となく何を考えているかわからないし、怪しいから」 (30代・愛知県・子ども1人)、「人に媚びている感じがして、八方美人な感じが苦手」(40代・石川県・子ども1人)、「馴れ馴れしい態度で人を騙していそうな雰囲気」(40代・栃木県・子ども1人)などと相手への不信感が見える回答に。
臨床心理士から見た〝人たらしな性格〟がダメだと感じるポイント
「魅力であるポイントの裏返しがダメなポイントです。幼さ、適当さ、無責任、自分勝手さ、秩序を乱すなど、大人としてあり得ない特徴が嫌と感じるのだと思います」(吉田さん)。
「私たちが日頃、ちょっと大変だなぁと思いながらも心がけ、努力していることの真逆の態度にイライラさせられたり、こちらが損をしている気持ちにすらさせられてしまうと思います。人たらしが嫌いな人の心理としては、『こっちはきちんとやってるのに、なんでそんなふざけられるの!?』と理不尽さが出てきてしまうのではないでしょうか」(吉田さん)。
実は「人たらし」は重要な存在だった!?
「人たらしな人は、社会の中の潤滑油のような存在です。例えば、頑固な上司と無能な部下、相反する人同士の間を、その天真爛漫さで上手く繋ぎあったり、忖度のない言動によって、派閥の違うママ友グループの橋渡しになることも。長所を享受し、短所はおおらかな目で、うまく付き合えるといいですね」(吉田さん)。
取材・文/福島孝代
写真/(C)Shutterstock.com
臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
HP
Twitter: @hakoniwasalon
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