Contents
【目次】
キッチンの代表的な汚れ
キッチン掃除は、付着する汚れの種類を知っておくと対処しやすくなります。キッチンの代表的な汚れを見ていきましょう。
水垢
シンクや蛇口部分に付着している白いうろこ状の汚れは「水垢」です。食器を洗ったあとに、きちんと水を拭き取らずに放置していると頻出します。
水道水に含まれるミネラルやカルシウムが原因で、水を使うたびに蓄積し、白い塊となってこびり付きます。頑固な汚れになる前に、きちんと落とすことが大切です。
水垢はアルカリ性の汚れなので、酸性の洗剤を使うと落ちやすくなります。ナチュラルクリーニングの代表的な洗剤「クエン酸」も酸性です。
油汚れ
コンロ周りで目立つ「油汚れ」は、調理中の油跳ねが主な原因です。油を使った料理をすると小さな油粒が飛び散り、換気扇や壁紙、床などへ付着します。
キッチン汚れの中でも特に手ごわい汚れで、すぐに拭き取れば簡単に落ちますが、放置すると油分が酸化します。
ホコリが付くと固まり、頑固な汚れに変わってしまうため、容易に落とすのは困難です。
軽い油汚れなら、台所用の中性洗剤でも問題はありません。しかし、頑固な油汚れにはアルカリ性の洗剤を使いましょう。「重曹」も効果的です。
排水溝のぬるぬる
排水溝の周辺には、食品のカスや油汚れなどに水分が加わった「ぬるぬる汚れ」が付着します。
このぬるぬるの原因は、繁殖したカビや雑菌です。放置すると悪臭が発生したり、ひどい場合は排水溝が詰まったりします。
ぬるぬる汚れをきれいにするには、塩素系の洗剤がおすすめです。除菌効果もあり、徹底的に菌を取り除いてくれます。
また、カビや雑菌は生ゴミを処理する三角コーナーにも頻出します。排水溝の周辺を掃除するときは、三角コーナーも一緒にきれいにしておきましょう。
食べ物、石けんカス
調理中のコンロや床には調味料がこぼれたり、食材が落ちたりすることがあります。放置していると変色する恐れもあるので、水拭きなどですぐに処理しましょう。
また、シンクに付着しやすいのが石けんカスです。食器を洗うときに使う中性洗剤が原因で、水垢の白い汚れとよく似ています。
石けんカスは酸性の成分が多いため、水垢に有効な酸性の洗剤では落とせません。アルカリ性の重曹を使うと、汚れを浮かして落としやすくなります。
キッチン掃除の頻度はどれくらい?
家事・仕事・育児をこなしていると「キッチン掃除まで手が回らない…」という人も少なくありません。そもそもキッチン掃除はどのくらいの頻度が適切なのでしょうか?
キッチン掃除のタイミングやポイントについて解説します。
最低でも週に1回は掃除をしよう
毎日使うキッチンは汚れがたまりやすい場所。最低でも1週間に一度は、シンクやコンロ周りをきれいにしたいところです。
平日は忙しくて掃除の余裕がないママも、週末なら時間が取れることもあるでしょう。キッチン掃除の曜日や時間を決めて、スケジュールに組み込んでしまうのがおすすめです。
キッチンは汚れが蓄積するほど手間がかかります。頑固な汚れになってしまった場合には、専用洗剤の購入も必要に。
短時間でも少しずつ掃除をしておけば、汚れがひどくならずに済みます。
汚れたらすぐに掃除を
キッチン掃除を面倒にしないコツは、汚れたまま放置しないことです。どんな汚れも、早い段階なら比較的簡単に落とせます。
「汚れたらすぐにきれいにする」を徹底しておけば、掃除がストレスになることもありません。
また、食器を洗ったあとに以下の掃除を行えば、シンクに汚れがたまりにくくなります。
・台所用の中性洗剤でシンク全体と排水溝をざっと洗う
・水滴をきれいに拭き取って水垢になるのを防ぐ
