堅実とは手堅く確実で危なげがないこと
堅実とは、手堅く確実で危なげがないことをあらわす言葉です。かたく、しっかりしているという意味の「堅」と、中身が備わっているという意味を持つ「実」の組み合わせからなる堅実は、しっかりして中身が備わっていることを意味します。
人柄を表現する、堅実家という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。そのほか、「堅実な方法」「堅実な人生」といった使い方も一般的です。
大辞泉に記載されている意味は以下のとおりです。
【堅実:けんじつ】
〔名・形動〕手堅く堅実なこと。確かであぶなけのないこと。また、そのさま。「堅実な手段」「堅実に生活する」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「着実」「地道」との違い
堅実と似た意味で使われる言葉は、「着実」や「地道」などです。いずれも物事を確実に進めていくという意味は共通しているものの、着実は派手さはなく物事を確実に進めるさまを、地道は地味ながらも物事を手堅く進めるさまをあらわします。着実と地道は、「派手さがないこと」や「地味なこと」を重視しているといえるでしょう。
これに対し堅実は手堅く確実に物事を進め、内容が伴うことを意味し、着実と地道とは細かいニュアンスの違いがあります。
使い方と例文
前述のとおり堅実は、堅実な方法や堅実な人生、堅実家といった使い方をすることが多いです。いくつか例文を挙げますので、実際に使う際の参考にしてください。
<例文>
・彼の堅実な働きぶりは高く評価されている
・リスクを回避するために、堅実な方法を選択するとよいだろう
・彼女は若い頃から、堅実な人生設計を立てていた
・堅実家の友人へのプレゼントなら、実用品がおすすめだ
類語と対義語
着実や地道のほか、堅実の類語には「真面目」や「確実」などがあります。真面目は嘘やいい加減なところがなく真剣であることを、確実は確かで間違いのないことを意味します。
一方で堅実の対義語として挙げられるのは、「軽率」や「放漫」などです。軽率は深く考えず軽々しく行動することをあらわす言葉です。また、放漫は「ほうまん」と読み、でたらめでだらしがないという意味で使われます。
堅実な人の特徴5選
実際に堅実といわれる人の特徴としては、以下の5つがあります。
1.冷静である
2.慎重である
3.先のことを考えている
4.信頼した人のことは裏切らない
5.意外と頑固である
それぞれの内容を確認していきましょう。
1.冷静である
堅実な人は、冷静に行動する傾向にあります。すぐに慌てたり、感情をむき出しにすることは少ないでしょう。その場に飲まれて場当たり的に行動したりせずに、常に冷静に状況判断をするため、失敗が少ないのが特徴です。
2.慎重である
慎重なことも、堅実といわれるために必要な要素の1つです。直感で判断することはほとんどなく、少しでも不安要素を感じたら選択しません。仕事でも、「以前、この方法でうまくいったから」と安易に成功体験に従うのではなく、その都度起こりうるリスクを想定しながら、結果が出る方法を考えます。
3.先のことを考えている
堅実な人は、先のことをよく考えて行動する傾向にあります。やみくもに手をつけたり、とりあえずやってみてから考えたりといったことはなく、結果を想像して勝算があれば手をつけるのです。そのうえで、ゴールをイメージしながら、手堅く着実に駒を進めていきます。
4.信頼した人のことは裏切らない
人を信じるまでに時間がかかる一方で、一度信頼した人を裏切らないことも、堅実な人にみられる特徴の1つです。堅実な人は安定した人間関係を好む傾向があるため、信頼するに値すると判断した相手は大切にします。
5.意外と頑固である
意外と頑固な点も、堅実な人によくある特徴です。失敗やリスクの回避を優先するため、自分の計画や意思に反した選択をすることはほとんどありません。うまくいくかどうか確証の得られない勝負には挑まず、成功確率が高いと考えられる確実な方を選びます。
堅実な人になるためのポイント5選
堅実な人の特徴を確認したところで、さらに堅実な人になるための、以下のポイントをおさえておきましょう。
1.考えてから行動する
2.起こり得るリスクと対処法を想定しておく
3.情報リテラシーを備える
4.自分軸を持つ
5.有意義なことにお金を使う
順番に解説していきます。
1.考えてから行動する
堅実な人になるには、よく考えてから行動することが求められます。堅実な人の特徴として、「冷静」「慎重」「先のことを考える」といったことが挙げられることを、先ほどお伝えしました。何かを始めるにあたっては、それを行うことで得られるメリットとデメリットを冷静に検討する必要があります。
2.起こり得るリスクと対処法を想定しておく
先のことを考えて行動するだけでなく、起こり得るリスクと対処法を想定しておくことも重要です。堅実な人は手堅く確実であり、失敗を避けることを重要視します。成功を阻む可能性があるリスクにはどのようなものがあるのか考え、さらにリスクへの対処法も用意できるようになるとよいでしょう。
日常のちょっとしたリスクを先読みする習慣を身につけることで、大きな事柄のリスクへの想像が及ぶようになるでしょう。
3.情報リテラシーを備える
今後の動向やリスクを想像するために情報リテラシーを備えることも、堅実な生き方には不可欠です。情報化社会における情報リテラシーとは、「正しく情報を読み解き、活用する知識や能力」のことです。
氾濫する情報から正確なものを選択できるよう、まずはインターネットやSNSの情報を鵜呑みにしないように意識することから始めましょう。
4.自分軸を持つ
堅実な人になるには、自分軸を持つことも必須といえます。ことあるごとに周囲に流されていては、自分の価値観に基づく行動を継続することは困難でしょう。
さまざまな角度から熟考していれば、他人の言動によって自分の判断を変える必要がありません。自分が正しいと信じたことに、自信をもって取り組むことをおすすめします。
5.有意義なことにお金を使う
堅実な人が浪費家であるケースは、ほぼ存在しません。堅実な人になると決めたら散財するのはやめ、有意義なことにのみお金を使うようにしましょう。衝動買いは避け、その金額に見合う価値があるかどうかを冷静に見極めます。
また堅実な人は、しっかりと貯金ができることも特徴です。毎月ある程度の金額を貯金にまわせるように、心がけましょう。
堅実さを身につけてリスクを回避しよう
堅実な生き方は面白みがないと、考える方もいるかもしれません。しかし先が読めない時代だからこそ、堅実さは備えておきたい資質の1つといえるでしょう。
そのためには、周りの雰囲気や一時の感情に流されることなく、よく考えて行動することが重要です。堅実さを身につけて、リスクを回避できるようにしましょう。
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