「腐っても鯛」の対義語
「腐っても鯛」と反対の意味をもつ言葉として、ここで紹介するのは「麒麟(きりん)も老いては駑馬(どば)に劣る」ということわざです。
このことわざでは、優れたものとして「麒麟」を、そうでないものを「駑馬」と表現しています。「駑馬」とは、足の遅い馬や劣っている者という意味で使われる言葉です。つまり「麒麟も老いては駑馬に劣る」とは、どんなに優れたものであっても、老いた後は普通のものにも劣ってしまうという意味です。
【目次】
「魚」を使った慣用句
「腐っても鯛」と同じように、魚の名前や魚そのものを使った慣用句は、まだまだたくさんあります。本章では「蛸の共食い」「鯖の生き腐れ」「水と魚」「逃した魚は大きい」の4つを紹介します。魚に関連する慣用句として「腐っても鯛」と関連付けて、これらの慣用句を覚えることで、さらなる語彙力アップが期待できるでしょう。
「蛸の共食い」「鯖の生き腐れ」
「蛸の共食い」とは同じ蛸同士、つまり同類のものがお互いに相手を妨害し合うことのたとえとして使われる言葉です。「鯖の生き腐れ」とは、見た目は新鮮に見えるものの、中身は痛み始めていることのたとえとして使われます。これは鯖が、猟獲してから短期間のうちに酵素分解が進むこと、つまり足の早い魚であることに由来しています。
「魚と水」「逃した魚は大きい」
鯛や鯖のように特定の種類ではなく、魚そのものを使った慣用句もあります。代表的なものは「水と魚」と「逃した魚は大きい」の2つです。
「水と魚」とは、魚が生きていくのに水が必要不可欠であることから、互いが密接な関係であることのたとえとして用いられる言葉です。そして「逃した魚は大きい」とは、逃したことによる悔しさが相まって、一層価値が高いように感じられてしまうことを意味しています。
まとめ
「腐っても鯛」ということわざについて、その意味や由来、類義語、対義語、使い方などを解説しました。また後半では、「腐っても鯛」と同じように、魚に関連した慣用句も紹介しました。
「腐っても鯛」とは、優れたものが腐っても、その価値を落とさないという意味の褒め言葉です。しかし、腐る(劣化する)といった意味が含まれている以上、使用する相手には十分に気をつけてください。
写真・イラスト/(C) Shutterstock.com