食器洗いのついでに行えるので、さほど時間はかかりません。「わずかな手間が大掃除の手間を省く」と考えて、前向きに取り組みましょう。
キッチン掃除で活躍する道具
「わずかな時間さえ惜しい」というワーママは、便利な道具をそろえてキッチン掃除を効率化しましょう。
キッチンの手ごわい汚れと対抗するときに、用意しておきたい道具を紹介します。
ゴム手袋
キッチン掃除にはゴム手袋の装着が必須です。不衛生な汚れが付着したり、洗剤によって手が荒れたりする心配がありません。
また、ゴム手袋をしていると、水の冷たさが気にならないのもメリットです。冬でもお湯を使う必要がなく、光熱費の節約につながります。
掃除に使うゴム手袋はどんなものでも構いませんが、掃除方法や洗剤の種類によって厚みを変えるのがベターです。
例えば、細かい作業が必要な掃除には、素手に近い薄手の手袋がよいでしょう。ひどい汚れを掃除したり、強力な洗剤を使ったりするときは、厚手の手袋だと安心です。
なお、ゴム手袋は「天然ゴム」「合成ゴム」の2種類があります。普通の掃除であれば安価で入手しやすい天然ゴム、より強度がほしい場合は合成ゴム、と使い分けるのがおすすめです。
スポンジ、クロス類
キッチンのあらゆる汚れに対処するには、スポンジ、クロス類も必要です。一般的なスポンジをはじめ、ふきん、手ぬぐい、雑巾などを基本道具としてそろえておきましょう。
また、ひどい汚れを掃除するときは、使い捨てできるクロス類があると重宝します。
古い布や着用しなくなったTシャツを使いやすい大きさにカットして、仕上げの磨き用やから拭き用として活用しましょう。
焦げやこびり付いた汚れを落とすときは、研磨できるスポンジやクロスが必要です。固まった汚れに有効なメラミンスポンジや、使い古したナイロン製のボディタオルなども役立ちます。
キッチン掃除で活躍する洗剤
キッチンの汚れは、主に「酸性」と「アルカリ性」の2種類です。それぞれの汚れに適した成分の洗剤をそろえておけば、頑固な汚れも簡単に落とせます。
効率的な掃除を目指すワーママこそ準備しておきたい、おすすめの洗剤を紹介します。
クエン酸
今やナチュラルクリーニングの代表的な洗剤でもある「クエン酸」は、文字通り酸性の性質を持っています。
揮発性がないため、酸性にありがちなツンとくる臭いはありません。気軽に使いやすく、キッチンに常備しておきたいアイテムです。
クエン酸は、アルカリ性の汚れと相性がよく、水垢、石けんのカス、ポットに付着した白いミネラル汚れのような汚れに効果を発揮します。
また、クエン酸と重曹を組み合わせると、ぶくぶくと泡が立ちます。発生した泡は汚れを剥がす効果が高く、キッチンのさまざまな場所の掃除に使えます。
セスキ炭酸ソーダ
炭酸水素ナトリウム(重曹)と炭酸ナトリウムを合わせたものが「セスキ炭酸ソーダ」です。長期保存しやすく安全性も高いので、洗剤を使いたくない場所の掃除に適しています。
セスキ炭酸ソーダの特徴は、弱アルカリ性で酸性の汚れと相性がよいことです。コンロ、ガスレンジの汚れ、ステンレスの曇り取りなどに効果を発揮します。
また、水に溶けやすいこともセスキ炭酸ソーダの特徴の一つ。空いているスプレーボトルに水を入れ、セスキ炭酸ソーダを溶かすと、あらゆる場所に吹きつけて使えます。
酸性汚れのイヤな臭いを中和するともされ、排水溝や三角コーナーにシュッとひと吹きすれば、消臭効果が期待できます。
重曹
「重曹」は炭酸水素ナトリウムという物質で、人体や環境に及ぼす影響がほぼなく、安全性が高いことが特徴です。ナチュラルでエコな掃除をしたい人、小さな子どもや赤ちゃんがいる家庭でも気軽に使えます。
重曹の性質は弱アルカリ性のため、酸性の汚れと好相性です。ただしセスキ炭酸ソーダほどアルカリ性は強くありません。
