鉄分とは?
まずは、鉄分そのものについて確認していきましょう。鉄分とは、他のものに含まれている成分としての鉄のことです。鉄分は体の中に約3gあるといわれています。そのうち、約65%は血液中のヘモグロビンの構成成分であり、酸素運搬という重要な役割を果たしているのです。
食品中の鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄と分類されます。たんぱく質と結合しているヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多く、ヘム鉄以外の無機鉄(非ヘム鉄)は植物性食品に多く含まれていますよ。
鉄分が不足すると、貧血になります。貧血になると体がだるい、息がきれる、顔色が悪いといった症状が出るように。貧血予防のためには、鉄分だけではなくたんぱく質も摂取する必要があります。また、赤血球の合成に必要な、ビタミンB12や葉酸も十分に摂取するといいでしょう。とりわけ妊娠中は鉄分不足により、貧血になりやすいそうです。
参考:ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
鉄分は果物と一緒に摂取するといい?
鉄分(非ヘム鉄)は、オレンジやカキ、イチゴ等の果物などの食品と一緒に摂取することで、身体に吸収されやすくなるといわれています。なぜなら、野菜や果物に含まれるビタミンCが、鉄分の吸収を助けるためです。
ビタミンCは酸味の強い柑橘類(レモンやオレンジなど)やイチゴ、キウイフルーツなどの果物に多く含まれているので、これらと一緒に食べることで鉄分の吸収率を上げることができます。
参考:「鉄」の食事摂取基準と多く含む食品を紹介! 【森永製菓】プロテイン公式サイト
タンニンの摂取に注意
コーヒーや緑茶・紅茶などのお茶に含まれているタンニンは、鉄の吸収を抑制します。そのため、食事中に大量のコーヒーを飲んだり、食後に濃い目の緑茶を飲んだりすると、鉄の吸収率が低下するとか。
食事中の飲み物は、タンニンを含まない麦茶や水などがいいでしょう。コーヒーや紅茶などを飲みたくなる場合は、食事から数時間ほど経過してからがおすすめです。
参考:「鉄」の食事摂取基準と多く含む食品を紹介! 【森永製菓】プロテイン公式サイト
胃酸の分泌を助ける
胃酸が十分に分泌されていると、効率的に鉄が吸収されます。胃の中に食べ物が入ると、胃酸によって消化を助けますが、胃酸の分泌を促すポイントは2つ。それは「よく噛んで食べる」「柑橘類や酢、梅干しなど、酸味のあるものを食べる」ということです。
また、鉄の吸収率を高めるために、食事ではコーヒーや緑茶などタンニンを含む飲み物を避けてよく噛んで食べ、食後に果物を食べることを実践してみるといいかもしれません。
参考:「鉄」の食事摂取基準と多く含む食品を紹介! 【森永製菓】プロテイン公式サイト
鉄分が多い食べ物(肉、野菜、果物など)
次は、鉄分が多い食べ物について見ていきましょう。
・レバー
鳥や豚のレバーは、鉄分が比較的豊富であることで知られています。1食分で1日の摂取推奨量の半分以上をクリアできるほど、鉄分が豊富です。しっかりと鉄を補給したい場合は、積極的にレバーを取り入れてみましょう。
・しじみ
しじみには、鉄分以外にもビタミンやカルシウムなどの栄養も豊富な食品です。すまし汁や炊き込みごはん、しぐれ煮などにして使うといいでしょう。砂抜きが面倒な場合、あらかじめ砂抜き済みの商品もありますよ。
・大豆
大豆も鉄分の多い食品の一つです。豆腐・油揚げ・納豆・豆乳・がんもどきなど、大豆を原料とする食品は数多くあります。しかし、大豆に含まれる鉄は吸収されにくい非ヘム鉄。
そこで、柑橘類などの果物やブロッコリーといった野菜に多く含まれるビタミンC、クエン酸、たんぱく質などと一緒に摂取することで吸収率を上げることができます。例えば、豆腐とブロッコリーの炒め物や豆乳とオレンジジュースのオレなどにアレンジしながら摂取することもできるでしょう。
・プルーン
果物ランキングなどでよく出てくるプルーンも鉄分を多く含む食品として知られており、プルーンエキスやドライフルーツとしてのプルーンが有名です。
これら以外にも、鉄分を多く含む食品には、ヘム鉄では牛肉の赤身・赤貝・いわし・かつお・まぐろ、非ヘム鉄では小松菜・ほうれん草・レンズ豆・ひじきなどが挙げられます。
他にはこんなもので鉄分摂取
鉄分を含む食品類は、他にもサプリメントや鉄分を謳った飲み物やおやつなど、いろいろあり、コンビニやスーパーなどで手軽に購入することができますよ。
他にも食品ではありませんが、南部鉄器や鉄鍋などの鉄器で調理することで鉄分を摂取するという方法もあります。鉄器で調理するだけで鉄分が取れるなんて… と思われるかもしれませんか、本当に鉄分が摂取できてしまうのだとか。酢・トマトといった酸性の食品を使うと、鉄器に含まれる鉄分が溶けやすくなるのだそうです。
つまり、南部鉄器や鉄鍋などの鉄器を使って食品を加工することで、鉄分と他の食品に含まれる成分とを一緒に摂取できるわけです。例えば、トマトとチキンの煮込み料理やミネストローネなどは、鉄分を効率的に摂取するのにいいでしょう。他にも、鉄瓶でお茶をそそぐという手もあります。特におすすめなのは朝目が覚めたら鉄瓶で温めた白湯を飲むこと。鉄分を摂取しながら、内臓を温めて代謝をよくしてくれるのだそうです。
最近は、手ごろな値段の鉄鍋も販売されていますし、やかんや鍋にそのまま入れる鉄玉もありますよ。
最後に
鉄分は、人間の体にとって欠かせない栄養素の一つであり、身体の様々な機能に影響を与えます。しかし、鉄分は身体に吸収されにくいため、ビタミンCを含む野菜や果物と一緒に摂取することが効果的でしょう。
また、バランスの良い食生活を心がけ、適切な量を摂取することが健康にとって重要です。自分に合った食品を選び、毎日の食生活に取り入れていきましょう。
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