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ビジネス用語としてのバーター
バーターはビジネス用語として使われるか、業界用語として使われるかによって意味が異なる言葉です。会話の中で使えるようになるには、それぞれの意味について正しく理解している必要があります。まずはビジネス用語としてのバーターの意味と類語を紹介します。
意味は「物々交換」
ビジネス用語としてのバーターは「物々交換」を表す言葉です。価値交換の役割を持つお金を介さず、互いの持っているものを直接的にやり取りすることを指します。語源は「物々交換をする」「交易をする」という意味を持つ英語の「barter」です。
バーターの対象は、商品やサービスだけではありません。場合によっては、人や仕事なども対象になります。実際の仕事の場面においては、お互いの商品を購入し合うことによって実質的に物々交換（バーター）をしたことにする手法が多用されます。
「バーター取引」という形で使うことが多い
バーターという言葉は、仕事の場面においては「バーター取引」という形で使用されるのが一般的です。バーター取引とは、互いの会社で取り扱う商品やサービスを交換する取引のことです。
例えば石油業界においては、同じ量・同じ価格のガソリンや灯油などを、異なる地域間で融通し合う取引をバーター取引と呼びます。このような取引なら、融通してもらう地域に自社のガソリンや灯油の一時貯蔵施設がない場合でも、その地域のサービスステーションに安定的にそれらを供給できます。
バーター取引の利点は、資金がない場合であっても、ものやサービスのやり取りが行えるところです。金銭を介さず、商品やサービスの交換をもって直接的なやり取りができます。
類語は「交換条件」や「トレード」
ビジネス用語としてのバーターの類語には、「交換条件」や「トレード」などがあります。交換条件とは、物事を承諾する代わりに相手側に提示する条件のことです。相手方の商品やサービスを引き受けたり購入したりする代わりに、自社の商品またはサービスを渡したり購入してもらったりするバーターと意味合いが似ていることが分かります。
トレードは「売買取引」や「もの同士・人同士の交換」「選手同士の交換や移籍」を表す言葉です。トレードは同じ性質を持つもの同士を交換することから、物々交換を意味するバーターと同義語として扱われます。
業界用語としてのバーター
芸能界やテレビ業界で用いられるバーターは、ビジネスシーンで使われるバーターとは異なる意味を持ちます。意味を混同してしまうと、言葉を正しく使用できないため注意が必要です。業界用語としてのバーターの意味や類語について解説します。
意味は「一緒に売り出す」
芸能界やテレビ業界で用いられるバーターは、「同じ番組に一緒に出演させる」という意味です。売れっ子の芸能人と同じ事務所に所属するこれから積極的に売り出していきたい芸能人をセットにし、同じ番組や映画などに出演させ、売り出し中の芸能人の露出を増やし、人気の底上げを図ります。
芸能界で使われるバーターの語源は「束（たば）」といわれています。業界においては「ハワイ」のことを「ワイハ」、「銀座」のことを「ザギン」などと言葉を反対にして使う習慣があります。そのため芸能人同士をセット、つまり「束」にして売り出す手法を、「たば」を反対にして「バーター」と表現するようになったとする説が有力のようです。
類語は「抱き合わせ」や「セット売り」
業界用語としてのバーターの類語には、「抱き合わせ」や「セット売り」などがあります。抱き合わせは、売れ行きが好調な商品と売れ行きが伸び悩んでいる商品をまとめて売り出す手法です。売れているものと売れていないものをまとめ売りしようとするところが、バーターとの共通点です。
セット売りとは、単品で商品として十分に成立するアイテムを、あえて複数組み合わせて販売する手法を指します。同じ商品を複数セットにして販売する場合と、異なる商品を組み合わせて一つの商品として販売する場合があります。人とものの違いはあるものの、組み合わせて売るところが業界用語のバーターとの共通点です。
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