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LIFESTYLE 漢字クイズ

2024.04.28

秋に咲く青紫色の花「竜胆」、読み方は? 漢字の由来や花言葉、豆知識を解説

 

竜胆は、秋を代表する青紫色の花です。この根を用いた薬がとても苦いことから、中国で最上級のものをあらわす「竜」の字を冠して名付けられたといわれています。今回は、竜胆の特徴や花言葉、歴史のほか、竜胆を使った薬に関して解説します。

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竜胆は秋を代表する花

竜胆は秋を代表する花の1つ。野山では9月頃から可憐に咲く姿が見られます。野生種は青紫色の花をつけますが、現在は品種開発によりさまざまな色の花が流通しています。

草丈20〜60センチのリンドウ科の多年草で、釣り鐘のような形の青紫色の花を上向きに、複数並べてつけます。大きな群落はつくらずに、1株〜数株ずつひっそりと咲くのが特徴です。品種開発により出荷期間が延び、切り花では6月頃から11月頃まで楽しめるそう。青や紫だけでなくピンクや白なども育種され、花束やフラワーアレンジメントなどにも用いられています。

辞書に記載されている意味も確認しましょう。

【竜胆:りんどう】
1 リンドウ科の多年草。山野に生え、高さ20~60センチ。葉は先のとがった楕円形で3本の脈が目立ち、対生する。秋、青紫色の鐘状の花を数個上向きに開く。根・根茎に苦味成分を含み、漢方では干したものを竜胆といい薬用。同科にはハルリンドウ・ミヤマリンドウやセンブリなども含まれる。えやみぐさ。にがな。ささりんどう。りゅうたん。りゅうどう。《季 秋》「―の日を失ひし濃紫/誓子」
2 襲の色目の名。表は蘇芳、裏は青。秋に用いる。
3 紋所の名。1の花や葉を図案化したもの。
引用:小学館 デジタル大辞泉

 

野山で青紫色の花を咲かす竜胆

名前の由来は?

竜胆の名前の由来には諸説ありますが、熊の胆汁を乾燥させた生薬「熊胆(ゆうたん)」に引けを取らないことから、中国で最上級の意味をあらわす「竜」の文字を冠して竜胆と名付けられたという説が有力です。竜胆の根は胆汁のように苦く、その苦さで笑いも止まってしまうため「笑止草(えやみぐさ、えやみそう)」という別名もあります。

また竜胆の音読みの「りゅうたん」がなまって、リンドウと呼ばれるようになったといわれています。

竜胆の花言葉

竜胆の代表的な花言葉は次のとおりです。

・悲しんでいるあなたを愛する
・正義
・誠実

印象的な「悲しんでいるあなたを愛する」という花言葉は、秋になると群生せずひっそりと咲く凛とした姿や、悲しみをイメージさせる青紫の花色に由来するといわれています。竜胆は昔から薬草として利用されてきたため、病に打ち克つという意味から「正義」という花言葉も生まれたという説があります。また、曇りや雨の日、夜には花を閉じ、光が差し込むときにだけ花を開く姿から「誠実」という言葉が連想されたそう。

植木鉢で栽培される竜胆

竜胆の種類

竜胆の仲間にはたくさんの種類があり、リンドウ属は世界に約400種類があります。そのうち日本で自生するのは20種類程度。また園芸品種として人気があるため、現在でも改良され新しい品種が生まれているそうです。日本で見られる主な竜胆には以下のような種類があります。

・エゾリンドウ
・ハルリンドウ
・タテヤマリンドウ
・ササリンドウ

エゾリンドウは切り花としても数多く流通する種類。高さ50センチ前後に育ち、8月〜10月頃に青紫色の花を筒状に咲かせます。ハルリンドウはその名のとおり3月〜5月の春に花を咲かせ、他の種類と比べて背が低いのが特徴です。

タテヤマリンドウはハルリンドウの変種であり、斑点模様が入った花を5月〜7月に咲かせます。また秋に青紫色の花を咲かせるササリンドウは、笹のような細い葉と大きく開く花弁が特徴です。

竜胆の歴史

ここからは、竜胆の歴史を見ていきましょう。栽培種が始まったのは昭和初期〜中期といわれ、その後さまざまな竜胆が品種開発されたと考えられています。栽培種が開発される前と後にわけて、解説していきましょう。

竜胆の歴史

大正時代に流通したのは茎の短い野生種

竜胆の栽培種が市場に出回る以前に流通していたのは、野山で足元に咲く小ぶりの野生種であったと推測されます。

昭和初期から盛んになった栽培種開発

竜胆の栽培種開発が中部、東北地方を中心に盛んになっていったのは昭和初期からです。野生種であったエゾリンドウが各地域の竜胆と交配され、品種開発されていきました。

これらの栽培種は長く伸びた茎に多くの花をつけます。昭和時代中頃からは、生け花だけでなく仏花としての需要が高まり、生産量が増えていきました。

薬草としても利用される竜胆

根が胆汁のように苦いことから、中国で最上級の意味を示す「竜」の文字を冠したという竜胆の名前の由来は前述のとおりです。この苦い竜胆の根は、昔から薬草として用いられてきました。

乾燥した竜胆の根 薬草として使用される

主に健胃薬として用いられる

竜胆の根の苦味成分が舌先を刺激し、反射によって胃液の分泌が盛んになるほか、直接胃液の分泌を促進する効果もあり、消化不良や食欲不振時に飲む健胃薬として用いられてきました。

西洋では、ヨーロッパ中南部のリンドウ科の多年草「ゲンチアナ・ルテア」の根を乾燥、発酵させたものが健胃薬「ゲンチアナ」として利用されています。

「竜胆瀉肝湯」は下腹部の熱感や痛みをおさえる薬

竜胆は胃のほかにも、身体のさまざまな箇所の炎症を鎮めるために使用されてきました。竜胆を配合した漢方「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」は、膀胱や尿道・子宮などの炎症を取り除く働きに優れ、下腹部の熱感や痛みをおさえる薬として活用されています。

竜胆の読み方や基礎知識を抑えよう

竜胆は秋に野山に咲く青紫色の花で、正しい読み方は「りんどう」です。釣り鐘のような形の青紫色の花を上向きに、複数並べてつけます。大きな群落はつくらずに、1株や数株ずつひっそりと咲くことから、花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」などです。

竜胆の根は健胃薬や「竜胆瀉肝湯」という下腹部の熱感や痛みをおさえる薬としても利用されています。この機会に、竜胆の正しい読み方や基礎知識を抑えておきましょう。

写真:(C)AdobeStock

 

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