備忘録とは何のこと?
備忘録という言葉を適切に使うには、正しい意味を理解しておくことが大切です。備忘録の意味と、使い方について解説します。
忘れることを想定し書き留めたもの
備忘録とは、後々で必要になると思われる事柄を忘れてしまったときの場合を考えて、あらかじめ書き留めておくメモのことです。書いた内容そのものではなく、書き留めたメモや冊子のことを指します。
個人用の備忘録の場合、後で自分が見て分かればよいため、書き方の形式に特別な決まりはありません。しかし、会議の内容を議事録として残しておく場合などは、日付なども入れて誰が見ても分かるように記載する必要があります。
一般には、ノートや冊子など複数のページをとじたものを指しますが、近年は忘れないよう書き残したスマホのメモ帳やブログなども、備忘録と呼ぶことがあります。
備忘録の使い方と例文
備忘録は、個人が忘れてしまったときのためのメモとして残すほか、チームや組織のメンバーなどが忘れないように作成して、共有することもあります。さまざまな場面別での使い方を例文で見ていきましょう。
〈例文〉
・今朝のミーティングの備忘録を作成しましたので、メールで送ります
・クライアントとの打ち合わせの内容を備忘録にして、プロジェクトメンバーに共有した
・今日の出張での重要なポイントを備忘録にまとめた
・明日の予定やタスクを備忘録にした
備忘録の類語・言い換え表現
備忘録に似た言葉や、言い換えできる表現についても知っておくと便利です。主な類語や言い換え表現を三つ紹介します。
「忘備録」
備忘録と同じ漢字が使われた言葉に、「忘備録」があります。「忘れたときに備えて記録をつける」という意味で、備忘録と同義です。使われ方も同じのため、備忘録のことを忘備録と呼ぶ人も少なくありません。
しかし、一般的には備忘録の方がよく使われている言葉といえるでしょう。使うこと自体に問題はないものの、間違って使用していると思われる可能性も。特に、ビジネスシーンでは、誤用だと思われないように備忘録を使った方がベターです。
「覚書(おぼえがき)」
覚書にも「 忘れないように書き留めておくこと・そのメモ」という意味があります。歴史上の事件や制度などについて書かれた記録を指すこともありますが、現代では「ある取り決めに関する記録を残す書類」として、ビジネスシーンで多く使われる言葉です。
覚書は、契約を締結する場面などで、当事者同士が約束・合意した内容を忘れないようにまとめた書面のことも意味します。例えば、クライアントと契約を結ぶ際に、打ち合わせの段階では覚書を使って仮契約し、後日正式な契約書を交わすなどのケースもあります。
「To Doリスト」
To Doリストは、ビジネスシーンで多く使われる言葉です。To Doには「これからやること・やらなければならないこと」という意味があり、「現在するべきことをリスト化したもの(書き出したもの)」がTo Doリストになります。
また、備忘録は「忘れたときのために用意しておく」のを目的としているのに対し、To Doリストは「これからやることを忘れないように記しておくもの」として使われるというニュアンスの違いがあります。
備忘録をつける方法を紹介
備忘録をつけるには、アプリやツールを活用すると便利です。ただし、個人用と複数人で共有する場合とでは、つける方法に若干の違いがあります。それぞれのケースに分けて、備忘録のつけ方を具体的に見ていきましょう。
個人用の場合
自分だけのためにつける場合は、手書きのメモ帳やノートのほか、スマホアプリやExcel・Word・Googleスプレッドシートなど、使いやすい形式やツールを選べばOKです。
持ち運ぶことを考えるなら、なるべくかさばらないものを選びましょう。備忘録がどこにあるか分からなくなったということのないように、常に持ち歩けるものにしておくのがおすすめです。
書き方に正式な決まりはないので、自分の好きなスタイルで書いて問題ありません。通常、後から見て分かりやすくするために箇条書きにするのが一般的です。
共有する場合
少人数で行うミーティングなどの備忘録を共有する場合は、誰が見ても分かるように残す必要があります。また、誰でも備忘録をつけられるように、記載する内容をあらかじめ決めておくのがおすすめです。
例えば、会議の日付・議題・内容などを必ず記載すると決めておけば、後日見たときに分かりやすく、また記録しやすくもなります。
複数の人数で共有する場合は、グループウェアのファイル共有機能や、Googleスプレッドシートなどのツール・アプリを活用し、インターネットを使ってどこからでもアクセスできるようにしておくと便利でしょう。
メイン・アイキャッチ画像:(C)Adobe Stock
▼あわせて読みたい