「木耳」の意味や読み⽅は?
「木耳」という漢字、読めますか? ここでは、「木耳」の読み方をはじめ、意味や由来について紹介します。
読み⽅と意味
「木耳」の読み方は「きくらげ」で、担子(たんし)菌類キクラゲ科のきのこです。担子菌類とは、担子器と呼ばれる構造の外側に胞子を作る菌類のことで、マツタケやシイタケなどの食用きのこも「木耳」と同様に、このグループに属します。
比較的温暖で湿気の多い場所を好む「木耳」。そのため、春から秋にかけて、倒木や枯れ木、切り株などの湿気の多い場所によく群生しています。
「木耳」は主に中華料理などでよく使用されますが、市場に出回っているもののほとんどは、「アラゲキクラゲ」と呼ばれる品種です。通常の「キクラゲ」よりもやや大きいサイズの「アラゲキクラゲ」。乾燥保存に適しているため、比較的調理しやすい食材の一つといえるでしょう。
また、料理の飾りつけとして、高級食材としても知られている白色の「シロキクラゲ」が使用されることもあります。
由来
「木耳」といえば、コリコリした食感というイメージがあるでしょう。この食感が干したクラゲのようであるということが、「キクラゲ」という名前の由来であるといわれることも。また、波のように屈曲した形状で木に群生しているところが、人の耳の形状に似ていたため、「木耳」という漢字が当てられたと考えられています。
「木耳」がいつ頃から食材として用いられるようになったのかについては諸説ありますが、日本では既に平安時代から食べられていたのだとか。また、中国では「木耳」を不老長寿の妙薬として、古くから重宝していたと考えられています。
「木耳」は英語で何と言う?
人の耳の形に似ていることからつけられた「木耳」という漢字。実は、英語圏でも同じ理由が名称の由来となっています。
「木耳」の英語表現には複数あり、「wood ear mushroom」「cloud ear mushroom」「Jew’s ear mushroom」などが代表例として挙げられます。一番目の英語表現はまさに「木耳」という感じがしますね。
また、3番目の英語表現に使われている「Jew」とはユダヤ人のこと。日本語に訳すと「ユダヤ人の耳のようなきのこ」となります。なぜユダヤ人であるかは分かっていませんが、異なる文化圏でも「キクラゲ」が人の耳のように見えているということが理解できて、とても面白いですね。
「木耳」の栄養効果は?
先述の通り、中国では古来より不老長寿の妙薬として重宝されていた「木耳」。実際に、「木耳」には疲労回復や老化防止などの効果が期待できるビタミンB群・ビタミンEが多く含まれ、抗ウイルス作用も期待できます。
さらに、カルシウムや鉄分、マグネシウムなどのミネラル類も豊富に含まれているため、骨の健康にも効果的。また、きのこ類の中でもコレステロール低下作用が高いことでも知られている「木耳」。コレステロールの吸収を抑え、動脈硬化を改善する効果が期待でき、豊富に含まれる食物繊維が便秘などの解消にもつながります。
このように、体にとって嬉しい効果が多く期待できる「木耳」ですが、「黒キクラゲ」とも呼ばれるお馴染みの「アラゲキクラゲ」には鉄分が特に多く含まれているため、婦人科系の疾患の食事ケアにも役立つといわれています。
「木耳」の選び方や調理法は?
では、おいしい「木耳」の選び方や、調理法にはどのようなものがあるのでしょうか? ここでは、「木耳」の選び方のコツや正しい調理法について紹介します。
選び方
スーパーやコンビニなどでも販売されている「木耳」。ほとんどが乾燥品ですが、乾燥キクラゲを購入する際は、肉厚でしっかり乾燥しているものを選ぶのがおすすめ。また、細かく砕けてしまっているものはあまり質がよくないため、なるべく固さの強いものを選びましょう。
調理法
「生キクラゲ」と呼ばれる、乾燥加工されていない「木耳」をサラダや酢の物などに使用する際は、必ず湯通ししましょう。熱湯に30秒ほどくぐらせる程度で大丈夫です。
「乾燥キクラゲ」を使用する際は、水に20分程度浸して、ある程度柔らかくなってから「石突き」を取り除いて調理しましょう。ふやかすときは、お湯を使うと調理時間を短縮することができます。長時間水に浸すと、膨張しすぎてしまうので、注意しましょう。
また、「生キクラゲ」を調理する際も、水に浸しておくことで、より柔らかくなり、おいしくいただくことができるためおすすめ。「白キクラゲ」を使用する際は、ふやかした後にさらに熱湯にくぐらせて、シロップ漬けにしておくと、料理のアクセントになります。
「木耳」を使ったメニュー
コリコリとした歯ごたえのある食感で、体にも良いとされている「木耳」。クセのある味ではないため、どんな料理にでも活用できそうですが、この「木耳」を使ったおすすめのメニューについて紹介します。
1:八宝菜
中華料理の定番メニューといえる「八宝菜」。野菜や魚介類と一緒に「木耳」を使用することで、より本格的な「八宝菜」を作ることができます。
2:中華風スープ
小腹が空いたときや手軽に一品を作りたいときにおすすめできるのが「スープ」です。「木耳」や野菜が入った具だくさんの温かいスープを飲めば、寒い冬も乗り越えられそう。他のレシピと比べても低カロリーな「スープ」は、ダイエット中の方にもおすすめの一品。
さらに、しょうがを入れることで体を温めるだけでなく、免疫力アップも期待できるため、風邪の予防にもつながります。
3:おでん
おでんに「木耳」を使用したことがないという方も多いと思いますが、「木耳」をおでんなどの煮物に加えることで、コリコリした食感を楽しむことができます。
最後に
今回は、「木耳」の由来や調理法、おすすめのレシピについて紹介しました。食感がよく、クセのない風味の「木耳」は、人気の高い食材の一つといえるでしょう。
また、「木耳」には多くの栄養素が含まれているということが分かりました。普段「木耳」を食べないという方も、色々なレシピにぜひ使ってみてください。
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