「捩子」は螺旋状の溝が特徴の機械部品の総称
捩子とは、螺旋状(らせんじょう)の溝がある機械部品の総称です。小さな部品ですが、生活するうえで欠かせないものの1つといってよいでしょう。読み方はわかりましたか?特に「螺旋状」「機械部品」などが重要なヒントになります。
捩子の正しい読み方は……「ねじ」でした!
捩子は回転させることによって差し込まれた箇所を締め付け、物同士を結合させる働きがあります。一度結合させると簡単には取れない一方で、意図的に外したい場合には容易に緩めることができるのが、捩子の特徴です。
辞書では以下のように定義されています。
【螺子・捻子・捩子:ねじ】《動詞「ね(捩)づ」の連用形から》1 円筒や円錐の面に沿って螺旋状の溝を切ったもの。溝を外面に切ったものを雄ねじ、それにはまり合うように内面に切ったものを雌ねじという。物を締めつけるのに用いる。2 ぜんまいを巻く装置。また、ぜんまい。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
由来は「捻る・捩る(ねじる)」
捩子は、漢字ではほかにも「捻子」や「螺子」と書きます。ねじって回転させることで物と物を結合させる部品であることから、「捩る・捻る(ねじる)」または「捩づ・捻づ(ねず)」というように動詞として使われていた言葉が、いつしか名詞化したという説が有力です。
螺旋状の形態から「螺子」とも書く
すでにお伝えしたように、螺旋状の溝があることも捩子の大きな特徴です。このことから、漢字では「螺子」とも書くことを覚えておきましょう。
捩子の豆知識
捩子は、鉄やステンレスなどさまざまな材料から作られます。また形状によって「雄捩子(おねじ)」「雌捩子(めねじ)」、「並目(なみめ)」と「細目(さいめ)」に大きく分けられます。捩子に関するそれぞれの内容を少し掘り下げてみましょう。
材料は鉄やステンレスなどの金属
捩子の材料は主に鉄やステンレス、真鍮が使われることが多いそう。そのほか、アルミやチタン、樹脂などさまざまな材料が用いられます。
雄と雌の違い
捩子は、溝の場所で、雄捩子(おねじ)と雌捩子(めねじ)に大きく分けられます。捩子の側面に溝があるのが雄捩子、捩子に穴があり、穴の内側に溝があるナットなどが雌捩子です。通常、捩子と聞いて思い浮かべるのは雄捩子であることがほとんどでしょう。
▲上が雄捩子、下が雌捩子
並目と細目の違い
通常使われているのは並目(なみめ)捩子。ホームセンターや金物屋などで比較的手に入りやすくなっています。細目(さいめ)捩子は並目捩子よりも巻きの数が多く、ねじ山が細かくなっているもの。より精密な調整ができ、摩擦量が大きて緩みにくいのがメリットで、自動車部品などに使われています。
捩子は小さな力持ち
捩子は身の回りのたくさんの機械に使われています。小さな部品であるため、普段生活するなかではあまり気に留めない存在かもしれませんが、私たちの暮らしを支えてくれる縁の下の力持ちといえますね。この機会に、漢字の書き方をおさえておきましょう!