架電とは?
仕事の中で、「架電リスト」「架電業務」「自動架電」というような単語を見ることがあるかもしれません。この「架電」とはどのような意味を持つのか、気になったという人もいるのではないでしょうか? そこで、この記事では架電の意味や使い方、類義語などについて解説します。
架電の読み方は「かでん」。電話をかけること・電話をすることを意味します。「架」には、「かけ渡す」「一方から他方に渡す」という意味があり、「架橋」「高架」などの単語があります。「電」は電話のこと。以上のことから、架電は一方から他方に対して電話をすることを指すのです。
なお、「電話をかける」という表現がありますが、ここにおける「かける」はそのまま平仮名で記述するのが一般的です。「電話を架ける」と表現することは、あまりないでしょう。また、デジタル大辞泉(小学館)には、送って相手に届かせるという意味の「掛ける」の用法に「電話を掛ける」とあります。
架電という単語はどちらかと言えば、ビジネスの現場で使われていることが多く、日常生活の場面に登場することは少ないでしょう。
架電の例文
次は、架電の使い方を具体的な例文とともに紹介します。
1:「架電の件ですが、当初の予定通り納品可能です」
「架電の件」というフレーズは、電話でやり取りした相手に再度連絡を取る際に、「先ほど話した件」という意味で使われます。頻繁にやり取りが行われる中で、その都度「先ほどお電話させていただいた件についてですが」と言わず、コンパクトな表現にしたのが「架電の件」というわけです。
2:「A社に架電したのですが、つながりませんでした」
架電は「架電する」という形で動詞的に使うことも可能です。この例文では、架電を試みた相手先につながらなかった旨を伝えています。
3:「架電の通り、明日の正午にお伺いします」
「架電の通り」とは「電話で話した通り」という意味です。「お電話した通り」とするよりも、コンパクトに趣旨を伝えることができます。
架電の類義語
続いては、架電と同じような意味を持つ類義語をいくつか紹介します。架電は、どちらかといえば堅めの表現。もう少しカジュアルな表現や、日常会話でも使える表現も押さえておきましょう。
1:電話
「電話」は電話機を用いて会話をすること。「電話をかける」「電話に出る」「会社に電話する」などと表現します。
2:通話
「通話」は電話で話をすること。接尾語的に用いて通話時間の単位および、その回数を示すこともあります。
架電の対義語
架電の反対の意味に当たる言葉をいくつか紹介します。
1:入電
「入電(にゅうでん)」は、電報・電信などが来ることです。ビジネスのシーンでは、顧客などからの電話を意味します。
2:受電
「受電(じゅでん)」は電信・電報を受け取ることです。他にも、送られた電力を受けるという意味もあります。
3:着電
「着電(ちゃくでん)」は、電報・電信が到着することです。電報や電信が日常的に使われなくなった現代では、耳慣れない言葉かもしれません。
架電業務がある仕事について
最近は自動架電システムも増えましたが、まだまだ人間にしか対応できないこともあります。また、メールやチャットといったコミュニケーションツールがあるとはいえ、電話もまだまだ存在感を示していますね。
そこで、架電業務が欠かせない仕事とはどのような仕事なのかを見ていきましょう。
1:コールセンター
「コールセンター」という名前からもわかるように、電話で顧客とやり取りする業務内容です。クレーム対応、サポート、商品受注、契約の解除などさまざまなやり取りが生じます。架電・受電業務が中心の仕事です。
2:配送業
配送業は物流センターから、比較的近い距離を短い時間で運ぶ仕事です。配送業者は消費者に直接荷物を届けることが多く、再配達依頼などで電話のやり取りも少なくありません。
3:営業職
営業職は、商品やサービスを顧客にアピールして、契約につなげる仕事です。売り込みのために「架電リスト」と呼ばれる電話をかける相手先の一覧を準備して、電話営業を行うこともあります。話すという行為が極めて重要な仕事です。
4:人材紹介業
人材紹介業は、求人を出している企業に対して、条件に合致したスキルを持った求職者を紹介する仕事です。
希望人材の条件確認のために、求人を出している会社に架電する機会もありますし、反対に条件にマッチした仕事を求職者に紹介するために電話をすることもあります。
5:保険会社
保険会社では、顧客に保険商品の説明・提供のために架電業務があります。また、保険の内容や手続きなどに関する問い合わせもあり、これに応じるための受電業務も。複雑な商品の仕組みを適切に電話で説明するために、ある程度の訓練が必要になることでしょう。
6:不動産
不動産会社では、入居者からの問い合わせ対応としてコールセンターを設置していることがあります。また、不動産の売り込みなどで顧客に架電するケースも。
最後に
架電とは、電話をかけることです。最近はIT化の進展で、自動架電システムも普及してきましたが、人が電話で応対しなければならないシーンも少なくありません。架電に際しては、的確な情報の伝達と相手の状況・ニーズに合わせた対応を心がけたいものです。
あわせて読みたい