臍(へそ)を曲げる
「臍を曲げる」とは機嫌を悪くして、意固地になるという意味です。この場合の臍は、「へそ」と読みます。日常でもよく使われる言葉なので、馴染み深いですね。
【例文】
・小さなことで臍を曲げた彼女は、しばらく話しかけても返事をしなかった。
・彼は友人に冗談を言われたのを真に受けて臍を曲げてしまい、場の空気が悪くなった。
・山田さんは自分の意見が通らなかったことに不満を抱き、臍を曲げてしまった。
「臍を噛む」の類義語3つ
「臍を噛む」の類語を把握しておけば、会話のバリエーションが広がります。ここでは3つ紹介しましょう。
後悔先に立たず(こうかいさきにたたず)
「後悔先に立たず」は、「やってしまったことは、あとになって悔やんでもしょうがない」という意味です。「ことを行う前には、熟慮することが必要である」という戒めの意味合いが込められています。
【例文】
・試験勉強を怠けた結果、不合格になってしまったが、後悔先に立たずだ。
・友達との約束を忘れてしまい、謝ったものの後悔先に立たず、信頼を失ってしまった。
・健康をないがしろにしていたら病気になり、今さらながら後悔先に立たずと感じている。
覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)
「覆水盆に返らず」は中国の故事に由来する言葉で、「一度離別した夫婦の仲は元にはもどらないということ」から転じて「一度したことは、もはや取り返しがつかないことのたとえ」として使われます。
【例文】
・彼女との関係を取り戻そうとしたが、覆水盆に返らず、元には戻らなかった。
・若い頃の努力を怠ってしまったことを今さら後悔しても、覆水盆に返らずだ。
・失言が原因で信頼を失い、どれだけ謝っても覆水盆に返らず、関係は修復できなかった。
後の祭り(あとのまつり)
「後の祭り」は、祭りの後に山車を出すように、手遅れであること、無駄なことを表す言葉です。
【例文】
・重要な書類を締め切り後に提出しても、後の祭りで受け付けてもらえなかった。
・パートナーの誕生日を忘れてしまい、後からプレゼントを渡したが後の祭りだった。
・彼女に謝ろうと思ったが、すでに引っ越してしまい、今さら謝っても後の祭りだ。
「臍を噛む」の英語表現とは
「臍を噬む」と似たような意味を持つことわざが英語にもあります。それは、“It is no use [or good] crying over spilt milk.”(やってしまったことを悔やんでも無駄だ)です。
“cry over spilled [spilt] milk”には、「変えられないことを嘆く」「過去の行為を悔やむ」という意味を持っていますよ。
最後に
「臍を噛む」は、後悔の気持ちを強く表す言葉だとわかりました。人生において、どうにもならない状況に直面したとき、この言葉が浮かぶことがあるかもしれません。後悔の感情は誰にでもありますが、この言葉を通して、その思いを少し整理し、次の一歩を踏み出すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
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