「弊社」「当社」「自社」を正しく使い分ける
自分が所属する会社のことを表すのが「弊社」「当社」「自社」ですが、実はそれぞれ意味が異なります。適切に使うためにも、あらためてそれぞれの意味を把握しておきたいですね。
「弊社」:自分の会社についてへりくだって表現する際に用いる語。自分の会社を他者に紹介する際に使う
「自社」:自分の勤める会社のこと。謙遜のニュアンスはない
「当社」:「自社」と同じ。謙遜の意味も含まれない
上記からもわかるように、他者あるいは他社に対して自社のことを述べる際は「弊社」を用います。相手に対する敬意を表すために使いますが、自社を卑下しているわけではありません。
【「弊社」の例文】
「弊社のサービスをご利用いただき、誠にありがとうございます」
「今後とも弊社へのご支援をよろしくお願い申し上げます」
「この度は、弊社の〇〇がご迷惑をおかけしました」
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メールで断る際のポイントも覚えておこう
社外の人などに断りのメール返信をするとき、どのような書き方をすればいいのか見ていきましょう。
断りメールの文例
断りメールの文面構成は、以下のように書くのが基本です。
・宛名
・冒頭の挨拶
・申し出に対する感謝
・申し出を断るお詫び
・断る理由
・代わりの提案
・相手を気遣う言葉
・署名
断りメールでは、「断らなければならないことを遺憾に思っている」としっかり伝えることが重要です。もし可能なら、代替案を提示するといいですね。また、そっけない印象を与えないよう、クッション言葉をうまく使いましょう。「せっかくですが」「あいにくですが」「ご意向に添えず申し訳ありませんが」などの言葉を状況に応じて用いるようにします。
断る理由については、支障のない範囲で伝えるといいですね。よく使われる表現を挙げますので、参考にしてください。
・ご希望の予算内で対応することが難しいため
・ご提示いただいた価格が想定予算を超えており
・ご要望いただいた仕様への対応が困難であるため
・在庫不足により
・あいにく先約があり
・あいにく出張で不在にしており
・今月は業務が立て込んでおり
・現時点では不要であるとの判断が下されたため
・他にもお仕事をご紹介いただいているため
また、「断るのはこちらも残念である」ということを伝えるようにします。適しているのは以下の言葉でしょう。
・誠に残念ではございますが
・大変心苦しいのですが
・不本意ではございますが
・大変ありがたいお話ではありますが
・本来であればお引き受けしたいところですが
最後は、次に繋がる結びの言葉を使いましょう。
・今回はご提案を見送らせていただきますが、次の機会をお待ちしております。
・残念な結果となり申し訳ありませんが、次回のご提案を楽しみにしております。今後ともよろしくお願い申し上げます。
・今月はご要望に添えませんでしたが、来月でしたらお引き受けできます。ご検討いただきますようお願いいたします。
【断りメールの例文】
見積もりの提案を断るケース
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◯◯株式会社
田中様
お世話になっております。
株式会社□□の鈴木です。
先日はお見積もりをご送付いただき、誠にありがとうございました。
企画部で検討いたしました結果、大変恐縮ではございますが、今回は予算の都合でお取り引きを見送らせていただくこととなりました。
ご期待に添えない結果となってしまい、申し訳ございません。
次の機会がありましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
末筆ながら、皆々様のご健勝をお祈り申し上げます。
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購入依頼を断るケース
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株式会社◯◯
佐藤様
いつも大変お世話になっております。
△△株式会社の高橋です。
この度は、弊社の□□に関してお問い合わせいただき、誠にありがとうございました。
大変申し訳ありませんが、□□は現在生産を行っておらず、弊社にも在庫がない状態です。
代替品として、弊社の新製品■■をご検討いただきたく、電子パンフレットを添付させていただきました。
ご質問等がございましたらお気軽にお申し付けください。
この度はご期待に添えず、誠に申し訳ございません。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
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ビジネスメールの返信はどこまで続けるのが正解?
ビジネスメールの返信をどこまで続けるべきなのか、悩みませんか? 一般的には、先に送ったほうがメールのやり取りを終わらせます。自分が最初にメールをしたのであれば、自分の返信で終了するといいですね。
「返信不要」に対しては?
相手からのメールに「返信不要」「返信は不要です」のように書かれている場合、判断に困りますよね。これは、相手の手をわずらわせないための気遣いと捉えるのがいいでしょう。「返信してはいけない」「返信しないでください」という意味ではないので、相手や内容により、返信するかどうかを決めるといいですね。
最後に
ビジネスメールの返信について、マナーや注意点などを解説しました。返信メールについては、迅速に対応することが大切です。回答までに時間を要する場合は、いつごろ回答できるかの目安を伝えるようにしてください。
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益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
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