■顛末書の例文
顛末書の例文を紹介します。商品の発注をミスしたという事例です。
【例文】
令和◯◯年◯◯月◯◯日
◯◯◯◯様
〇〇部 氏 名
顛 末 書
令和〇年〇〇月〇〇日に発生しました商品の個数発注ミスにつきまして、その原因と対応、今後の対策の詳細につき、下記の通りご報告いたします。
記
1. 発生日時:令和◯年◯月◯日
2. 該当商品:
〇〇〇〇
3. 問題の内容:
商品の発注個数を間違えたことにより、〇〇エリアの10店舗におけるキャンペーンの納品に間に合わなかった。
4. 原因
・発注用のWebシステムで個数を入力する際に〇〇個とすべきところを△△個と入力し、確認画面でも確認を怠り、そのまま発注を確定してしまったため。
・他の社員によるダブルチェックも行わずに発注したため。
5. 問題の程度:
発注ミスに気づき3日後に追加発注をして〇〇エリアの6店舗での納品に間に合わせたが、ほかの4店舗についてはキャンペーンの日程に間に合わず、中止や延期をせざるを得なくなった。
6.問題への対応
・営業第1課◯◯係長に発注個数のミスがあったことを報告。
・ただちに卸売業者に追加の発注を行う。
・商品の到着が遅れる店舗に電話にて連絡を行い、発注ミスがあり指定の個数の納品がキャンペーンに間に合わなくなる可能性があることを連絡する。
7.再発防止策
・今後同じミスを起こさないよう、発注個数の確認の手順を明確にしたマニュアルを作成。
・発注の確認を複数の担当者が行う体制を作る。
以上
始末書・顛末書と他の文書との違い
始末書や顛末書には、よく似た文書があります。「反省文」や「詫び状」は、始末書と同じく反省の気持ちを表すものです。職務上の過失や責任を認めるという点では、「進退伺い」も似ています。
また、顛末書と同じく問題の経緯を報告する文書として、「報告書」があります。それぞれの文書について、違いを見ていきましょう。
■「反省文」「詫び状」との違い
「反省文」とは、トラブルやミスについて何がいけなかったかをかえりみて、反省する気持ちを記載した文書です。始末書も反省文の一種と言えますが、反省文はより自分の行動に向き合う内容の文書といえるでしょう。
始末書よりも軽いミスを起こしたときに求められ、直属の上司に提出する場合がほとんどです。
「詫び状」は、取引先や顧客などに迷惑をかけた場合に提出する文書です。始末書は基本的に社内に宛てた文書ですが、詫び状は社外に向けた文書という点が異なります。
■「進退伺い」との違い
「進退伺い」とは、業務上のミスをした社員が責任を認め、自らの進退を上司に伺う文書です。辞職を決めているものではなく、辞表とは異なります。本人が自発的に提出するもので、始末書と一緒に提出されることが多いでしょう。
進退伺いは、ミスをした社員の上司がさらに上位の役職あるいは社長に提出する場合もあります。部下のミスに対する監督責任を負うという趣旨で提出されるものです。
■「報告書」との違い
「報告書」とは、業務上のミスなどにかかわらず、事柄の経過や結果を報告する文書です。「報告」という言葉の通り、起こったことを知らせるという意味があります。ミスや不祥事が起きた場合は顛末書、それ以外の業務上の幅広い報告は報告書ということです。
なお、報告書のほかに「経緯報告書」と呼ばれる文書があります。経緯報告書とは、業務上のトラブルが起きた際、顛末書が作成される前に提出される文書です。
顛末書は事態が収拾したあと、対処した内容や再発防止策まで含めて作成されますが、経緯報告書は顛末書が提出される前にトラブルの経過を上司に報告し、社内で共有するために必要です。経緯報告書により、トラブルの詳細内容と、現在どのような状況であるのかを知ることができます。
始末書や顛末書を書くときの注意点
始末書や顛末書を作成する際は、いくつか注意したい点があります。どちらも基本的に社内文書ですが、事情によっては社外に提出する場合もあります。
また、いずれも提出するタイミングをよく考えなければなりません。どちらの文書も報告や謝罪の意味だけでなく、再発防止の意味合いが強いのも特徴です。ここでは、始末書や顛末書を書くときの注意点についてご紹介します。
■社外に提出する場合
始末書や顛末書は基本的に社内で共有される文書ですが、事情によっては例外的に社外へ提出されます。社外に提出される場合で最も多いのは、トラブルにより取引先や顧客に迷惑をかけた場合です。
また、子会社でトラブルが発生した場合は親会社に、グループ企業でトラブルが発生した場合は他のグループ企業に提出する場合もあります。
社外に提出する場合、社内でしか通用しない言葉や専門用語などは使わないことが大切です。さらに、誰が見てもわかりやすい文書を作成しなければなりません。
■提出のタイミング
始末書と顛末書の提出のタイミングは異なります。始末書は反省の気持ちを表すため、問題が起きたときはできるだけ早く提出しなければなりません。
一方、顛末書は問題の一部始終を記載するだけでなく、どのように対応したか、再発防止の対策はどう行うかまで記載する必要があります。そのため、事態が収拾し、報告できる程度に再発防止策をしてから作成・提出されることが大切です。
■再発の防止に活かすこと
顛末書は文書に再発防止策も記載します。顛末書に再発防止策を記載することで、二度と同じ間違いを起こさないための対策を文書として残すことができるでしょう。
始末書も同じく、再発防止に活かされなければなりません。文書には再発を防ぐために取り組む対策について記載し、二度と同じミスを繰り返さないためにどのような行動をするのかを明らかにします。それにより、反省の気持ちをより強く表すことができるでしょう。
始末書と顛末書は謝罪の文言の有無で異なる
始末書は問題を起こしたことへの反省の気持ちを表し、顛末書は問題の一部始終を記載する文書です。両者の違いは謝罪文言の有無にありますが、顛末書でも反省の気持ちを込め、言い回しには注意しなければなりません。また、どちらも再発防止に活かすことが大切です。始末書と顛末書の違いを把握し、それぞれ適切な内容で作成しましょう。
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