日常生活での使い方
普段どのような場面で使えばよいのか、例文を交えて見ていきましょう。
1:彼は他人の噂や評判など歯牙にもかけない様子だ
2:親の心配など歯牙にもかけない様子で息子は出ていった
3:上司に新しいプロジェクトを提案してみたが、歯牙にもかけない対応をされてしまった
これらの例から、無視して問題にしない、あえて相手にしないことを強調するときに使われることがわかります。
歯牙にもかけないの類義語と対義語
歯牙にもかけないという言葉の類義語と対義語を紹介します。
歯牙にもかけないの類義語
1:どこ吹く風と受け流す
自分に対する噂や悪い評判など、全く気にかけない様子を表す言葉です。
2:一顧だにしない
わずかに振り返ってみる価値もない様子を表す言葉です。まともに取り合わない態度を表しています。視線すら向けない徹底的な関心のなさを表しています。
3:鼻もひっかけない
全く相手にしない、相手に対して冷淡な態度をとる様子を表した言葉です。
歯牙にもかけないの対義語
辞書的に対義語としてこれ、というものはないのですが、歯牙にもかけないが「無視する、相手にしない」という意味に対して、「相手に関心を持っている」という意味の言葉を挙げます。
1:頓着(とんじゃく)する
深く心にかけて関心をもつことを表します。
2:物見高い(ものみたかい)
なんでも珍しがって見たがる、好奇心が強い様子を表します。
「歯牙にもかけない」の英語表現
歯牙にもかけないの英語表現はどのようなものがあるのか、紹介します。
1:He did not seem to hang on his teeth.(彼は歯牙にもかけない様子だった)
「hang on」は「すがりつく」という意味、「teeth」は「歯」。直訳すると「歯にすがりつかない」となり、そこから、言葉を発しない、無視するという意味になります。
2:He is indifferent to her.(彼は彼女に対して無関心だ)
「indifferent」は「無関心な」という意味なので、「歯牙にもかけない」という意味を表すには簡易的な表現といえます。
まとめ
歯牙にもかけないという言葉について見てきました。「歯牙にかけるに足りない」という言い方をする場合もあります。「かける」は「掛ける」や「懸ける」と書きますが、ひらがなで書くのが一般的です。また、例えば「そんな噂など歯牙にかけることはない」というように「歯牙にかける」という表現は誤りですので気を付けるようにしましょう。
執筆
武田さゆり
国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。
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