頑固な汚れを落としたい場合は、熱を加えてアルカリ度を上げるのがおすすめです。
重曹は柔らかい粒子を持っているため、傷を付けにくい研磨作用があります。水を加えてペースト状にすれば、シンクを磨いたり焦げを落としたりするときに重宝します。
キッチンの場所別の掃除方法
キッチンの汚れは、場所によってさまざまです。効率的な掃除をするためには、それぞれの場所に合った洗剤や掃除方法を知る必要があります。
キッチンの掃除方法について、場所別に見ていきましょう。
シンク
シンクの水垢、石けんカス、ぬるぬる汚れは、以下のアイテムで掃除できます。
・水垢:クエン酸スプレー(500mlの水に大さじ1杯のクエン酸を入れたもの)
・石けんカス:重曹
・ぬるぬる汚れ:重曹とクエン酸、または塩素系洗剤
水垢にはクエン酸スプレーをまんべんなく噴霧し、1~2時間放置します。その後スポンジでこすれば、白いうろこ状の汚れがきれいに落ちます。
石けんカスは、汚れ全体に重曹を振り掛け、30分から1時間ほど放置します。時間が経ったらこすり洗いをして、水で流せば完了です。
ぬるぬる汚れは、重曹+クエン酸の発泡作用で落とすのが効率的です。まず排水溝全体に重曹を振り掛け、クエン酸小さじ1杯を溶かした熱湯1カップを注ぎます。泡がぶくぶく立った状態で30分放置したら、最後に流せばOKです。
ガスコンロ
ガスコンロの周辺は、食品カス、油汚れ、焦げなどの酸性汚れが付きやすいため、アルカリ性の重曹を使います。
まずは水100ml に小さじ1杯の重曹を入れ、重曹水を作っておきましょう。軽い汚れであれば、重曹水をスプレーしてスポンジでこすれば落とせます。
汚れがこびり付いている場合は、浸け置き掃除がおすすめ。五徳やバーナーキャップ、排気カバーなどを重曹水に浸け、30分以上放置しましょう。汚れが浮いてきたらスポンジやブラシでこすれば、簡単にきれいにできます。
また、魚焼きグリルも、浸け置き掃除が有効です。グリルの網と受け皿をしっかり浸せる、大きめの桶やバケツを用意しましょう。それでも入らない場合はゴミ袋を2重にし、重曹水を注ぎ入れてもOKです。
コンロ周りの壁の油汚れを「ラップ」+「ドライヤー」で撃退する方法【大掃除前にシルバーウィークに〝中掃除〟】 | Domani
換気扇
換気扇には、油汚れとホコリが混ざった頑固な汚れが付着しています。重曹またはセスキ炭酸ソーダの溶液を作り、浸け置き洗いするのがベターです。
浸け置き洗いするときは、換気扇と付属の部品が入る大きさのゴミ袋を用意します。その後、お湯と重曹またはセスキ炭酸ソーダを入れましょう。
換気扇と付属の部品をしっかり浸して、1~2時間程度放置すると頑固な汚れが浮き上がります。汚れている部分を歯ブラシやスポンジでこすれば完了です。
なお、取り外せない部分は重曹水のパックがおすすめです。キッチンペーパーなどに重曹水を染み込ませ、汚れの上に貼り付けておきましょう。しばらくすると汚れが浮き上がり、こすっただけできれいになります。
冷蔵庫、電子レンジ
冷蔵庫や電子レンジには、こぼれた食材や調味料が付着しがちです。主に酸性の汚れなので、重曹を使って掃除をしましょう。
掃除の際は、スプレーボトルに水100ml に小さじ1杯の重曹を入れて、重曹水を作ります。冷蔵庫内や電子レンジ内にスプレーし、きれいに拭き上げれば完了です。
重曹が食品特有の臭いを中和するので、見た目はもちろん、臭いまですっきりします。
冷蔵庫も電子レンジも、雑菌が繁殖しやすい場所です。掃除が終わったらアルコールスプレーをシュッとひと吹きして、除菌もしておきましょう。
キッチン掃除のコツとは?
