■乾燥機を使う
高温の風を当てて衣類を乾かす乾燥機も、嫌な臭いを取り除くのに有効です。全自動洗濯機で乾燥機能付きの機種もありますが、家庭によっては乾燥機がないかもしれません。その場合は、コインランドリーを活用しましょう。
家庭用乾燥機の温度は最大でも60℃前後ですが、コインランドリーは80~120℃の熱風で衣類を乾かすため、効果的に雑菌除去ができます。また、家の洗濯機がドラム式であれば、コインランドリーと同じ効果が得られます。
それでも取れない臭いの対処法
熱を利用しても、バスタオルの嫌な臭いが取り切れない場合もあります。その場合はどのように対処すると、染み付いた悪臭を除去できるのでしょうか?
■漂白剤でつけ置き洗いをする
できるだけ簡単な方法で臭いを取りたい場合は、「漂白剤」でつけ置き洗いをするのがおすすめです。嫌な臭いを生み出す雑菌を除去するだけでなく、日常の洗濯では落ちなかった頑固な黄ばみや黒ずみまできれいにできるはず。洗い方は以下の通りです。
・洗濯1回分量の漂白剤を、50~100℃の湯に溶かす
・バスタオルを1~2時間、つけ置きする
・つけ置いていた液体と一緒に、バスタオルを洗濯する
液体の漂白剤は弱酸性のため、より強力な効果を得たい場合は粉末の「酸素系漂白剤」を使用します。しぶとく残る臭いの元である「モラクセラ菌」を含めた雑菌は熱に弱く、アルカリ性を持つ粉末の酸素系漂白剤が有効です。酸素系漂白剤は温水でより効果を発揮するため、つけ置きに使用する湯の温度は40~60℃が適温です。
■鍋で煮洗いする
前述したモラクセラ菌は、人間の皮ふや体内に存在する常在菌の一種で、乾燥や紫外線に強い菌と言われています。しかし熱に弱いため、バスタオルを鍋で煮洗いする方法も、嫌な臭いを元から取り除くの役立ちます。煮洗いのやり方は以下の通りです。
・鍋に水を入れ加熱する
・60℃以上になったら、タオルを直接鍋へ入れる
・鍋底にタオルがくっつかないよう様子を見ながら、20分ほど弱火にかける
・鍋からタオルを取り出して、洗濯する
モラクセラ菌は60℃以上のお湯に20分程度つけると死滅するため、それよりも湯温が下がらないよう気を付けましょう。沸騰した湯では生地が傷む可能性があるため、差し水などをして温度をキープしてください。洗濯の際は、高熱で傷むタオル地がふわふわになるよう、柔軟剤の併用がおすすめです。
■重曹でつけ置き洗いをする
「漂白剤では色落ちが心配」「高熱で煮るとタオルが傷みそう」と感じる場合は、「重曹」でつけ置きする方法がおすすめ。重曹なら赤ちゃんのいる家庭でも安心して使えます。手順は以下の通りです。
・40~50℃の湯を準備し、湯の量10Lに対して大さじ1の重曹を溶かす
・バスタオルを30分~1時間つけ置きする
・つけ置き液から取り出し、通常通り洗濯する
重曹は弱アルカリ性で、臭いの他に皮脂や油汚れを落とすのにも有効です。100均でも購入できて掃除用の洗剤としても使えるため、持っていて損はないはず。
臭いを予防するポイント4点
普段からバスタオルの取り扱いに気を付けていれば、嫌な臭いは発生しにくくなります。どのような点に注意しておくと良いのでしょうか?
■できるだけ洗濯物はためない
臭いを発生させないためには、洗濯物はなるべくためず、こまめに洗うよう心がけましょう。できれば「1回バスタオルを使用したらすぐ洗う」のが理想です。「バスタオルは、お風呂後のきれいな体を拭くから汚れないはず」と考える人もいます。しかしお風呂では、必ずしも皮ふの汚れや皮脂が完璧に落ちているわけではありません。
また、洗濯後のタオルを比較的湿度が高い脱衣所に干すと、雑菌を繁殖させて臭いの原因になります。使ったバスタオルはできるだけすぐに洗濯をし、短時間で乾かすのがベストです。
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■お風呂の汚れた残り湯は使わない
節水のために、洗濯に「残り湯」を使用する家庭もあります。残り湯は温度が高いため、汚れを落とすのに効果的ですが、これは「汚れていない残り湯」の場合のみです。汚れた残り湯を使うと、湯内の汚れや菌と一緒に洗濯物を洗うことになるため、嫌な臭いの原因になりえます。例えば5人入浴して一晩たった残り湯は、入浴直後の状態と比べると400倍の細菌が存在するとも言われています。
残り湯を使うことは決して悪いことではありませんが、入浴直後なるべくすぐに洗濯に使いましょう。また「洗い」の段階までの利用に留め、「すすぎ」は清潔な水道水にすれば雑菌の繁殖を防げます。
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■干し方を工夫する
バスタオルは厚みがあり、干し方に工夫が必要です。ポイントは「空気に触れる面積をできるだけ大きくする」ことです。洗い上げたバスタオルはできるだけ早く広げ、洗濯によって倒れた繊維を立ち上げるよう、全体を大きく振ります。こうすることで、空気に触れる面が広くなります。その後、バスタオルの面が重ならないよう干しましょう。2つに折って干す場合は、均等ではなく長さをずらして干します。
雑菌の繁殖を防ぐためには「素早く乾かす」のもポイントです。天日干しなら、太陽の熱で乾きやすく、紫外線による殺菌効果も期待できます。一方、水分が飛びすぎたりタオルの繊維が傷んだりして、タオルの肌触りが硬くなることもあるため、乾いたらすぐに取り込みましょう。
■洗濯槽を定期的に掃除する
洗濯槽が汚れていると、洗濯物に汚れや雑菌を付けてしまいます。そのため洗濯槽は定期的に掃除し、臭いの原因を寄せ付けないようにしましょう。洗濯機の汚れの原因は、洗った衣類から出たほこりや溶け切れずに残った洗剤、そして洗濯機内に発生するカビです。洗濯機用クリーナーや重曹で簡単にケアできるため、1カ月に1回を目安に行いましょう。
縦型の洗濯機は、洗濯槽に湯と酸素系洗剤や重曹を入れつけ置きし、その後洗濯機を回せば完了です。
ドラム式洗濯機は構造上、酸素系洗剤でつけ置きができないため、ドラム式洗濯機用クリーナーを入れ、洗いから脱水まで行います。掃除後は洗濯機のふたを開けて内部を乾燥させてください。
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