1.「悶える」
「悶える」という動詞には、苦しみや痛みのあまり見をよじらせるさまという意味があります。読み方は「もだえる」です。
【例文】
・陸上部の先輩であるAさんは、初マラソン挑戦時に途中で足がつってしまいました。しかし、痛みに悶えながらも見事に完走した根性の持ち主です。
・失恋をした当時、友人のAくんは「悶えるような痛みを感じた」と語っていました。しかし、時が経って痛みが薄れてきたようで、今では時折笑顔を見せてくれるので、安心しています。
2.「のた打つ」
「のた打つ」は苦しみもがく、苦痛でころげまわるなどの意味の動詞です。言葉のニュアンスからも、かなりの痛みが伝わってきます。
【例文】
・部屋の中で蚊取り線香を使用したら、床に落下して、のた打つ蚊の姿を目撃しました。
・サスペンスドラマを鑑賞中に、残虐な犯人が主人公をおどすシーンでの「のた打つような苦しみを与えてやる」との発言に、思わず戦慄してしまいました。
3.「転げ回る」
「転げ回る」は、あちらこちらに転がって動き回るという意味の動詞です。痛みや苦しみによってもたらされる動きを表すことが多いといえるでしょう。
【例文】
・大一番となる野球の試合でデッドボールを受けた大リーグの4番バッターは、しばらくホームベースの近辺を転げ回っていました。
・食あたりになってしまった私の弟は、あまりの痛みに耐えかねて、しばらくの間、部屋の中を転げ回っていました。
4.「七転八倒」
「七転八倒」は激しい痛みや苦しみでころげ回ること、何度も転がり倒れることという意味の言葉です。七と八という数字は、数が多いことを表しています。読み方は「しちてんばっとう」です。
よく似た響きを持つ言葉に、「七転び八起き」「七転八起」があります。しかし、意味はまったく異なります。「七転び八起き」と「七転八起」は、何度失敗しても決して諦めないという前向きな意味の言葉であるため、混同しないように注意してください。
【例文】
・流行りの病に冒された彼は、熱にうなされて七転八倒しており、見ているだけで症状の重さが伝わってきました。
・普通の人間ならば七転八倒するほどの痛みがあるはずなのに、私を安心させるために、我慢強い弟はベッドの上で笑顔を浮かべていました。
5.「身悶え」
「身悶え」は、苦しみやいらだちのために、体をよじらせて動かすことという意味の言葉です。肉体的な苦痛だけでなく、精神的な苦痛を感じているときにも使われる言葉といえるでしょう。読み方は「みもだえ」です。
【例文】
・苦しい恋をしてしまった友人は、私の前で身悶えしながら涙を流していました。
・結婚式を目前に控えていることもあり、食事を制限中のAさんは、大好きなスイーツを目の前にして身悶えしていました。
・私はまだ人生の決断の場面を迎えたことがないため、身悶えするほど深く悩んだことはありません。
「足掻く」の意味と読み方を知って正しく使おう
「足掻く」は、「手足を激しく動かして、じたばたと抵抗すること」という意味の動詞です。読み方は「あしかく」ではなく「あがく」であるため、注意してください。
「足掻く」は日常生活でもよく使われている言葉で、「もがく」「もだえる」「のた打つ」などニュアンスの似た類語が数多くあります。微妙なニュアンスの違いを理解して、使いわけをするといいでしょう。意味と読み方を知って、適切な使い方をしてください。
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