キッチン掃除を効率よく行うのであれば、自己流はおすすめできません。忙しいワーママだからこそ、ポイントを押さえたキッチン掃除で、簡単・きれいを目指しましょう。
キッチン掃除に取り掛かる前に、覚えておきたいコツを紹介します。
強くこすらない
水垢や油汚れなど、キッチンには頑固な汚れがたくさんあります。「早く落とそう」と力が入る気持ちも分かりますが、ゴシゴシこするのはNGです。
強い力で摩擦を与えると、キッチン自体を傷めてしまう恐れがあります。
例えば、シンクを研磨剤でゴシゴシこすると、細かい傷が入ったりコーティングが剥がれたりします。傷が付いた部分に水が入るとサビやすくなるので、きれいになるどころではありません。
汚れをゴシゴシこするのではなく、重曹やセスキ炭酸ソーダなどを利用して「浮かせて落とす」ことを心掛けましょう。
素材に合わせて洗剤を変える
キッチン掃除は、掃除場所の素材に合った洗剤を使うようにしましょう。素材と洗剤の相性が悪いと、汚れが落ちにくいことはもちろん、傷みや腐食の原因となることが少なくありません。
例えば、アルミ製の部分にアルカリ性の洗剤を使うと、腐食しやすくなります。一方、ステンレス製に塩素系洗剤を使うとサビが発生しやすくなるので注意が必要です。
このほか、人工大理石に中性洗剤やクリームクレンザーを使うと曇りやすくなります。
また、表面にコーティングが施されているものにアルカリ性の洗剤を使うと、コーティングが剥がれやすくなるので気を付けましょう。
キッチン掃除は業者に依頼するのもおすすめ
「キッチン掃除は1週間に一度はすべき」とはいえ、ワーママならそれさえも難しい場合もあるかもしれません。
汚れていくキッチンがストレスになる前に、キッチン掃除を業者に依頼してみてはいかがでしょうか。
キッチン掃除を業者に依頼するメリットや費用、選び方などを紹介します。
業者に依頼するメリット
自分でキッチン全体をきれいにしようとすると、かなりの時間や労力が必要になります。仕事で疲れて帰ってきて、今度はキッチンで一働きでは、ママのストレスはたまる一方です。
そんなときは、プロの業者に全て任せてしまった方が、時間の節約にもつながります。
また、キッチン掃除のプロは、どんな洗剤をどのように使うべきかを熟知しています。道具も全てプロ仕様なので、素人には手に負えない汚れにも対応可能です。
自分で掃除をするよりも、掃除後の満足度は必然的に高くなります。
いったんキッチンがきれいになれば、毎日の掃除も楽になり、「掃除をしなきゃ」というイライラからも解放されるのではないでしょうか。
業者に依頼した場合の費用
業者にキッチン掃除を依頼した場合、一般的にはシンクや排水溝とコンロ周り、調理台拭きなどが全てセットになっています。
価格については一概にいえませんが、安価なコースで1万2000円~、標準コースで2万円程度の料金設定が多いようです。
掃除価格に影響するのは、汚れの度合いや掃除範囲となります。また、コンロの数や仕様も影響しやすく、一般的にはIHよりはガスコンロの方が高額です。
なお、換気扇クリーニングはオプション扱いとなるケースがほとんどです。換気扇まできれにしてもらいたい場合は、プロペラタイプなら1万円弱、レンジフードタイプなら1万3000円~2万円弱が基本料金に上乗せされると考えておきましょう。
業者選びのポイント
キッチン掃除について、電話やネットだけで正確な料金を知ることは不可能です。掃除後に法外な料金を請求されることがないよう、必ず訪問見積もりを行ってくれる業者を選びましょう。
ただし、明細書に「一式」と記載する業者だと、掃除後に追加費用が発生するかもしれません。項目ごとに料金を提示して、明確な見積もりを出してくれる業者がおすすめです。
また、「損害賠償保険」加入の有無も重要です。加入していない業者だと、掃除後に「コンロが壊れた」「壁紙が傷んだ」などのトラブルがあっても対応してもらえない可能性があります。
保険の加入の有無はもちろん、どの範囲までカバーしてくれるかについてもしっかり確認しておきましょう。
こちらの記事もたくさん読まれています
トースター掃除は日々のお手入れがカギ! 準備から掃除手順までを解説
洗濯機は最低2ヶ月に1回は掃除を! 洗濯機用洗剤の種類と選び方、掃除の手順を解説