【類語3】踏んだり蹴ったり(ふんだりけったり)
「踏んだり蹴ったり」も、同じく不幸や不運が重なったり、続いたりすることを表現する言葉です。「踏む」や「蹴る」という表現をしていますが、実際には「踏まれる」あるいは「蹴られる」ことが重なると考えるほうが自然でしょう。
・忘れ物をして家に戻ったら電車に乗り遅れた。今日は朝から【踏んだり蹴ったり】で、面白くない。
・意を決してラブレターを書いたら、なくしてしまったばかりか、ライバルの田中に中身を読まれたらしい。まさに【踏んだり蹴ったり】だ。
【類語4】傷口に塩を塗る(きずぐちにしおをぬる)
「傷口に塩を塗る」は、苦しいことに苦しいことが重なることを意味する言葉です。「傷む上に塩を塗る」と表現することもあります。
・希望する学校に落ちて、気持ちが落ち込んでいた。それを分かっていて中山君は「志望校に落ちるってどんな気持ち?」と聞いてきた。彼の行為は【傷口に塩を塗る】ようなものだ。
・失恋したばかりだというのに、株式が暴落して多額の損失が出た。【傷口に塩を塗られた】気分だ。
【類語5】雪上加霜(そうじょうかそう)
「雪上加霜」とは、中国で用いられる言葉で、「雪の上に霜が加わる」という意味が転じて、悪いことに悪いことが重なることを意味します。元々は余計なことをするの意味で用いられていましたが、現在では「泣きっ面に蜂」の意味で用いることが多いようです。雪も霜も美しいイメージがありますが、寒い地域にとっては余計なものであり、悪いことの例になるのかもしれません。
「泣きっ面に蜂」の意味を正確に理解しよう
「泣きっ面に蜂」とは、悪いことに悪いことが重なる様子を示す言葉です。また、悪いことが終わって一息ついたところに悪いことが起こる状態、不運が連続する様子を示すこともあります。あまり喜ばしい意味ではありませんが、万が一、悪いことが重なったり連続したりするときには用いることができるでしょう。
「泣きっ面に蜂」と似た意味の言葉は少なくありません。「弱り目に祟り目」や「一難去ってまた一難」、「傷口に塩を塗る」のように多くの言葉があります。言葉が多いということは、昔から不運や不幸が続くことはよくある状態だったのかもしれません。
写真・イラスト/(C) shutterstock.com